おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
BARTÓK, KODÁLY/Concertos for Orchestra
c0039487_19572846.jpg




Rafael Frühbeck de Burgos/
London Symphony Orchestra
BRILLIANT/9169



バルトークの「管弦楽のための協奏曲」、いわゆる「オケコン」は、個人的には最近極めて身近な存在となっているので、新しいCDが出ればまずチェックするようになってしまっています。スキヤキにも欠かせませんし(それはイトコン)。今回のBRILLIANTなどは、コダーイの同名曲とのカップリングでほぼワンコインですから、なにはともあれお買い上げ。
もちろん、このレーベルですので、素性は怪しげなもの、それでも一応録音データが完備しているのはうれしいことです。ライセンス元が「Phoenix Music International」とあったのがちょっと「?」でしたが、どうやらここはCAPRICCIOの引受先のPHOENIXとは無関係のようで、レーベル的には「COLLINS」の音源なのだそうです。バルトークは1989年、コダーイは1990年の録音です。
そんな、使い回しの音源ですから、マスタリングもいい加減、なんとも平板な音であるのは、値段相応ということで、我慢するほかはありません。それでも、スコアではなく、1番フルートのパート譜を見ながら聴くという、「実用的」な用途には充分です。このフルート奏者が誰であるかは分かりませんが、確かなテクニックと、かなり存在感のある主張を秘めた人であることは、よくわかります。なんといってもチェックすべきは、第1楽章の最初に出てくる重要なテーマを提示するソロと、第4楽章の最後にあるカデンツァでしょう。1楽章のほうでは、フレーズの最後、三連符の下降音形にかなり意味を込めているのが印象的です。個人的には、ここはもっとあっさり処理してほしいところですが。4楽章のほうは、逆に最後の半音の上向音形のニュアンスが、なかなか味のあるものとなっています。
スコアと違って、パート譜だけで音を追っていくと、休んでいる間のカウントが分からなくなってしまうことがあります。たいていの指揮者は、どんな時でもテンポを揺らして表情を付けているので、同じテンポで数えているとずれてしまうのですね。しかし、ここでのフリューベック・デ・ブルゴスの指揮は、素直に数えていればなんなく同期出来るという分かりやすいものでした。逆に言えば、あまり煽ったり歌い込んだりせずに淡々とした表情を付けている、ということになるのでしょう。ただ、「演奏」を聴くときには、これはあまり面白いものにはならないのかもしれません。実際、複雑なリズムから生まれるはずの緊張感や躍動感などは、ほとんど味わうことは出来ませんでした。基本的にテンポが遅めというのも、譜面を追いかけるのは楽ですが、聴いていると退屈してしまう要因になるのでしょう。
カップリングのコダーイの作品は、同じ「オケコン」というタイトルでも、バルトークのものに比べたらはるかに低い知名度しかありません。もちろん、最初にこの「Concerto for Orchestra」、あるいは「Konzert für Orchester」という、かつてバロック時代に栄えた「コンチェルト・グロッソ」という形式を現代の機能的なオーケストラに置き換えた形式を提唱したのは、バルトークのこの曲が依頼主のボストン交響楽団によって初演された1944年より20年ほど前にこんなタイトルの曲を作ったパウル・ヒンデミットだと言われています。そこから始まった「オケコン」作りの伝統は、有名なところではルトスワフスキなどを経て、現代のスクロヴァチェフスキ(もちろん、あの指揮者)などに受け継がれています。日本人でも三善晃などが作っていますね。
コダーイの作品は、連続して演奏される4つの部分からなっている、20分に満たないあっさりとした曲です。作り方も、バルトークに比べたらはるかにあっさり、古典的な様式すら感じられます。おそらく、チェロ独奏で始まる2つ目の部分が最もキャッチーさを備えたものでしょう。甘く盛り上がるテーマを華麗に歌い上げている芸風こそは、フリューベック・デ・ブルゴスの真骨頂に思えます。

CD Artwork © Brilliant Classics
[PR]
by jurassic_oyaji | 2010-05-14 19:59 | オーケストラ | Comments(0)