おやぢの部屋2
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Weihnachten in Europa
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Wieslaw Delimat, Pablo Heras-Casado,
Povilas Gylys, Joshard Daus/
EuropaChorAkademie
GLOR/GC08161



このレーベル、以前からも例えばドミンゴが指揮をしたヴェルディの「レクイエム」などをリリースしていたのですが、最近ロゴやらジャケットデザイン、さらには品番の付け方なども一新してガサっと国内市場に登場しました。レーベルの内容は、お馴染みヨスハルト・ダウスの指揮する「オイローパ・コア・アカデミー」をメインとするものには変わりはありませんが、今回はダウスが合唱指揮だけで、オケはカンブルランやギーレンが指揮をしているアイテムも含まれています。それと、その合唱団、ドイツ語表記の「Chor」の部分が、以前はイタリックだったものがそうではなくなっているのも、リニューアルの成果なのでしょうか。
このアルバムは、オーケストラとの共演ではなく、合唱団だけのアカペラの演奏が収められたものです。曲目は、タイトルでも分かるとおり「ヨーロッパのクリスマス」です。このパッケージにはこのレーベルのプロモーションDVDが同梱されていて、ダウスやその合唱団の素顔が紹介されています。それによると、メンバーは文字通りヨーロッパ中の国から集まっていることが分かります。映像を見る限りでは、アジア系の人もいますし。そして、このアルバムのラインナップは、そんな、さまざまなルーツを持つメンバーを反映したものになっています。
全体の構成は4つのパートからなっていて、それぞれポーランド、スペイン、リトアニア、そしてフランスとドイツのクリスマスがらみの曲が演奏されています。もう一つの企画は、最後のフランスとドイツのパート以外は、ダウスではなくそれぞれの国の出身の指揮者が指揮をしているというもの。スペインのパートを指揮しているヘラス・カサドなどは、30歳になったばかりという若者です。
ポーランド・パートは、古い伝承曲を編曲したものが集められています。オーケストラといっしょに歌っていたときにはあまり気づかないような、ちょっとした不揃いな音色や、ちょっと方向性の定まらない音楽の作り方、といったものは、おそらく他の指揮者による不慣れな面が影響しているものなのでしょうか。これは、ある程度仕方のないことなのかもしれません。
しかし、次のスペイン・パートで演奏されていた、ルネサンス期の作曲家、ヴィクトリアとかゲレーロといった人たちの作品を聴くと、なんともこの合唱団との違和感だけが強く迫ってきてしまいます。このような緻密なポリフォニーには、それなりの修練が必要であることが痛感されます。特に、全体の流れを遮るようなかなりダイナミックな抑揚が、「ちょっと違うな」という感じ。
さらに、続くリトアニア・パートも、なにか今までイメージしてきた「バルト三国」の合唱とは微妙に異なった、「余分な元気良さ」のようなものがあふれています。そう思わせられるのは、主にソプラノの積極的な歌い方のせいなのでしょうか。
そして、いよいよダウスが指揮をするフランス・ドイツ編。最初はプーランクの「クリスマスの4つのシャンソン(モテット)」です。この超有名曲、あまたの名演の前ではかなりハードルが高くなってしまいますが、最低限クリアして欲しいプーランクならではのハーモニーの妙が全く感じられないのには、かなり失望させられてしまいます。そういえば、先ほどのスペインのポリフォニーもかなり悲惨な音程だったことを思い出しました。オーケストラの中ではあれ程の完成度を見せていたというのに、何と言うことなのでしょう。
最後のドイツ編も、「きよしこの夜」のなんとも無神経な編曲にはたじろぐばかり、続く名曲たちも、ついになにかを訴えかけるほどのテンションを見せることはありませんでした。これが、この合唱団の実力では決してないはずです。それとも、ほかの魅力で迫る?(それは「オイローケ・コア・アカデミー」)

CD Artwork © Glor Music Production GmbH & Co.
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by jurassic_oyaji | 2009-06-15 21:34 | 合唱 | Comments(0)