おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
WAGNER/Opera Choruses


Soloists and Chorus of the Royal Swedish
Opera
Leif Segerstam/
Royal Swedish Orchestra
NAXOS/8.557714



ヴァーグナーの「オペラ合唱曲集」という、どこにでもありそうなタイトルですが、これがなかなか渋い選曲、しかもかなり手の込んだものなのですから、やはりNAXOSをコレクションの対象からなくそすことは出来ません。フィンランドの巨匠セーゲルスタムが、スウェーデンの王立歌劇場の合唱団とオーケストラを指揮したもの、ちょっとマニアックですが、確かな訴えかけを持ったアルバムです。ただ、添付されている日本語のタスキには明らかな間違いがあります。「ローエングリン」の中の合唱のタイトが「真心こめてご先導いたします」となっていますが、これは第3幕のいわゆる「結婚行進曲」という超有名な曲のタイトル。しかし、ここで演奏しているのはそれではなく第2幕第4場の全く別な曲なのです。同じタスキの中で、「別の曲です」と書いているにもかかわらず、タイトルだけは間違ったままなのが笑えます。
そんな、担当者が勘違いするほど、有名曲をさけた選曲、特に、「マイスタージンガー」と「パルジファル」では、一つの場面を適宜抜粋して、合唱が中心の部分を聞かせるという粋なことをやってくれています。それでもソロ歌手が入る部分は残っていますから、そこにはこのオペラハウスの歌手が参加するという、贅沢な面も。こういう形で演奏してくれると、オペラの全体の流れの中での合唱というものの姿が、きちんと見えてきます。特に「パルジファル」では騎士たち、若者たち、そして天上からの少年合唱(歌っているのは大人ですが)というそれぞれのキャラクターが、見事な対比を示しています。セーゲルスタムの演奏は、感情の起伏が大きい割には、流れはスマート、どんどん先に進む場面をさわやかに駆け抜けていきます。そして、合唱は信じられないほどの水準の高さ、一本芯の通った涼しい音色が魅力です。
「オランダ人」でも、「水夫の合唱」はきちんと最後、つまりノルウェー船の脳天気な合唱から(この男声の張りのある声も素敵)オランダ船の不気味な合唱まで全て収録されていて、やはり、一つの場面の中での合唱の持つ多様な表現をしっかり味わえるようになっています。そんな中で、もっとも珍しいものは序曲以外は、演奏される機会などほとんどない「幻」の作品「リエンツィ」からの、第2幕の平和の使者の合唱です。もちろん、私は初めて聴いた曲ですが、女声合唱によって歌われる無垢な世界は、心にしみるものがあります。この合唱が2回繰り返され、それに挟まれる形でドラマが進行するのですが、後のヴァーグナーからは想像できないような「伝統的」なスタイル、6時間はかかるという全曲を聴かなくても、その片鱗だけはしっかり味わうことが出来きるという、心憎い仕掛けが込められています。
もちろん、「タンホイザー」の「入場行進曲」のような「有名」な曲もしっかり押さえているのはさすがです。こんな耳慣れた曲も、このアルバムの中にあると、単なる「名曲」ではなく、ドラマの中での役割がしっかり見えてくるというのが、すごいところです。
[PR]
by jurassic_oyaji | 2005-03-17 20:35 | 合唱 | Comments(1)
Commented by SfH at 2005-03-18 20:23 x
再開されましたね。更新停止されたので、どうしたのかと思ってました。
今後ともどうぞよろしく!