おやぢの部屋2
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PATTERSON/Little Red Riding Hood, BLAKE/The Snowman
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Chris Jarvis(Nar)
David Parry/
London Philharmonic Orchestra
LPO/LPO-0015



かつて、このレーベルの統一されたジャケットデザインに感心して、こんなコンテンツを作っていました。その中で、ひとつだけその「特徴」、つまり、★のマークがどこにも見当たらないものがあったのですが、おそらく、それは著作権の対象であるイラストをそのままジャケットに使っているために、そんな「お遊び」は許されないのだろう、と思っていました。しかし、ネットの画像ではなく、現物を見てみれば、もしかしたら思いもよらないところに★があるのではないか、という興味だけで、このCDの現物を購入してみたのですよ。やはり、こういうことは徹底的に調べて納得しないことには、安心して眠ることも出来ません。
結果的には、予想通り、どこにも★は見当たりませんでした。ただ、現物を手にして初めて分かったのは、このアイテムだけはこのレーベルの他のものとは全く異なるパッケージになっていて、通常のケースではなくデジパック、それをスリーブで覆っていて、両面にそれぞれ「赤ずきんちゃん」と「スノーマン」のオリジナルのイラストがデザインされているということでした。「両A面」ってやつですね。
「スノーマン」の方は、なじみ深いレイモンド・ブリッグスの「Snowman」という、文字の全くない絵本をアニメ化したときに、ハワード・ブレイクが作ったサウンド・トラックが、そのまま演奏されたものです。というか、かつて絵本展に行ったときにこの絵本のコーナーがあって、そこでそのサントラのフルスコアが売られていた、ということがありましたから、もはやこの曲自体はそれだけでかなり需要のあるものだったのでしょう。このCDでは、映像がないのを補うために、ブレイク自身が作ったテキストが、ここでのナレーター、クリス・ジャーヴィスによって語られますので、もしアニメを見たことがある人は、その時の情景が拙いヒヤリング能力でも、まざまざと蘇ってくることでしょう。確かに、エンディングなどはホロリとさせられますよ。
もうワンセットは、ポール・パターソンが音楽をつけた「赤ずきんちゃん」と「3匹のこぶた」です。しかし、これがなかなかのくせ者でした。そもそも、ジャケットの赤ずきんちゃんは、あんまりかわいくありませんよね。舌なめずりをしている狼を怖がるのではなく、なんだかバカにしているようには見えませんか?この絵柄が、なんだかどこかで見たことがあると思ったら、これを描いたクウェンティン・ブレイクという人は、例の、映画にもなった「チャーリーとチョコレート工場 Charlie and the Chocolate Factory」(なぜか、原作の邦題は「チョコレート工場の秘密」)の作者、ロアルド・ダールの挿絵を一手に引き受けていた人なのですね。ですから、ここで使われているテキストも、そのダールが書いた問題作「へそまがり昔話 Revolting Rhymes」(もちろん、挿絵はブレイク)が元になったものだったのですよ。
ご存じでしょうが、これはそんな「昔話」のパロディ、というか、とことんブラックに迫ったとんでもない物語ばかりです。ですから、「赤ずきんちゃん」も、非常に分かりやすいパターソンの音楽によって、まるで「ピーターと狼」のような幸せな世界が広がるのか、と思って聴いていると、いきなり赤ずきんが「ズロースの中からピストルをとりだし」たりするのですから、驚きます。どう見てもお子さまがターゲットのようなアルバムですが、これはどちらかというと「大人向け」の企画、あるいは、イギリス人ならではのきつ~いブラック・ユーモアの産物なのでしょうね。
「3匹のこぶた」にも、なぜかこの「ピストルを持った赤ずきんちゃん」が登場、助けられたと思っていたこぶたは、バッグにされてしまうのですから、すごいものです。
★を付けなかったのは、実際に聴いてみてそんなぶっ飛んだ内容を味わわせるための、巧妙な「罠」だったのかもしれませんね。ちょっと、あぶないよう

CD Artwork © London Philharmonic Orchestra Ltd.
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by jurassic_oyaji | 2010-03-12 21:15 | オーケストラ | Comments(0)