おやぢの部屋2
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世界の指揮者名鑑866
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音楽之友社刊(音友ムック)
ISBN978-4-276-96193-7



世界のオーケストラの中での国境を越えた人事異動は、今では日常茶飯事、今までオランダのオーケストラの指揮者だったイタリア人が突然ドイツのオケに「転勤」することなどは珍しくもなんともありません。指揮者に限らず、腕の立つ首席奏者なども各地で引っ張りだこ、アメリカの2つのメジャー・オーケストラで同時に首席フルーティストを務めている、などというフランス人まで現れています。
そんな激動の時代ですから、指揮者やオーケストラのデータなどはすぐに古くなってしまいます。今まであったものは2002年に発行されたものですから、もはや使い物にはならなくなってしまった頃に、やっと先日のオーケストラ編に続いて新しい指揮者編が登場しました。
オーケストラ同様、紹介されている指揮者の人数が2002年版の「500」から「866」と大幅に増えているのが、まず嬉しいところです。1ページを割いて紹介されている「グループ1」から、8人で1ページという「グループ4」まで、実力というよりは人気というか、CDの売り上げというか、そんなお金に換算できるような評価でランキングされているというあたりが、シビアな世界です。ですから、逆に「グループ4」に入っているようなマイナーな指揮者の名前を知っているだけで、あなたは「通」と崇められることでしょう。なんせ、ギルバート・キャプランまで載っているのですからね(だれそれ?)。
もちろん、「グループ1」ともなれば、泣く子も黙る「大指揮者」です。前回は下から2番目の「グループ」だった(ちなみに、その時には5段階評価)ファビオ・ルイージなども含めて、その59人をしっかり頭にたたき込んでおくことは、クラシック・ファンとしての最低のスキルとなってきます。ただ、そんなとても大切な人たちを扱っているというのに、その紹介文が執筆者によって大きく書式が異なっている、というのは、重大な問題です。これは、前の「オーケストラ編」でも痛感したのですが、こういう、いわば「事典」に必要なデータの提示の仕方がまちまちで統一されていないものですから、読んでいて非常に腹立たしくなってくるのですよ。年代順の経歴を同じ部分にまとめるというようなことは出来なかったのでしょうか。これはひとえに編集者の怠慢、というか、基本的な実力やセンスの不足が原因なのでしょう。字数だけ決めて、あとはライターさんにお任せという、このような編集者不在の書籍が横行しているのは、とても悲しいことです。なんせ、エッシェンバッハ(「グループ2」)がフィラデルフィア管の音楽監督をとうの昔に解任されたことすらもチェックできていないのですからね。
一方の日本人指揮者はというと、こちらは全部で100人と前回とほとんど変わっていません。その分、10数人の人が「入れ替わって」いますよ。外国人の場合は前回の人はほぼ全員載せた上での増員ですが、なぜか日本人には厳しい音友ムックです。「消えた」人では、大谷研二さんは大怪我の影響でしょうし、宮川彬良さんはあまりにもテレビに出すぎということで納得ですが(そうなると、佐渡裕はどうなるのか、という話はさどおいて)、ロスアンジェルス・フィルの定期を振ったほどの篠崎靖男さんがなくなっているのが意外です。やはり、国内で活躍していないことには、音友的(というか、奥田佳道さん的)には扱いが軽いのでしょうかね。残念なことです。
反対に新しく「入った」のが、なぜ今までなかったのか不思議な山田一雄と渡邉暁雄という大御所です。こういう方々をないがしろにしていてはいけません。山田和樹さんが入ったのは、もちろん「ブザンソン効果」でしょうね。
お馴染み、末廣誠さんは、今回も安泰でした。しかし、紹介文の最初に「お茶ペン」とか、「トークや曲目解説執筆も巧み」というのは、ちょっと違くないですか?奥田さん。

Book Artwork © Ongakunotomo-Sha
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by jurassic_oyaji | 2009-12-22 22:01 | 書籍 | Comments(5)
Commented at 2009-12-27 01:35 x
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Commented at 2009-12-27 01:50 x
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Commented at 2009-12-27 02:10 x
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Commented by jurassic_oyaji at 2009-12-27 09:13
奥田様
詳細なコメント、ありがとうございました。一アマチュアの駄文にこれだけのお便りをいただき、かえって恐縮致しております。

指揮者の選定につきまして、当方に事実誤認がありましたことを、お詫び申し上げます。末廣さんの経歴の取り上げ方に付きましても、納得致しました。

今後とも、当サイトへの苦言など、真摯に受け止めたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
Commented at 2009-12-29 02:54 x
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