おやぢの部屋2
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Believe
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Orianthi
GEFFEN/B001350202




昨年大きな話題を呼んだ映画、「This Is It」はご覧になりました?マイケル・ジャクソンが亡くなるほんの少し前まで行っていたロンドン公演のためのリハーサルの模様を記録したドキュメンタリーでしたね。なにかとスキャンダルが多かった中で、ともすればミュージシャンとしてのマイケルが忘れられがちになっていた時に、この映画では彼の本来の音楽家としての姿が見事に描かれていました。
そんな、彼の音楽作りの現場で、ひときわ印象的なギタリストがいたことも、ご覧になった方は覚えていることでしょう。マイケルのサウンドを担っている居並ぶいかつい男どもに臆することもなく、堂々とソロを弾きまくっていた長い金髪の女性ギタリスト、彼女の名前はオリアンティ・パナガリス、ギリシャとオーストラリアのハーフなのだそうです。ウェーバーとは関係ありません(それは「オイリアンテ」)。1985年1月22日生まれといいますから、先週25歳になったばかりという、ピチピチのギャル(死語)なんですね。映画の中では、マイケルと向かい合ってギターソロのフレーズを何度も何度もやり直しているシーンが、強烈に記憶に残っています。マイケルが一生懸命「こんな風に」と歌って聴かせても、オリアンティはなかなかその通りには出来ないのですが、最後にはマイケルの望んだとおりのフレーズが出てくる、という、スリリングなまでに感動的なシーンでした。その時の、金髪を振り乱しての彼女のパフォーマンスに、思わずファンになってしまった人は多いのではないでしょうか。
そんな、「シンデレラ・ガール」のソロアルバムが、昨年秋にリリース、国内盤も確か今日発売になったはずです。とは言っても、これは別に彼女の最初のアルバムではなく(国内盤は、これがデビューになります)、すでに何年か前にファーストアルバムは出ていますし、マイケルのバンドに加わったのも、それなりのキャリアがあったからです。しかし、映画によって火がついた彼女の人気、これは前作とは比べものにならないほどのセールスとなることでしょう。
ボディにスワロフスキーを貼りつめた彼女の愛器PRSを抱えて佇むジャケット写真は、濃いアイラインのいかにも「ヤンキー」といった感じ、それこそメタルなどにふさわしいいでたちですが、聞こえてきた音楽はそんなにヘビーなものではありませんでした。ここでは、彼女はギタリストであるとともに、ヴォーカリストでもあったのです。その歌声は、ほのかにはかなさを漂わせた、とてもかわいらしいものでした。ギターソロから連想されるような、喉を振り絞っての絶叫、みたいなものは全くありません。ブックレットの中のポートレイトには、1枚だけ楽器を抱えていないものがあります。それはメークも控えめで、ごく普通の服装をした、その辺にいるような女の子、といった素朴な写真です。そんな素顔が、ヴォーカルからは見え隠れしてきます。しかし、もちろんそれだけではなく、いかにも「ロックンロール」というハードな歌い方に徹したものもあります。間口は、充分に広いのですね。
ギターの方も、お得意のディストーションを効かせたソロだけではなく、「Untogether」のように、まるで彼女の「師匠」であるカルロス・サンタナのようなキャッチーななサウンドを聴かせてくれるものもありますから、キャパシティはかなりのものです。そして、1曲だけヴォーカルの入らないインスト曲が「Highly Strung」。ここでは、もう一人の「師匠」のスティーヴ・ヴァイとの息のあったバトルが堪能できますよ。2度目のバトルでとんでもないフレーズが出てくるのは、まさに余裕ですね。
そして、最後に収録されているのが、亡きマイケルのために書いたという「God Only Knows」です。「まだ、あなたが必要なんです」という歌詞が聞こえてきたとき、不覚にも涙が出てきたのはなぜでしょう。ロックを聴いて泣いたなんて、初めての体験です。

CD Artwork © Geffen Records
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by jurassic_oyaji | 2010-01-27 19:49 | ポップス | Comments(0)