おやぢの部屋2
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原田節/オンド・マルトノ
 今年の「せんくら」は、なぜか平日のきのうからの3日間という日程です。いつもはもう1週間あとの3連休にやっていたのに、なぜ?という感じですが、おそらくその時期には「よさこい」という全国から暴走族が集まるお祭りがあるので、とてもそんなときにお上品なクラシックのコンサートなんて、あぶなくてやっていられないわ、ということだったのでしょうね(本当か?)。
 年々内容が薄くなっていく「せんくら」、年を追うごとに足を運ぶコンサートは少なくなっていって、ついに今年は行きたいと思ったのは原田節さんのオンド・マルトノのコンサートだけしかなくなってしまいました。それが、きのうメディア・テークで行われました。
 この会場でコンサートといえば、定禅寺通りジャズフェスティバルでのオープンステージしか知りませんでしたから、そんな、まわりに無関係な人たちがうようよいるような場所で、この繊細な楽器を聴かなければならないとは、と思っていたのですが、行ってみるとそこは天井までしっかり隔壁が立てられていて、完全に密閉した空間になっていましたよ。こんなことが出来るなんて、初めて知りました。そこで、初めて実物を目にしたオンド・マルトノです。
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 まさか、とは思ったのですが、まだお客さんもほとんど入っていないうちにステージの前に行ってこの写真を撮ったところ、係員が「会場内での写真は禁止されております!」と、まるで今撮ったメモリーを消去しろ、みたいな剣幕で迫ってきましたよ。なにをバカなことを言っているのでしょうか。去年だってつのだ☆ひろ、ではなくてつのだたかしのコンサートでは、始まる前には珍しい楽器を写真に撮っている人がたくさんいたというのに。演奏中ならいざ知らず、ただ置いてある楽器を撮っただけで悪者呼ばわりをするのは、なにか、コンサートというものを根本的にはき違えているとしか思えません。
 そんなお粗末な光景は、もう一つありました。私のすぐ後ろの席にすでにおばちゃんが座っているところへ、さっきの係員が「ちょっと座席番号を確認させて下さい」とやってきました。確かに同じ席のチケットを持った人が来てたのですが、よく見るとそれは別のコンサートのチケットだったのですよ。これはまず、モギリでなんの確認もしなかったのと、その係員がまずチケットを確認しなかったという、二重のお粗末さです。
 そんな嫌な思いをさせられたにもかかわらず、そのおばちゃんたち(団体)は元気よくおしゃべりをしていました。どうやら、この楽器のことは完璧に知らない人たちのようでした。「おんどまるとのって、なんだべねえ」とか「どんな音がすんのっしゃ」という話が聞こえてきます。すると、そのとなりに座っていた男(赤の他人)が、やおらおばちゃんたちに向かって話しかけてきました。「あれは、鍵盤は付いているけど、それは使わないで、アンテナのようなものに手を近づけたり離したりして音を出す楽器なのですよ」・・・あのねえ、それはテルミンのことじゃないですか。なにも知らないと思って、おばちゃんたちにいい加減なことを教えないで下さいよ。こういう人、よくいますよね(確かに、オンド・マルトノのプロトタイプはテルミンのコピーでしたから、あながち嘘ではないのですが、ここにある楽器とそれは全く別物です)。
 そんな場違いな人たちの前に現れた原田さんは、ペインティングされたデニムのジャケットという奇抜なファッション、いいですねぇ(これはサイン会での写真)。
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 まずミヨーやメシアンのオリジナル曲を演奏する間に、軽いトークで、楽器のことなどをおしゃべりしてくれます。おおよそのことは知っていたのですが、特にスピーカーに関する話はとても面白いものでした。共鳴弦が張ってあったり、なんと銅鑼に共鳴させて金属音(まるで、スチール・ドラムみたいな音でした)を出すスピーカーだったり、確かにこれは現代の電子楽器とは全くコンセプトの異なる、アコースティックな楽器であることがよく分かります。面白いのは、仙台と原田さんとのつながり。あの「独眼竜政宗」のテーマ曲の中でオンド・マルトノを弾いていたのは原田さん、初めて仙台に来た原田さんは、その縁を確かめるために、しっかり松島や瑞鳳殿にまで行ってきたそうなのです。
 最後に原田さん自身の作品が演奏されました。この楽器の一つの属性である「リラクゼーション」に焦点をあてた、ほとんど自然音の模倣(それは、その前に演奏されたメシアンの曲に頻繁に現れた鳥の声の模倣にも通じるものなのでしょう)による音楽は、この楽器の今まで知らなかった側面を感じさせてくれました。櫻澤弘子さんのピアノも、とても素敵でした。
 平日とあって、お客さんはまばらでしたが、仙台で生のオンド・マルトノが初めて音を出した瞬間に立ち会えた興奮は、今も残っています。
 終わったら、お客さんはステージに殺到して、携帯でバシャバシャ写真を撮っていましたよ。さっきの係員には、もはやそれを制止する力はありません。
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by jurassic_oyaji | 2009-10-03 21:33 | 禁断 | Comments(1)
Commented at 2009-10-04 19:50 x
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