おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
PUCCINI/La Bohème
c0039487_19532049.jpg
Mirella Freni(Mimì)
Luciano Pavarotti(Rodolfo)
Nicolai Ghiaurov(Colline)
Herbert von Karajan/
Berliner Philharmoniker
DECCA/483 0930(CD, BD-A)




このカラヤンの「ボエーム」は、1972年に、なんとDECCAの録音チームがベルリンのイエス・キリスト教会でベルリン・フィルとのセッション録音を行ったという、後にも先にもこれしかない、まさに「伝説」とも言うべき「記録」です。ここでの録音エンジニアのクレジットでは、ゴードン・パリー、ジェームズ・ロック、コリン・モアフットの3人の名前がありますが、もちろんチーフはゴードン・パリーだったのでしょう。彼らが、それまではDGがカラヤンとベルリン・フィルとのおびただしいセッションを行っていた、いわばDGの牙城に「デッカ・ツリー」を持ち込んだのですから、それだけで大事件です。それが、ついに24bit/96kHzのBD-Aで登場しました。
もちろん、キャストは最高。フレーニのミミにパヴァロッティのロドルフォなのですから、何も言うことはありません。かくして、これは「ベルリン・フィルの最も優秀な録音」(クラシック名録音106究極ガイド)とまでたたえられるようになっていたのです。
さらに、ここではそのベルリン・フィルの当時の首席奏者だったジェームズ・ゴールウェイのフルートまでが堪能できるのですから、なんという素晴らしさでしょう。実は、ゴールウェイ自身が日本で行われた何回かのマスタークラスの中で、ここで共演していたパヴァロッティについて語っていたことがあったのです。その公開レッスンでは、普通にフルートの演奏についての助言などが聴けると思っていたところが、まず彼が開口一番に言ったのが「パヴァロッティ」だったのですよ。要は、フルートを演奏する時には、パヴァロッティのように歌いなさい、ということなのでしょう。そこで受講していたフルーティストたちは、フレーズの歌い方が不十分なときには必ず何度も何度も「パヴァロッティ!」と叫ばれていましたね。
ちょっと記憶が曖昧なのですが、多分その時にゴールウェイが言っていたことで、この「ボエーム」の録音セッションでは、パヴァロッティは自分の出番を1回だけ歌うとそのまま帰ってしまったというのですね。それほど、自分の歌には自信があったのでしょう。
ただ、このエピソードは、今回のパッケージのブックレットの中にある、もう一人のエンジニア、ジェームズ・ロックの証言によって、別の意味を持つことになります。カラヤンはオーケストラだけのリハーサルは入念に行っていましたが、ソリストたちはその間は別室でピアノ・リハーサルをしていたというのですね。そして、役の歌を完璧に自分のものにした時点でカラヤンとの録音に臨み(そこでは楽譜を見ることも許されません)、カラヤンはワンシーンを途中で全く止めないで録音してしまった、というのですね。パヴァロッティだけではなく、全ての歌手が、そこでは「1回」しか歌っていなかったのです。そうやって、カラヤンは劇場音楽としての激情の高まりを大切にしていたのでしょう。ちょっと意外ですね。
そんな細かいことを観察していたゴールウェイのフルートは、もうその一吹きだけで音楽に命を与えてしまっているという、驚くべき存在感を随所で主張していました。パヴァロッティのアリアのバックで同じメロディを重ねているところなどは、まさにパヴァロッティをしのぐほど「歌って」いますよ。そして、ミミの有名なアリア「Si. Mi chiamano Mimì」でのトリルのついたオブリガートなども絶品です。これは、さっきのマスタークラスでは、別の人の録音を聴かせて、「普通は、オペラの伴奏というとみんなこんな風につまらなく吹くんだ」と言っていましたね。それを、ゴールウェイは、フレーニの歌に酔いしれている時でも思わず耳をそばだててしまうような見事なトリルを聴かせてくれているのです。
ただ、ハイレゾの音は確かに素晴らしいのですが、ヴァイオリンのトゥッティあたりでは明らかにマスターテープの劣化と思えるような歪みが認められるのが、残念です。

CD, BD Artwork © Decca Music Group Limited
[PR]
# by jurassic_oyaji | 2016-12-10 20:02 | オペラ | Comments(0)
それこそ、アクアの色なんですが
 おとといの夜に、仙台では少し雪が積もったようですね。でも昨日の朝になって外を見てみても、道路が少し濡れているぐらいでそんな痕跡はありませんでした。でも、
 駐車場は日陰だったので、車の屋根に積もった雪はまだ全部は融けないで残っていましたね。この程度では、「雪おろし」なんかは必要ありません。職場に着くころには、すっかりなくなっていました。もちろん道路もなんともありませんから、せっかく交換したタイヤも、威力を発揮することはできませんでした。ということは、おそらくこのタイヤは、今シーズンは1度も雪を体験しないままに、他の人のものになってしまうのでしょうか。
 そうなんですよ。新しい車を買ったのはいいのですが、納車のタイミングですでにスタットレス・タイヤにした状態で私の元へやってくることになっているので、もはや、今のタイヤを私が使うことはないのですよ。というか、全く同じ車種なのですが、タイヤのサイズが微妙に違っていて、そもそも新車には使えないんですけどね。
 今度買った車は、私としては以前から狙っていたものでした。ずっとハイブリッドに乗りたかったのに、なぜか私の愛車を作っている会社はあまりそれに乗り気ではありませんでした。電気自動車みたいな、ちょっと時代錯誤のようなものにはいたく熱心だというのに。とは言っても、もう私が車に乗り始めてからずっとこの会社とお付き合いしていますから、いまさら別のハイブリッドを積極的に作っている会社の車に乗り換えるという気にもなりません。ですから、この会社がハイブリッドを作るようになれば、すぐさまそれを買おう、と心に決めていたのですよね。
 結局、この会社は、ちょっと予想は裏切られましたが、まさに、期待を超えるような形で新車を発表してくれたので、もう迷いはありません。発売された次の週にはもう契約していましたね。
 おそらく、そういう人はたくさんいたのでしょう。数日前の新聞に、この新しい車が、11月の売り上げでトップに躍り出た、という記事が出ました。なんでも、この会社の車がトップになったのは30年ぶりなのだとか。それで、実際にその様子を調べてみようとしたら、「自販連」というところが、毎月の新車販売台数を公開しているサイトが見つかりました。そこでは、2012年からのデータが見れるようになっていたので、その数値を拾い出して、グラフを作ってみましたよ。サンプルは2012年1月のトップ3と、私の買った車種です。
 どうやら、車ってのは3月に一番たくさん売れることになっているみたいですね。あとは、モデルチェンジの時期と売り上げとが見事に連動していますね。プリウスは一時アクアにずっと負けてましたが、モデルチェンジした瞬間に追い抜いていますからね。
 ですから、ノートが1位になったのも、まさにそのせいなのでしょう。2015年の11月から12月にかけてのプリウスと、2016年の10月から11月にかけてのノートの伸び具合は全く一緒ですね。その後プリウスはまたトップの座をキープすることになりましたが、はたしてノートはどこまで頑張れるのでしょうか。別にどうでもいいことなのですが、ほんのちょっと気になります。
 それと、その新ノートの色別の売り上げ、というのも別のサイトにありました。私が選んだ色は、13色ある中での12番目の人気なのだそうです。これは、正直とてもうれしいですね。走っていて同じ色の車に出会うほど恥ずかしいことはありませんから。
[PR]
# by jurassic_oyaji | 2016-12-09 21:47 | 禁断 | Comments(0)
RZEWSKI/The People United Will Never Be Defeated!
c0039487_20120011.jpg




Igor Levit(Pf)
SONY/88875140162




ジェフスキの「不屈の民変奏曲」に、また新しいアイテムが加わりました。これで、この作品のアルバムは10種類を超えたことになります。ただ、今までリリースされていたのは、ほとんどがマイナーレーベルからのものでしたし、ピアニストもアムランなどを除けばそれほど広く知られている人ではありませんでした。
しかし、レコーディングまでは行わなくても、リサイタルで取り上げている人はもっとたくさんいることでしょう。2014年の6月にウィーンのムジークフェラインザールで行われる予定だったマウリツィオ・ポリーニのリサイタルが、急なアクシデントのためにキャンセルされた時に、急遽その代役を務めたイゴール・レヴィットもそんな一人です。リサイタル当日にオファーを受けて急遽ウィーンに飛んだ彼は、その時に演奏されるはずだったシューマンやショパンの曲に代わって、ベートーヴェンの後期のソナタ2曲と、この「不屈の民」を演奏したのです。ベートーヴェンはともかく、ポリーニが弾く「名曲」を期待していたお客さんは面食らったことでしょうね(チケット代は払い戻されたのだそうです)。
そんな事件で一躍有名になったレヴィットは、1987年にロシアに生まれた天才少年でした。その音楽の才能を伸ばすため、8歳の時に家族とともにドイツに移って音楽教育を受けています。小さなころから各地のコンクールで入賞、2004年には浜松国際ピアノアカデミーコンクールでも第1位を獲得しています。2012年には、ソニー・クラシカルと専属アーティスト契約を結び、翌年にはベートーヴェンの後期ピアノソナタ集のアルバムでメジャー・デビュー、2014年にはバッハのパルティータ集をリリース、そして、2015年にリリースされたのが、そのいわくつきの「不屈の民」と、バッハの「ゴルトベルク」、ベートーヴェンの「ディアベリ」がカップリングされた「3大変奏曲集」です。
そして、つい最近、その3曲がそれぞれ単売されるようになりました。これで、「不屈の民」のアルバムがソニーという超メジャーからリリースされることになり、単なる「現代音楽」を超えた「名曲」となってしまいました。
まず、今まで出ていたこの曲のCDと決定的に違うのは、音の良さです。やはり「現代音楽」にはなにか先鋭的なイメージがあるようで、妙にギスギスした音のものが多かったような気がします。今回はまず録音された場所が、こちらでも使われていた旧東ドイツのラジオスタジオです。非常にくせのない音響を誇っているようで、とてもふくよかな響きが感じられます。そして、レコーディング・エンジニアが名匠アンドレアス・ノイブロンナー(TRITONUS)ですから、芯のある、それでいて繊細な音を味わうことが出来ます。
なんせ、急に頼まれたリサイタルで演奏したぐらいですから、そもそもレヴィットはこの作品には愛着があったのでしょう。この難しい曲の音符は、隅から隅まできっちり磨き上げられていて、胸のすくような鮮やかさ、しかし、それぞれの音にはとても暖かみがこもっています。そして、時折聴こえるピアニシモの繊細なこと。この曲には、こんな「名曲」たる要素が、すでにしっかり宿っていたことを実感させられるような演奏でした。何しろ、テーマからして「おれたちは負けない!」というようなこけおどしの感じが全くない、いとも爽やかなものでしたからね。
それが、最後のテーマの前に出てくる「Improvisation」になると、足音や楽器を叩く音などを交えた過激なものに変わります。そんな落差も楽しめる素晴らしい演奏です。
蛇足ですが、これは「即興と主題」と表記された最後のトラックではなく、その前の第36変奏のトラックの途中、2分ごろから聴こえてきます。

ごく最近こんなのがあったばかり。CDの黄昏を目前に控えて、こういう「不良品」があふれかえってきたのは、あきれかえった事態です。というか、配信でもそのまま間違えてるし。


CD Artwork © Sony Music Entertainment
[PR]
# by jurassic_oyaji | 2016-12-08 20:15 | 現代音楽 | Comments(4)
ずいぶん前に放送されていたんですね
 この間中から、よく「テレビで見ましたよ」と声をかけられるようになっています。いや、別に私が出ていたのではなく、私の職場が出ていたそうなんですね。「どこかで見たことのある石段だった」とか。
 それは、確かにご指摘の通りなのでした。かなり前にテレビの制作会社の人が来て、なんだかお墓のリニューアルを行う過程を実物で紹介したいので、撮影を許可してほしい、ということでしたね。
 それが、いつの間にか放送されていたのですね。私は見ていなかったので職場では録画ぐらいしているだろうと聞いてみたら、なんと制作会社から完パケのDVDが送られてきていたみたいですね。見てみたらこんなタイトルがついていました。
 それでは、順番に見ていきましょうか。まず、最初にこんなシーンが出てきました。
 そして、これが「石段」ですね。来たことがある人だったらすぐわかるはずです。
 そこに、こんなテロップが入れば、もうバレバレですね。
 この中にある、なんでも明治時代に作られたという墓石を修復する、というのが、今回のテーマなのだそうです。
 まず、お墓に宿っている魂を抜くために、「心抜き」のお経をあげます。
 墓石だけの状態だと、こんな感じでした。これを解体して工場まで運びました。
 途中の作業の経過は省きますが、石を洗ったり磨いたりして、ここまできれいになりました。
 というわけです。別に、職場自体は何もしていなくて、ただ撮影の場所を提供した、というだけの話です。
 実は、だいぶ前にも、同じように撮影に協力した、ということがありました。それはドラマの撮影で、その時には墓石だけではなく、本堂なども使って撮影が行われ、人がいっぱいあふれて大変でしたが、今回は副住職がお経を読むときに映っただけで、他の人は撮影が行われていたことにも気づきませんでしたよ。
 探したら、こちらに、映像がアップされていましたね。
[PR]
# by jurassic_oyaji | 2016-12-07 21:40 | 禁断 | Comments(0)
MAHLER/Das Lied von der Erde
c0039487_23043856.jpg

Dietrich Fischer-Dieskau(Bar)
James King(Ten)
Leonard Bernstein/
Wiener Philharmoniker
TOWER RECORDS/PROC-1991(hybrid SACD)




1966年に録音された、バーンスタインとウィーン・フィルによるマーラーの「大地の歌」がSACDになりました。発売当時からかなりの評判をとっていたレコードですから、CDが流通し始めたかなり早い時期、1989年にはCD化され(左)、さらにその後も「オリジナルス」のような仕様(右)で新たにリマスタリングが施されたものもリリースされていました。

しかし、今に至るまでSACDやBD-Aでのリリースはなかったはずです。それが、この前のコンドラシンの「シェエラザード」で見事なハイレゾ化を見せてくれたタワーレコードの企画によって、めでたくSACDを聴くことが出来るようになりました。
なにしろ、プロデューサーはジョン・カルショー、エンジニアはゴードン・パリーという、あのショルティの「指輪」を完成させたパリパリのDECCAの黄金コンビによる制作、その音の神髄はとてもCDでは再生できるわけはありませんから、これには喜びもひとしおです。
その1966年というのは、バーンスタインが初めてウィーンの国立歌劇場で指揮をした記念すべき年でした。そこで上演された「ファルスタッフ」が人気を集めたので、バーンスタインをアーティストとして抱えていたアメリカのCBSは同じキャストでのレコーディングを企画します。そして、表向きはCBSのジョン・マクルーアがプロデューサーというクレジットで作られたレコードは、実際はエリック・スミス(プロデューサー)、ゴードン・パリーとコリン・モアフット(エンジニア)がウィーンのゾフィエンザールで録音を行ったという、完全にDECCAによる制作だったのです。その時のオーケストラのウィーン・フィルが、DECCAの専属アーティストだったからですね。
ですから、DECCAとしてはそのバーターとして、同じメンバーによってDECCAとしてのレコードを作ることが出来たのです。それが、この「大地の歌」でした。
さらに、バーンスタインは1968年にもこの歌劇場に登場して、シュトラウスの「ばらの騎士」を指揮して、やはり大評判となり、そのプロダクションが1971年に再演された時に、やはりDECCAのチームによって録音されたものがCBSレーベルからリリースされています。その時のプロデューサーは、すでに1967年にはDECCAを去ってBBCで仕事をしていたカルショーでした(エンジニアはゴードン・パリーと、ジェームズ・ロック)。
この「大地の歌」は、確かに今までのCDとは一線を画した、ハイグレードの音になっていました。解像度は明らかに増して、それぞれの楽器や歌手が立体的に聴こえてくる、というのは、今までの「良い」SACDでは必ず味わえたものです。ただ、2種類のCD(初版とオリジナルス)と今回のSACDを比べてみると、なんだかマスターテープそのものが違っているのではないか、という気がしてきました。
今回のブックレットには
本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SACD層用のDSDマスターを制作しています。(略)なおアナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施しています。

とありますが、その「修復」というのは具体的にはどういうものなのでしょう。SACDではヒスノイズが少なくなっていますし、ヴォーカルの音像が少し引っ込んだ感じになっています。さらに、2曲目の「Der Einsame im Herbst」で、初版では派手あちこちで認められたドロップアウトが、SACDでは全くなくなっています。あるいは、初版とSACDにはなかったドロップアウトが、オリジナルスにだけ存在していたりします。ですから、DSDにトランスファーする以前に、かなり大々的な修復作業(正確には、デジタル・エディティング)が行われていたのではないでしょうか(DSDでは、そのような精密な編集作業は不可能です)。それは「オリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換」というものには程遠い作業のような気がするのですが。

SACD Artwork © Decca Music Group Limited
[PR]
# by jurassic_oyaji | 2016-12-06 23:08 | オーケストラ | Comments(0)