おやぢの部屋2
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仙台国際音楽コンクールピアノ部門
 3年に1回開催されている「仙台国際音楽コンクール」、今日ピアノ部門のファイナルが終わって、今年の「第4回」のすべての審査が終了しました。とは言っても、なにしろ会場があの悪名高い青年文化センターのコンサートホールなのですから、なにかと盛り上がりません。前回のコンクールの授賞式の時に、当時の仙台市長が「優勝した人たちが演奏できるような立派なホールを作ります」と言っていた「口約束」は、いったいどうなってしまったのでしょう。いや、あの市長はもう辞めてしまったので、そんな約束は当然のことながら反故になってしまったのでしょうね。
 もちろん、私的にもこのコンクールに関しては何の盛り上がりもありませんから、聴きに行くことなど全く考えてはいなかったのですが、きのうのピアノ部門のファイナルの1日目に行くつもりだった同居している若い女性が、急に行くことが出来なくなってしまい、代わりに私が行くことになってしまいました。
 行って見ると、座席は中央通路から2列後ろ、このあたりは、オーケストラを聴くには最悪のポジションです。本当はもっと後ろで聴きたいのですが、そうもいきません。演奏が始まると、もっと悪いことに肝心のピアノの音が聞こえてきません。なんか、上澄みだけが聞こえてくるだけで、全く芯のある音ではないのですね。楽器のせいかな、とも思ったのですが、2人目でスタインウェイからカワイに代わっても、相変わらずスカスカな音は変わらなかったので、これはやはりホールのせいなのでしょうね。オーケストラもなんだか雑、弦楽器の音はカサカサしていて全く潤いがありませんし、ホルン奏者などは肝心なところで派手にミスってましたよ。
 私の場合、どんなに体調が悪くても、生のコンサートでは常に演奏家と対峙して聴こうという気持ちが働くので、決して居眠りなどはすることはないのですが、もう、この2人の演奏は、そんな音もあってなんか主体的に聴こうという気にはなれないものでした。そうなってくると、襲ってくるのは強烈な睡魔、プロコフィエフとブラームスの間は、その睡魔と闘うことに全力を使いはたして、彼女らの放つメッセージを受け取るような余裕は全くありませんでしたよ。
 ところが、最後のラフマニノフの2番が始まると、そこにはそんな睡魔など決して起こり得ないような、確かな演奏のみが持つ特別なオーラが漂っているのが感じられたのです。そもそも、ピアノの音(スタインウェイ)が全然違います。粒立ちはとてもくっきりしていますし、何よりも細かいニュアンスの違いがはっきり伝わってきます。バックのオーケストラも、見違えるような重厚な音に変わりましたよ。その人の演奏は、コンクールで審査されているという硬直したものではなく、あくまでのびのびと、余裕すら感じられるほどの素敵なものでした。前の2人とは「格」が違います。ファイナルはまだ次の日の3人も残っているのですが、彼を聴いた時点で、この人は間違いなく優勝するはずだ、との確信が生まれるほどの、それは確かな音楽が伝わってくるすごい演奏だったのです。
 ついさっき、ピアノ部門の審査結果が発表になりました。優勝したのは、まさにその人でした。今回の審査員の耳は、確かだったようです。
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by jurassic_oyaji | 2010-06-26 20:41 | 禁断 | Comments(0)