おやぢの部屋2
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HAYDN/Die Schöpfung
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Annette Dasch(Sop), Christoph Strehl(Ten)
Thomas Quasthoff(Bar)
Adam Fischer/
Wiener Kammerchor
Österreichisch-Ungarische Haydn Philharmonie
EUROARTS/2057468(DVD)



今年はヨーゼフ・ハイドンの没後200年という「アニヴァーサリー」でしたね。モーツァルトが生誕250年であれほど騒がれたというのに、それに比べるとなんの盛り上がりもなかったな、と感じるのは、そもそもハイドンに対してはあまり興味がないせいなのでしょうか。「ハイドンの新しい魅力を発見」とか言っている人がたくさんいることは知っていますが、何か馴染めなくて。せめてもの罪滅ぼしに、そのハイドンの命日に行われた記念演奏会のDVDのご紹介でも。
これは、その5月31日に、ハイドンゆかりの地、エステルハージ宮殿ハイドン・ザールで行われた「天地創造」全曲のコンサートのライブ映像です。おそらくあちらではORF(オーストリア放送協会)によってリアルタイムに放送されたものなのでしょう。つい最近NHKBS2でも放送されていたので、日本の「お茶の間」でも見ることが出来たはずです。
まず目を奪われるのが、そのホール内の装飾でしょう。まるで今作られたばかりのような(修復したのでしょうか)真っ白い壁や天井に描かれた絵画の色の鮮やかなこと。まさに「シューボックス」そのものの細長い形をしたホールの奥には、2階席も見えますね。カメラは、この2階席からのアングルで、ホール全体の中でのオーケストラや合唱という映像に執拗にこだわっているようです。ただ、それが、固定のカメラではなくクレーンで移動しているカメラだったことが、映像全体をなんともムダなものにしてしまっています。意味もなくただ上下左右にさまようカメラ、このカットが出てくるたびに、「もっと音楽を聴かせてくれ!」と叫びたくなる人は少なくはないはずです。
オーケストラは、アダム・フィッシャーがハイドンの交響曲をNIMBUSに全曲録音する際に創設したオーストリア・ハイドン・フィルです。このプロジェクトは、NIMBUSの倒産という事態で頓挫するかに見えたものが、その後BRILLIANTによって引き継がれ、ついに33枚組の全集が格安の値段で手にはいるようになりましたね。このオーケストラの実体がイマイチ分からなかったのですが、映像を見るとあちこちにウィーン・フィルのメンバーが。しかも、オーボエやホルンはそのウィーン・フィル御用達のウィンナ・タイプ、かなり由緒正しいメンバーで構成されていることが分かります。このオケを、フィッシャーはかなりオーセンティック指向を意識して指揮をしているようでした。弦楽器のビブラートはあくまで少なめ、そして、トロンボーンにはベルの小さな素朴な楽器が使われていましたね。
動くフィッシャーを見たのは久しぶり、以前N響に客演したときには髪もふさふさでしたし、スタイルも細め、動きもとても機敏で、日本の指揮者の末廣誠さんのような感じでしたが、今回は容貌もぐっと渋くなっていてちょっと別人のようでした。動きもかなり穏やかなものに変わっていましたね。ただ、2時間以上かかるこの曲を全曲暗譜、しかも休みなしで演奏していたのには、「さすが」と思ってしまいました。暗譜はともかく、2時間立ちっぱなしは末廣さんには辛いかも。
ソリストはダッシュ、シュトレール、クヴァストホフという豪華メンバーです。かつてはやんちゃ娘みたいだったダッシュも、すっかり落ち着きが出てきて大人の風格、これだったら「フィガロ」の伯爵夫人を歌ってもなんの違和感もないでしょう。
合唱も安定していて、演奏的にはなんの問題もありません。しかし、これだけの素晴らしいメンバーで演奏されたというのに、ハイドンの音楽には、やはり魅力を感じることは出来ませんでした。あまりにも穏やかすぎるその作風が、常に刺激を求めている耳には物足りなく聞こえてしまうのでしょうか。はいどんな人にも苦手なものはあるものです(前に使ったな)。

DVD Artwork © Euroarts
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by jurassic_oyaji | 2009-12-18 19:57 | 合唱 | Comments(2)
Commented by haydnphil at 2009-12-24 08:23 x
こんにちは。
この演奏会は2階席から聴いてました。ハイドンザールは過去20年以上コンサート会場として利用されていますが、ハイドンイヤーだから化粧直しはあったかもしれません。ハイドン全集もここで録音されました。このホールには天井のフレスコ画を守るために暖房設備がなく、冬季は使用できません。普段も照明は控えめなのですが、この日はテレビ放送用に天井から特別の照明とカメラをつるさげていました。

残響が長くとてもどの席でも音は良いのですが、天井のフレスコ画とオーケストラを一緒に見られるのは2階席だけです。でも下の客席の熱気が上に上がってくるので、とても暑くなります。この日は私の隣に座っていた人は脱水症状を起こしてぶっ倒れてしまいました。さすがに放送ではカットされましたが、結構大きな音がしました。オーケストラのメンバーも気づいて2階を注視してたそうです。

因みにアダム・フィッシャーとハイドンフィルは11月末から12月初旬にかけて日本ツアーがありました。次回の・フィッシャーの来日は2012年の「タンホイザー」(コンチェルタンテ形式)です。
Commented by jurassic_oyaji at 2009-12-24 16:55
hydnphilさん、こんにちは。
いつも貴重なお話、ありがとうございます。
確かに、良い音のホールですね。生で聴けたなんて、うらやましいです。