おやぢの部屋2
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BRUCKNER/Symphonies Nos. 3 & 4
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Mariss Jansons/
Royal Consertgebouw Orchestra
RCO LIVE/RCO 09002(hybrid SACD)



ブルックナーの3番と4番のカップリングですので、もちろん2枚組のSACDですが、1枚ものと変わらない価格設定なのは良心的。聴きたかったのは4番だけだったので、得をした感じです。いつもながらの素っ気ないデザインのジャケットも、余計なことにはお金をかけないぞ、という姿勢のあらわれなのでしょうか。ただ、2枚のCDそれぞれのレーベルには「DISC 1」、「DISC 2」という文字だけで、品番も、そして曲名も記載されていないというのは、あまりにも不親切です。近頃は増えすぎたコレクションを少しでもたくさん収納するためにハードケースから不織布の袋などに移している人もいるでしょうから、最低限曲目ぐらいは書いてなくっちゃ。
いつの間にかシャイーからヤンソンスに代わっていたな、と思っていたコンセルトヘボウのシェフですが、それももう5年も経ってしまったのですね。このレーベルからもコンスタントに録音がリリースされて、もうすっかりこのオーケストラと馴染んでいます。今回取り上げたのはブルックナー。彼の場合、どの稿のどの版を使うのか、というのが最初の興味の対象になるわけですが、ここでは3番が1889年の第3稿、4番が1878/80年の第2稿という、少し前まではごく一般的に演奏されていた稿でした。それぞれの曲で、最近では初稿を取り上げる指揮者が多くなっている中で、これは逆にユニークなアプローチに見えてくるから不思議です。実際、4番に関しては最近は立て続けに初稿によるCDばかりがリリースされていましたから、「第2稿による新譜」がなんだか新鮮に感じられてしまいます。
他のオーケストラの自主レーベルと同様、このレーベルも録音に関しては細心の配慮がなされ、殆どのアイテムはSACDで提供されています。4番の演奏が始まると、たちどころにその豊かなホール・トーンの魅力の虜になってしまいそう。いかにもシューボックスらしい、低音の残響成分が多めに感じられる響きは、オーケストラを暖かく包み込んでとてもまろやかなサウンドを聴かせてくれています。それと同時に、このオーケストラのアンサンブルの緊密さはまさに驚異的であることが分かります。それは、まるで一人の人間が演奏している一つの楽器であるかのように聞こえてきます。しばらく聴きすすんでいくと、なんだかオーケストラとは思えないような、まるでオルガンの倍音管のような音が聞こえてくるのに気づきました。それは、正確なアインザッツと、正確なピッチで演奏されていたため、楽譜にはない「倍音」がはっきり聞こえてきたせいなのでしょう。そう、これはまさしく「オルガン」という一つの楽器の響きに他なりません。そこには、コンセルトヘボウ全体が巨大なオルガンと化した音響空間がありました。第1楽章でたびたび現れるコラール風のパッセージなどは、まさにオルガンそのもの、ブルックナーが交響曲に於いてもオルガンの響きを念頭に置いて曲を作っていたことが、見事に実際の「音」として体験できた瞬間でした。最後に出てくるホルンの長い音符などは、見事に純正調の澄んだ響きを聴かせてくれています。これなどは、オルガン以上に純粋な響きのはずです。
気をつけて聴いていると、木管楽器のソリストたちも、決してソリスティックに歌おうとはせず、オルガンのストップに徹していることが分かります。レガートのフレーズでも、タイミングはしっかり他のパートと合わせる、といった気配りですね。第2楽章の途中で出てくるフルートの高音のピアニシモのソロなどは、本当にかわいらしいポジティーフ・オルガンの倍音管のように聞こえます(吹いていたのがバイノンだったりして)。
これだったら、ちょっと苦手な3番も、気持ちよく聴けそうです。

SACD Artwork © Koninklijk Concertgebouworkest
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by jurassic_oyaji | 2009-10-06 23:28 | オーケストラ | Comments(0)