おやぢの部屋2
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RAVEL/Boléro etc.
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Georges Prêtre/
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
WEITBLICK/SSS0111-2




2008年、2010年と、立て続けにあのウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの指揮者に指名されるという、いきなり晴れ舞台に登場した感のあるジョルジュ・プレートルですが、なんだか素性の怪しい音源なども出回っているようですね。
このCDも、放送局が演奏会を収録した「放送音源」をそのまま商品にした、という、普通は物故した「巨匠」の貴重な演奏の記録としてリリースされるパターンです。しかし、ここに収められている「展覧会の絵」、「ダフニスとクロエ第2組曲」、そして「ボレロ」という超有名曲は、いずれも今まで彼による録音がなかったというのですから、いくら怪しくても手を出さざるを得ないのでしょう。
まずは、200810月に、ベルリンのフィルハーモニーで録音された「展覧会の絵」です(他の曲も、ロケーションは一緒)。何よりも、「ちゃんとした」CDではまず聴くことの出来ない、盛大な会場のノイズが耳をつきます。放送局がセットしたマイクなのでしょうが、演奏よりも大きなレベルで、咳払いなどが録音されているなんて、いったいどんなところにマイクを立てたのでしょう。しかも、「テュイルリー」が終わったときには、はっきりとした叫び声のようなものが聞こえますよ。なんだか子どもが我慢できなくて大声を出したような感じ、いったいどんな客層を相手にしたものだったのでしょう。というか、こんなノイズだらけの演奏が初めてのCDなんて、あまりにもプレートルがかわいそう。
次の「ダフニス」は、2006年2月のライブ。こちらはまずはまともな客層だったようで、充分に演奏に浸れるだけの静寂は保たれているように思えます。そこから聞こえてくるラヴェルは、確かになかなかユニークなものでした。「パントマイム」で登場するフルートのドソロは、ちょっと普通では聴くことの出来ないほどの、入念な表情付けのなされたもの、このあたりが、プレートルの持ち味なのでしょう。これをやりすぎると、ウィンナ・ワルツのような悲惨な結果に終わるのでしょうが。
そして、問題は200110月に録音された「ボレロ」です。まずは、商品としてのCDではあり得ないようなとんでもないミス。最初に登場する1番フルートの前半のフレーズの最後「ドレミッファッレ~ソ~~」の4番目の「ファ」の音が、抜けているのですよ。右手の中指を1本上げるだけなのに、なんでプロがこんなイージー・ミスを犯してしまったのでしょう。しかも、1番フルートのあとでボレロのリズムを刻み始める2番フルートまでが、2拍目の裏と3拍目の表をやはり抜かしてしまっているのですから、どうしようもありません。良心的な指揮者だったら、ここで演奏をやめて最初からやり直しているところですよ。
しかし、そんなミスも、ファゴットが2つ目のテーマを演奏し始めると、すっかり忘れてしまいます。このテーマの3小節目と7小節目を、ファゴット奏者はなんともダラダラと崩したリズムで吹いていたのですね(→音源)。正確には、十六分音符が連続しているところが、すべて八分音符の三連符という譜割りに変えられていたのですよ。その後でこの部分が出てくるときには、奏者が変わっても同じリズムになっているので、別にファゴット奏者が酔っぱらっていたわけではなく、プレートルがそのように指示をして吹かせていたことになるのですが、これはかなり異様です。木管全員が力を合わせて、一斉にこのリズムで吹いているのを聴くと、めまいをおぼえるほどですよ。「展覧会」は、原典版のピアノの音に変えたりしないで、きちんとラヴェルの楽譜通り演奏しているというのに、これはいったい何なのでしょう。
いずれにしても、こんなものはひっそりと闇ルートで入手するようなアイテムです。まっとうな市場でおおっぴらに売り買いされるようなものでは決してありません。本人も愁えとる

CD Artwork © Melisma Musikproduktion
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by jurassic_oyaji | 2010-05-18 22:32 | オーケストラ | Comments(0)