おやぢの部屋2
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BEETHOVEN/Symphony No.6
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Herbert von Karajan/
Berliner Philharmoniker
TESTAMENT/JSBT 8452



このサイトには、フルーティストのジェームズ・ゴールウェイがソリストになる前に、オーケストラのメンバーとして演奏している録音を集めたリストがあります。データはKさんというマニアの方が長年かかって収集したもの、おそらく、世界中捜してもこれだけ充実したリストはないはずです。なにしろ、海賊盤は言うに及ばず、放送を録音したテープなども網羅されているのですからね。肝心の「ゴールウェイが吹いている」という点も、何度も聴いて確認してあります。ただ、彼の音は非常に分かりやすいので長いソロなどがあれば間違いなく特定できますが、ほんの一瞬の出番では判断が困難な場合もあり、時折「削除して欲しい」といったような連絡が入って、リストから消すようなケースもないわけではありません。「Incomplete」というタイトルのように、いつまで経っても「完全」なものは出来ないけれど、限りなく「完全」に近いものを目指そうとするKさんの熱意には、頭が下がります。
そのリストの最新のアイテムが、この、1972年5月のロンドンでのコンサートの録音です。BBCによって録音されていたものが、今回TESTAMENTによってマスタリングされ、正規盤として初めて発売されました。2日間のコンサートが2枚のCDとしてリリースされたのですが、最初の日にはゴールウェイは乗っていなかったので、こちらの2日目のプログラムだけが晴れてリスト入りです。
ジャケットの写真は、当然のことながらカラヤンの指揮姿、しかし、こういったライブ録音のCDだったら、その写真は収録されているコンサートを撮ったものだと思うのが普通ですが、どうもこれはロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールではなく、ベルリンのフィルハーモニーのように見えないでしょうか。というより、かぶりつきに座っている人たちの足の組み方などに見覚えがあったのでちょっと調べてみたら、この写真はカラヤンとベルリン・フィルが1966年に来日した時のパンフレットの中にあった写真と全く同じものでした。元の写真では、右端のおばちゃんの3人先には、着物を着た日本人女性が座っているのですよね。
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ということは、これは1966年以前に撮影されたもので、ロンドン公演とはなんの関係もない写真ということになります。まあ、別にどうでもいいのですが、TESTAMENTにしてはずいぶん安直なことをやっているな、という印象を受けてしまいます。もっとも、このCDは品番をみても分かるとおり、ジャケット制作やプレスは日本で行われたものです。この前の本のように、没後20年で沸き返っているカラヤン贔屓の国の人たちのやることですから、笑って許してあげましょう。
ゴールウェイの音を味わうためだけに買ったものではあっても、やはりカラヤンの演奏を聴かないわけにはいきません。「田園」では、普通のスタジオ録音と変わらないような、練りに練り上げられた極上のサウンドとアンサンブルが聞こえてきたので、さすがは絶頂期のこのコンビ、と思いかけたのですが、第4楽章の「嵐」のあたりから、なんだか様子がおかしくなってきましたよ。楽器のバランスがめちゃめちゃなのですよ。やはり、彼らの場合スタジオ録音とライブ演奏とは全くの別物、という噂は本当だったのですね。おそらく録音のせいもあるのでしょうが、金管や打楽器の暴走ぶりは、ちょっと常軌を逸しています。そんな、張り切りすぎた疲れからか、第5楽章のアンサンブルはもうぼろぼろです。ヴァイオリンなどは、本当はチューニングが必要だったのでしょうね。冒頭の美しいテーマからして、およそベルリン・フィルとは思えないような貧相な音なのですからね。
いいんです。ゴールウェイの素晴らしいソロさえ聴ければ。「英雄の生涯」と合わせて80分、1枚で一晩のプログラムが全部聴けるというお買い得CDですしね。

CD Artwork ©Testament
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by jurassic_oyaji | 2009-08-08 23:42 | オーケストラ | Comments(0)