おやぢの部屋2
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リリンク/OEK、仙台宗教音楽合唱団
 東北大学の講堂だった建物を改修して、新しく「萩ホール」という名前のコンサート専用ホールが誕生したのは、1年ちょっと前のことでした。まだオープンする前から中に入って練習したり、こけら落としのようなコンサートに出演したり、つい最近ではやはりこのホールの主催コンサートの練習をしたりと、自分でステージに乗る機会はたくさんありましたが、実際にちゃんとしたコンサートを聴いた、というようなことはまだありませんでした。ほんのお披露目程度の小さな演奏は何度か聴いたのですが、一晩丸ごと、オーケストラや合唱のトータルのコンサート、というのはまだ未体験だったのです。
 そんな、私がこのホールで体験する初めてのコンサートが、今日ありました。オーケストラはプロの団体、合唱は150人規模の大編成、そして、指揮があのヘルムート・リリンクという、どこをとっても妥協のない「本物」ばかりです。さらに、演奏されるのがバッハの「ロ短調ミサ」なのですから、これ以上のお膳立てはありません。
 このホールの一番のネックが、交通の便の悪さであることは、各方面から指摘されていました。ただ、一応駐車場らしいものはあるので、早めに行きさえすればそこに車を置くことは出来るはずです。ですから、少し早いとは思いながらも開演1時間前に着くように出発です。ホールが近くなると、タクシーなどが目に付くようになりますし、途中の坂道を歩いている人も見かけられます。意外と出足は速いよう、駐車場に着いたら、もう殆ど駐車スペースはなくなっているようでした。間一髪セーフです。しかし、見ていると、整理の係員たちは、その駐車場がいっぱいになっても、ホールの前にある通路の方にまで誘導していますよ。正規の駐車場でないところも、めいっぱい使おうというのでしょうね。これは、あとでロビーから見てみたら、前庭の中にはかなりの数の車が停めてありました。これだったら、車で来た人は殆ど停めらたのではないでしょうか。今回のように、ホールが気をきかせて中庭に置かせてくれれば、の話でしょうが。
 つまり、開演前から、かなりのお客さんがすでにホールの前にいた、ということです。しばらくして開場となりましたが、入ってすぐのスペースで、まずは首席チェリストがバッハの「無伴奏」の第5番全曲を、「ロビーコンサート」として、演奏してくれました。
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 正直、これだけマジメな曲を、こんなザワザワしたところで演奏するなんて、演奏する方も、そしてそれを聴く方も、ちょっとしんどいな、という気はしましたね。そんなに短い曲ではありませんから、立ちっぱなしで疲れたような話し声も聞かれましたしね。気持ちは分かりますが、これはちょっとハズレ。
 しかし、「ロ短調」の演奏は、素晴らしいものでした。詳細は、専門家であるヒレカツ先生のレポートにおまかせしますが、やはりリリンクの流れるような音楽作りが、とっても心に響きました。それに充分に応えた合唱団と、そしてオーケストラに感謝です。
 余談ですが、リリンクの指揮棒の持ち方は普通のオーケストラ指揮者とはちょっと違っていて、ちょうどお箸を持つように腕の線から90度曲がっています。どこかでこれに似た持ち方をしている指揮者を見たことがあると思ったら、それは、前にニューフィルに来た茂木大輔さんでした。彼はかつてリリンクの許で「修行」したのですから、「師匠」の影響がこんなところに出ていたのでしょうか。
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 終わってから、指揮者に花束が渡されるのはお約束ですが、その時に花束を渡した合唱団員とリリンクとの間でなんだか打ち合わせのようなものがありました。それは、リリンク自身が、一緒に渡された小さな花束をソリストたちに手渡す、というものだったのですね。
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 とてもかくしゃくとしたリリンク、とは言っても、年を考えたら実物に接することが出来るのはこれが最後でしょう。とても幸せな体験を、ありがとうございました。
 肝心のホールの音、これも、とても満足のいくものでした。なによりも、必要な音が全て充分な響きを持ってクッキリと聞こえてくる、というのがすごいところです。これは、おそらく演奏する側にとっては、かなりおっかないことなのでしょうね。これから最低2回、ニューフィルでもここを使うんですよね。
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by jurassic_oyaji | 2010-01-31 00:19 | 禁断 | Comments(0)