おやぢの部屋2
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Rock Legends Reborn~acoustic cafe~
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山本恭司
AVEX/AVCD-23731


ギブソンの「レス・ポール」の殻を割ったら、中から出てきたのはマーティンあたりのアコースティック・ギター・・・みたいなジャケットが素敵ですね。そんな、かつて大ヒットを放ったハード・ロックの名曲を、アコースティックな味わいで「再生」した、というのがこのアルバムのコンセプトなのでしょう。
いまどきのCDには珍しい、トータルの収録時間が3347秒というのは、同じレーベルのフォーレのレクイエム1曲だけ3702秒という今までの最短記録(いや、あくまで当サイトでの話ですが)を塗り替えるものです。まあ、そのあたりはここに収録されていた曲が本来刻まれていたヴァイナル盤を意識したもの、と解釈させて頂きましょう。確かに、昔のロックのアルバムに比べたら、今のCDの収ロック(録)時間は長すぎます。
それこそ「伝説的」なロックバンド「BOW WOW」のギタリスト、山本恭司がプロデュースした、そんなおしゃれに変身した「ロック・クラシックス」のラインナップは、ジャーニーの「Don't Stop Believin'」、キッスの「I Was Made for Lovin' You」、スティックスの「The Best of Times」、ヨーロッパの「The Final Countdown」、サバイバーの「Eye of the Tiger」、エアロスミスの「Walk the Way」そしてナイト・レンジャーの「Sister Christian」です。いずれのタイトルも、クラシック・ファンであっても、どこかで一度は聴いたことがあるはずの超名曲ばかりですね。
さまざまなボーカリストやプレイヤーをゲストに迎えて繰り広げられるセッションですが、一番このコンセプトに合致している、というか、最も聴き応えがあったのは、キッスの「I Was Made for Lovin' You」でした。なんと、アレンジがボサノバ仕立てなのには驚かされますし、後半にはさらにアップテンポのサンバになって盛り上がります。ボーカルのゲストがMonday満ちる、ご存じジャズ・ピアニストの穐吉敏子の娘さんですね。実は、穐吉さんと懇意になさっているという方が知り合いにいるのですが、だいぶ前にその方から「娘さんはフルートを勉強なさっている」と聞いたことがありました。それが今では、こんなスケールの大きなミュージシャン、というよりはアーティストになっていたのですね。ここではちょっとけだるいボーカルと、それをおしゃれに彩るコーラスで、とても「キッス」とは思えないような洗練された世界を作り上げてくれました。そして、ちょっと遠慮がちにオフで入っているフルートのセンスの良いこと。「ソロ」というには慎ましすぎるフィルですが、見事な彩りです。
そして、もう一人のゲストがギターの渡辺香津美です。クレジットには「ガット・ギター」とありますが、曲の後半になっておもむろに入ってくるソロは、いつもながらの素晴らしさでした。ガット・ギターならではの、低音を多用したレジスターと、まるで神業のようなコード・チェンジには感服してしまいます。さらに、終盤には、今までおとなしくリズムを刻んでいた山本恭司が、そのトラックはそのままにして、新たにソロとして渡辺香津美とバトルを繰り広げてくれますよ。とてもエキサイティングなソロの応酬、もう「キッス」なんてどこかへ行ってしまっています。
ただ、その他の曲がなかなかそこまで思い切って「脱皮」し切れていないのがちょっと残念。ボーカルがロックそのもののシャウト唱法の人だったりすると、いくらアレンジをおとなしくしてみてもしょせん「アンプラグド」(そういえば、この言葉、最近あまり耳にしませんが、どうなってしまったのでしょう)程度の変わり様しかなく(いや、「アコースティック」といいながら、ギンギンのエレキギターが入っているのもかなりありますし)、そこは相変わらず荒くれ男の「酒場」の世界、大人の女が似合うしっとりとした「カフェ」からはほど遠いものがあります。

CD Artwork © Avex Entertainment Inc.
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by jurassic_oyaji | 2009-06-29 19:51 | ポップス | Comments(0)