おやぢの部屋2
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Shape of My Heart
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Katia Labéque
KML/KML 2119




「ラベック姉妹」という、文字通り2才違いの姉妹によるピアノ・デュオがデビューしたのは、もうかなり昔のことになります。難曲を軽々と演奏する高度なテクニックと、何よりもその美しすぎる容姿によって、たちまち人気者になってしまいましたね。最近はさすがに寄る年波には勝てず(姉のカティアは、確か今年還暦を迎えるはず)第一線からは退いたのかな、と思っていたら、どうしてどうして、なんとこんな彼女たちのレーベル「KML」(もちろん、カティァ&マリエル・ラベックの頭文字)を立ち上げて、今まで以上に精力的に活動していたではありませんか。なんだか懐かしくなってしまい、とりあえず、お姉さんのカティアがクラシック以外のジャンルのミュージシャンと行ったコラボレーションが集められているこのアルバムを買ってみました。
ジャケット写真を見ると、とても「還暦」とは思えない若々しさ、ちょっと驚いてしまいます。しかし、そんなことに驚いていてはいけません。このジャケットは両側に見開きになっていて、それを開くと、なんとカティアの全身のポートレートが現れるのです。ノーブラの上に羽織ったシャツのボタンは外され、その豊かな胸が露わに・・・かな、まあ、実際に見てみるのが一番、それは何も知らないで見たらピチピチギャルの写真集にあるようなショットなのですからね。
この姉妹、派手で積極的なカティアと、少しおしとやか風のマリエルという、一見対照的な性格のように言われていませんでした?私生活でも、マリエルの方は確か堅実にビシュコフあたりと結婚していたはずですが、カティアときたら一時ギタリストのジョン・マクラフリンと親密な関係にあったものの(「を並べて不倫」)、今はどうなってしまっているのでしょう。このアルバムで共同プロデュースを手がけているやはりギタリストのダヴィッド・シャルマンあたりが、最近のボーイフレンドなのでしょうか。まさかスティングでは。
そのスティングをはじめ、さまざまな人との共演が収録されているこのアルバム、やはり、最も期待していたのは、チック・コリアとかハービー・ハンコックといった偉大なピアニストとのデュオでした。この人たちとなら、かなりエキサイティングなセッションを繰り広げてくれるのではないか、と。しかし、聴いてみるとそれはなんとも生ぬるい、焦点のぼやけたものでしかありませんでした。そもそもこのアルバム全体を支配しているのが、いかにもゴージャスに迫ってくる「ユルさ」なのですね。それは、彼女のソロでサティの「グノシエンヌ」が演奏されたときに、なんともベタベタな甘ったるいテイストが産み出されていたあたりで気づくべきでした。しかも、このデュオでは、チックなりハービーがいったいどちらから聞こえてくるのかが表記されていないものですから(おそらく、右にいるのがカティアなのでしょうが)、この退屈さを作っているのがどちらの責任なのかが、良く分からないのですよね。ただ、もう一人のピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバとの演奏では、「ベサメ・ムーチョ」をアグレッシブに解体してくれて、そこそこ満足は出来ましたが。
最悪だったのは、シャルマンくんとの「ビコーズ」。ご存じ、「アビー・ロード」B面2曲目の名曲のカバーですが、なにしろシャルマンくんのボーカルがヘタ、それにからむカティアのピアノも、変に難しいことをやっていて、オリジナルの味をぶっ壊しています。そして、シャルマンくんのオリジナル、「パープル・ダイアモンド」の陳腐なこと。
結局、アルバム中最も面白かったのは、カティアとパーカッション(?)とのユニット「カティア・ラベック・バンド」のインプロヴィゼーションでした。大昔に聴いた彼女たちとシルヴィオ・グァルダによるエキサイティングなバルトークの残渣を、そこからは確かに感じることが出来ましたよ。

CD Artwork © KML Sonic Invaders
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by jurassic_oyaji | 2010-03-16 23:07 | ピアノ | Comments(0)