おやぢの部屋2
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BEETHOVEN/Symphony No.5, VIVALDI/The Four Seasons
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Wojciech Rayski/
Polish Chamber Philharmonic Orchestra
TACET/L164(LP)















Daniel Gaede(Vn)
Polish Chamber Philharmonic Orchestra
TACET/L163(LP)



LPは、CDなどとは比べものにならないほど良い音であることに今さらながら気づかされているところです。何度も繰り返しますが、少し前に聴いた「リング」のテスト盤TESTAMENT)の素晴らしさには感動すら覚えたものです。しかし、その「感動」を期待してECMから出ていた「最近の」LPを買ってみたら、プレス技術の退化はまさに目を覆いたくなるほどだったんですね。
ただ、そのECM盤は普通の規格のLPだったので、やる気になればもっとちゃんとしたプレスも出来るのでは(現に、TESTAMENTでは出来てます)、と思っていたら、ドイツのTACETというレーベルが、えらくマニアックなLPを出しているのを見つけました。なんでも「チューブ・オンリー」というコンセプトが貫かれているのだそうです。もちろん、名古屋や岐阜の人でなくても、買うことは出来ますよ(それは「中部オンリー」)。
この「チューブ・オンリー」では、LPの録音から製造まで、すべての課程で「真空管」を使っているのだそうです。まず、マイクはノイマンの「M49」という1949年に作られた「真空管マイク」を2本使います。もちろんミキサーやアンプも「真空管」、そして、記録媒体はテレフンケンの「M10」という、1950年代に作られた「テープレコーダー」です。もちろん、レコードに溝を刻むためのカッティング・レースを駆動させるアンプも、真空管アンプです。つまり、徹底的に「アナログ」にこだわった録音、そしてマスタリングということになりますね。
いや、この「こだわり」は、レーベル内にとどまらず、それを買って聴こうというユーザーにも向けられます。「あなたが真空管アンプをお使いならば、このレコードを本当に楽しむことが出来ます」ですって。ま、その後に「でも、どんな装置でも特別な魅力は感じられますが」とは言ってますが、なんか腹が立ちますね。そこまで言うのなら、普通の「トランジスター・アンプ」で、その「魅力」とやらを味わってみてやろうではないですか。
まず聴いたのは、ヴィヴァルディの「四季」です。確かに、とても柔らかな音、柔らかすぎて、トゥッティではちょっと甘くなっていますが、ソロだけはかなりクリアに聞こえます。教会のようなところで録音しているようで、まわりに漂う雰囲気感が、まさに「真空管」という暖かさですね。特に真ん中のゆっくりした楽章では、その雰囲気がえもいわれぬ「魅力」となって伝わってきます。遠くにあるはずのチェンバロも、くっきりと聞こえてきます。演奏もかなり現代的(というのは、「古楽」の手法も取り入れて、ということですが)で適度の緊張感を持ったもの、確かに、これはいつまでも聴いていたいと思わせるような「魅力」を持ったものでした。
もう1枚、もう少し編成の大きな「運命」も聴いてみました。しかし、ここではマイク2本だけという「ワンポイント」のセッティングが、ちょっと無理があるような印象を持ってしまいます。なにしろ楽器のバランスが悪いのですよ。特にホルンだけが異様に目立っていて、その分木管が弱くなってしまっています。かと思うと、第2楽章ではマイクの場所を変えたのでしょうか、木管が1楽章とは全く違った音像で聞こえてきたりしていますよ。フィナーレの入りなども、明らかにフェーダーを操作したように、音圧が一段下がっています。そんな録音以前に、何よりもこの指揮者の作る音楽が、ドライブ感の全くないものなのですからね。
そして、プレスに関しても、ECMほどではありませんがTESTAMENTには到底及ばないお粗末なものでした。一応「180gの重量盤」などと謳ってはいるのですが、カッティング・レベルが低いためにサーフェス・ノイズがかなり目立ちますし、スクラッチはもう絶え間なし、このレーベルは、客にアンプの指図をする前に、もっと他にやることがあったはずです。

LP Artwork © TACET
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by jurassic_oyaji | 2010-03-18 20:18 | オーケストラ | Comments(4)
Commented by 新潟のまさ at 2010-03-23 21:53 x
このLP興味があります。日本の東洋化成のレコード、JIS規格が
無くなったので盤質は粗悪ですね。冒頭の送り溝が欠けていたり、
ビニールと擦れただけで擦れ傷が付いたり、価格は高くなっているのに
盤質はお粗末です。カッティングもジャズ以外はお粗末な物が
多いと思います。
Commented by jurassic_oyaji at 2010-03-23 23:25
まささん、こんばんは。
やはり、LPにも興味がおありなんですね。
ご存じでしょうが、かつては「DMM(Direct Metal Mastering」という、メッキの工程を1回減らしたものすごいLPもありましたね。やはり、製造量が激減してしまえば、どうしても技術は落ちてしまうのでしょうね。
Commented by 新潟のまさ at 2010-03-23 23:31 x
LP アナログ 好きです。良いマスタへーを使っているもの。
DMM ドイツのビートルズのLPにありましたね。
私も「ホワイトアルバム」持っています。
古いCDソフトを最新のプレーヤーで聞くと良いと感じる物が
多くあります。ハードが駄目だったのでしょうか?
ビートルズのリマスターはお聴きになりましたか?
Commented by jurassic_oyaji at 2010-03-24 08:43
まささん。
ビートルズのリマスター、殆ど買いました。
たしかに、以前のCDに比べれば格段の進歩ですが、もしSACDで出ていたら、もっと素晴らしかったのに、とは思います。