おやぢの部屋2
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HOWELLS, WHITACRE, PIZZETTI/Requiem
Requiem
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Conspirare
HM/HMU 807518(hybrid SACD)



「コンスピラーレ」というのは、四国地方(それは「コンピラーレ」)ではなく、テキサス州オースティンを本拠地に活躍しているアメリカの合唱団です。またの名を「クレイグ・ヘラ・ジョンソンとカンパニー・オブ・ヴォイセズ」、日本の演歌系コーラスグループの名前のノリですね。「敏いとうとハッピー&ブルー」とか「内山田洋とクールファイブ」でしょうか。
「クールファイブ」は6人編成ですが、こちらは、アメリカ全土から集まったプロのシンガーによる40人ほどの中規模の合唱団、テクニックにしても表現力にしても、かなりのハイレベルのものがあります。時折ソロを取っているメンバーも、とても立派な声の人たちばかりです。創立者である音楽監督のジョンソンは、指揮はもちろん、ピアノ伴奏から編曲までも手がけるという幅広さ、合唱団のレパートリーも、時代やジャンルを超えた幅広さを誇っています。
このアルバムには、タイトル通り「レクイエム」という表題を持つ曲を始めとした、「死」とか「思い出」がテーマとなっている作品が集められています。1曲を除いてはすべてアカペラ、合唱団の力量とソノリテが勝負の曲ばかりです。
まずは、多くの名盤が揃っているハウエルズの「レクイエム」。今まで聴いてきたものは、この曲の持つ繊細さを前面に出した演奏だったような気がしますが、ここではそれよりももっとはっきりした「力」が感じられるものでした。そもそも、この録音がSACDでありながらかなりヌケの悪い、何か押しつぶされたような不愉快な音なものですから、せっかくのハウエルズの緻密な和声が伝わって来にくいところがあります。合唱そのものは、全く破綻のないもの、特にベースの響きには圧倒されるのですが、そんな録音ですから、肝心のソプラノの声のまとまりが犠牲になっているように聞こえてなりません。
「ポリフォニー」の名演で馴染んでいるエリック・ウィテカー(代理店のインフォに「ホワイテークル」とあったので、誰のことかと思ってしまいましたよ)の「hope, faith, life, love」と「i think You God for most this amazing day」では、やはり同じ国の作曲家という部分でのシンパシーがあるのでしょうか、特に言葉の面での積極的なアプローチが心を打ちます。しかし、やはり録音のせいなのでしょう、クラスターの響きが何か生々しすぎて素直に入っていくことが妨げられてしまいます。
ピッツェッティの「レクイエム」というのは、初めての体験でした。いにしえのポリフォニー(あ、これは先ほどのイギリスの合唱団の名前とは別、本来の意味でのタームです)を現代に再構築したという趣の、なかなか美しい曲ですね。「Dies irae」では、有名なグレゴリアンのテーマがフルコーラス引用されていて、親しみを感じさせるという工夫も。「Sanctus」あたりの盛り上がりもなかなかのものです。あいにく、そんなフルレンジの部分での飽和しきった録音は悲惨ですが。
これが世界初録音となるドナルド・グランザム(代理店のインフォでは「グラントハム」)の「We remember them」という小品は、オーソドックスな和声とホモフォニーという平易な曲。最後に9の和音が延々と引き延ばされたあとに解決する三和音の純粋さに「救い」を見る思いです。
もう一つの初録音の曲は、シンガー・ソングライターのイライザ・ギルキソン(代理店のインフォでは「エリザ・ギルカイソン」)が、2004年にアジアを襲った津波に触発されて書いたポップ・チューンを指揮者のジョンソンがピアノ伴奏付きの混声合唱に編曲したバージョンです。フォーク・テイストのシンプルな訴えかけにあふれた曲ですが、ここではピアノが最悪の音で録音されています。ちなみにこのレーベルの代理店はあの「キングインターナショナル」です。

SACD Artwork c Harmonia Mundi USA
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by jurassic_oyaji | 2009-06-11 19:43 | 合唱 | Comments(0)