おやぢの部屋2
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VERDI/Messa da Requiem
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D. Nedialkova(Sop), I. Ninova(MS)
R. Doikov(Ten), E. Ponorski(Bas)
Ivan Marinov/
Choir and Orchestra of the Sofia Opera
BRILLIANT/93958



この曲の中の「Dies irae」は、ひところラーメンのCMに使われて、毎日テレビから流れていたことがありましたね。いや、例えば芸能ニュースなどでも、ちょっと衝撃的なシーンにこれを使うのは、もう殆ど定番となってますし。そんな、ある意味「ブーム」に乗ったわけでもないのでしょうが、きちんとした演奏でも、最近のこの曲の露出はちょっと普通ではありません。この2、3ヶ月の間に新しいCDが3種類も発売されましたし、仙台のプロオケ仙台フィルは、10月に定期演奏会でこの曲を取り上げます。そのために、仙台でもトップクラスの4つの合唱団が集まって、この曲を半年間も練習するという贅沢なことも行われたりしています。きっと素晴らしい演奏となることでしょう。
CDの方では、他のパッパーノやデイヴィスも聴いてみたい気もしましたが、同じ時期に出たこのちょっと怪しげなBRILLIANT盤が異様に安かったので、ダメモトで買ってみました。
演奏しているのは、ソフィア・オペラの合唱団とオーケストラ、「ソフィア・オペラ」というのは昼メロではなく(それは「ソープ・オペラ」)、最近ではしょっちゅう日本中で公演を行っているブルガリアのオペラハウスのことなのでしょうね。確か、1965年という大昔にNHKが呼んだ「スラブ・オペラ」という混成カンパニーの一翼を担っていましたね(その他には、ザグレブとベオグラードのオペラハウスも参加、マタチッチやチャンガロヴィッチで大騒ぎになりましたっけ)。
このCDは、まず音を聴く限りそんな昔の頃の録音ではなかったのには一安心。ちょっとノイズが聞こえたりしますが、かなり解像度も良く、定位もはっきりした今風のものでした。しかし、最近ではしっかり録音データなどを付けるようになってきたBRILLIANTですが、これには録音の場所も時期も全く記載されていません。歌手や指揮者もぜんぜん知らない人ばかりですし、なによりも普通はまず80分以上はかかるために1枚には収まらないものが、トータル・タイムが7850秒でギリギリ1枚になっていますから、もしかしたら・・・。ピッチもa=446と少し高めですし。でも、やはり1枚に収録してしまったドミンゴ盤などもありますから、まあそんなことはないでしょうがね。
そのドミンゴの演奏に比べたら、このCDでは1曲目などはずっとゆったりとした演奏になっています。この導入部はオーケストラはとてもたっぷりとした歌い方、合唱も緊張感があふれていてこれはお買い得かな、という気分にさせられます。しかし、それに続く「Te decet hymnus」という無伴奏の合唱になったとたん、彼らはまさに「スラブ」の魂丸出しの、力強く雄々しい(粗野ともいう)歌い方が満開になってしまいましたよ。それからは、ソリストも巻き込んで殆ど歯止めがきかないほどの熱のこもりすぎたハイテンションの世界が広がります。
次の「Dies irae」は想像を絶する速さ、これは同じ形があとになって何回か出てきますから、ここで思い切り時間を詰めた結果、全体の演奏時間がこんなに短くなったのですね。そんな超高速のドライブ感はすさまじいものがあります。金管は吼えまくり、ピッコロは死にもの狂いのハイ・ノート、嵐のような打楽器の殴打。そこに、それに負けないほどのパワフルな合唱が加わるのですから、まさに阿鼻叫喚、酒池肉林です(意味不明)。
一度ここまでレベルが上がってしまうと、もはや平静には戻れません。静かであって欲しいところでも常につきまとう異様なまでの力強さには、もう慣れるしかありません。そう観念すれば、こんな骨太の「Lacrymosa」にも、何か親近感がわいてくるものです。チマチマしたところのない、何か勇気を与えてもらえるようなスカッとしたレクイエム、こんなのが1枚ぐらいあっても、邪魔にはなりません。

CD Artwork © Brilliant Classics
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by jurassic_oyaji | 2009-09-06 23:41 | 合唱 | Comments(0)