たいていのブログでは、エントリーに対する最新のコメントがすぐ表示されるようになっています。もっとも、色々セキュリティの問題もあって、コメントを書き込んだからといってそれがすぐブログに反映されることはまずありません。大抵は、管理者がログインして、公開しても差し支えのないものだけを承認して、他のイタズラっぽいものは削除するように設定されているはずです。
私の場合も、ログインしてコメントやトラックバックが来ていないかをチェックするのが日課、中にはとんでもないマニアックなものがあって、ちょっとタジタジとさせられるものがあったりします。
きのうも、そんなチェックをしてみたら、3年ぐらい前のエントリーにコメントが入っているのが分かりました。そう、コメントの表示は、どんな昔のものでも、ブログに残っているものであれば必ず表示されるのですよ。私の場合、CDの新譜紹介がメインですから、アーティストなどで検索すれば、そんな古いものでも見つかって、コメントの対象となるのですね。そのコメントの内容は、「デューク・エイセスのメンバーの飯野さんが、お亡くなりになりました」というものです。当然、それは彼らのCD紹介へのコメントでした。
これには驚いてしまいました。飯野さんというのは、デューク・エイセスのトップテナー(向かって左端)の人ですが、実はこの方の前任者の谷口さんという方も、やはりお亡くなりになっていたのですよね。なにか、このパートには悪しき因縁でもあるのでしょうか。
このエントリーにも書いた通り、私は谷口さんがメンバーだった頃のこのグループが大好きでした。ですから、飯野さんに替わった時には、確かに上手な人ではありましたがかなりの違和感があったものです。でも、次第に、これが彼らの新しいスタイルなのだ、と納得できるようにはなってきましたね。最近では他のメンバーも70歳を超えてきて、さすがにハーモニーもあぶなくなってきましたから、そのぐらいのユルい感じもいいかな、と。
しかし、実際にそんな年になってもきちんとしたコーラスを続けているのは、殆ど奇跡です。このグループが創立されたのは1955年ですって。来年はなんと「55周年」を迎えるのだそうですよ。バリトンの谷さんなどは創立以来のメンバーですからね。トップテナーなどは、谷口さんでもすでに3代目、飯野さんの後釜は、実は彼が闘病生活に入ることが予想された時点ですでに大須賀さんという方に決まっていたそうです。ちょっと冷たいような気もしますが、これもショウビジネスの世界なのでしょうね。同じタイプのコーラスグループでも、慶應ワグネルの同期生という仲良し同士が作った「ダーク・ダックス」は、セカンドテナーが離脱しても、新しいメンバーを入れるということはせずに3人で頑張っていますが、やはり音楽的には「いくらなんでも」という気にはなってしまいます。
飯野さんの訃報は新聞にも載りませんでした。こんなコメントでもなければ、気が付かないところでした。謹んでご冥福をお祈りいたします。