おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
BARTÓK/Bluebeard's Castle
c0039487_2026547.jpg

Katalin Szendrényi(Sop)
Falk Struckmann(Bar)
Eliahu Inbal/
Radio-Sinfonie-Orchestre Frankfurt
DENON/COCO-70998



まだまだ「クレスト1000」は続きます。今回は1992年録音の「青ひげ」です。シュトラウスではありません(それは「青だに」?)。最初に発売されたのは1994年ですが、その時のマスターをそのまま使っているのでしょう、今のCDにはまず見ることの出来ない「インデックス・ナンバー」が付けられています。CDが出来た当初は、普通に頭出しに使う「トラック・ナンバー」の他に、そのトラックをさらに細分化するための「インデックス・ナンバー」というものが付けられていたということを知っている人は、おそらくかなり少なくなってしまったはずです。現在ではそんなものが付いたCDはまず見あたりませんし、そもそもCDプレーヤーがインデックスに対応していませんから、その存在自体がもはや完全に忘れ去られているものなのですからね。ちなみに、「トラック」と「インデックス」という2種類の頭出しを設けたのは、きちんとした曲の間や、はっきりした境目のある楽章間などには「トラック」を、そして、曲や楽章の中の、例えば新しいテーマが現れる部分のような、音楽的に特徴のある部分には「インデックス」を付けるという使い分けが、当初は考えられていたからなのでしょうね。つまり「ここから『展開部』が始まります」みたいな、「曲目解説」に書かれてあることを実際にプレーヤーのディスプレイで表記して、より理解を助けようとする啓蒙的な使い方を目指していたのでしょう。ですから、ここで発売当時のものがそのまま掲載されているライナーにもあるように、インデックスを利用して「楽曲分析」をシンクロさせようという、いかにもクラシック・マニアが喜びそうな機能ではあったわけです。そんな便利なものがなぜ今では廃れてしまったのでしょうね。そんな「お勉強」なんか必要ない、というファン層が広がったからなのでしょうか。
そんな、昔の名残をとどめているかと思うと、このCDには歌詞の対訳を収めたPDFがエキストラ・トラックとして入っているという、最新の仕様にもなっているのが、面白いところです。最近では、このような、ブックレットには収めきれない情報をインターネットで提供するということが広く行われていますが、このようにディスクの中に「同梱」してもらう方がはるかに使いやすくなりますから、これは大歓迎です。
演奏の方では、最初に前口上のナレーションを入れるという、珍しいことを行っています。他にこんなことをやっているのは、聴いたことがあるものではショルティ(DECCA/1979)とブーレーズの2回目(DG/1993)の録音ぐらいのものでしょうか。確かにここでのシャーンドル・ルカーチという人のドラマティックな語りは、聴き手を馴染みのないハンガリー語の世界へと誘うための、とても有効なイントロとなっています。
歌手の方も、ユディット役のセンドレーニはまさに「ネイティヴ・スピーカー」ですから、いとも自然なハンガリー語の抑揚を聴かせてくれています。その上に、力強い声を駆使した幅広い表現力で、とてもドラマティックな世界を作り上げています。このスタンス、ことさらストイックではなく、かといって大げさすぎないもので、よさげ。青ひげのシュトルックマンも、深刻ぶらないおおらかさが魅力的です。
そして、それを支えるインバルのオーケストラが、あるときは陰に徹し、しかし出るべきところでは思い切り主張するという、絶妙のバランスを見せています。「第4の扉」が開いてしばらくしてから現れるフルート・ソロのうまいこと。こんな存在感のあるソロは、この録音で初めて聴くことが出来たような気がします。最大の山場である「第5の扉」のフルトーンは、とてもヌケのよい録音と相まって、最高の爽快感を味わわせてくれています。殆ど気にはならない混濁ですが、前のマスターの使い回しではなく、新たにマスタリングが行われていたら、さらにクリアな音が体験出来たことでしょう。
[PR]
by jurassic_oyaji | 2008-12-28 20:28 | オペラ | Comments(0)