おやぢの部屋2
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ゲゲゲの女房
 何度か書いていますが、NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」は、毎日見ています。以前「天花」でひどい目に遭って以来、出来ることなら朝ドラは見ないようにしてきたのですが、たまについ見始めてしまうものもあったりします。しかし、一度見始めてしまうと、行きがかり上結局最後まで見ることになって、とても後悔してしまう、というのがお決まりのパターンなんですね。「だんだん」あたりはそんな感じ、途中であまりにひどい展開にうんざりしてしまっても、そこでやめてしまうと今まで見てきたことの意味がなくなるような気がして、ずるずる最後まで見て、さらにがっかりすることになるのですね。
 ただ、「ゲゲゲ」の場合は、なんせ原作が実話ですから、とりあえずプロットの破綻はないはずです。とは言っても、積極的に見るような気にはならずに最初のころは完全に無視していたのですが、チラチラ視界に入る主演の女優さんが好感度が高いのと、タイトルバックに出てくるアニメのキャラクターがちょっと気になって、軽い気持ちで見始めたら、もういけません。すっかりとりこになって、朝の7時半から、同じものを3回続けて見るほどのハマりようです。
 ストーリーの運び方は、いつもの朝ドラとなんら変わらない、はっきり言って先の読める展開なのですが、そんな拙さも許せるほどの、やはり実話ならではのリアリティに、ぐいぐい引っ張られるのですね。思いっきりどん底の貧乏生活でかなり引っ張った後の、ついにメジャーに躍り出るストーリー(いや、実話です)は、本当に良く出来ていますね。
 そして、いやでも興味を惹かれるのが、あの当時の「マンガ界」の描写です。貸本屋がどんどんなくなっていく中で、週刊のマンガ雑誌が誕生、それはやがて大学生の間にまで読者層を広げていくという、「マンガ」にとって飛躍的な改革のあったあの時代は、(年がバレますが)まさに私がリアルタイムに味わっていた時代でした。そんなムーブメントの裏側が克明に描かれるのですから、面白くないわけがありません。あの頃夢中になって読んだ数々の雑誌が、微妙に名前を変えて登場、そのあたりを実体験と照らし合わせて思い出すのは、なんとも言えません。「ゼタ」というのは、もちろん「ガロ」のことですよね。メインはもちろん白戸三平だった雑誌ですが、そのあたりは触れずに雑誌の精神のようなものだけを前面に出しているのも、効果的ですね。なんせ、このタイトルをつかったフォーク・グループまで登場したほどの「熱さ」のあった雑誌なのですからね。
 そして、「少年ランド」は、言うまでもなく「少年マガジン」、これは今でも発行されていますが、あのころの勢いと言ったら、すごいものがありましたね。たしか、「右手に『ジャーナル(朝日ジャーナル)』、左手に『マガジン』」というのが、当時の大学生の最先端のファッションだったはずです。今日の放送分では、その「ランド」のアップの映像が登場しました。こんな芸の細かさが、泣けるんですよね。
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 真ん中に見えるのは、ご存じ、「マガジン」の看板「巨人の星」の星飛雄馬そっくりのキャラですね。ここでは「父子巨神」となっているのが、おかしいですね。こんな小道具なども、とことんこだわったものが使われています。テレビを見ないときにかけておくゴブラン織りのカバーなんかも、当時の電気製品に対する人々の姿勢がはっきり表れていて、涙さえ出てきませんか?そういえば、「ガリ版」なんかも出てきましたね。そんなもの、知らない、という人は、この際無視しましょうね。
by jurassic_oyaji | 2010-07-30 21:18 | 禁断 | Comments(2)
Commented by 新潟のまさ at 2010-08-01 19:22 x
私も見ています。昭和43年生まれですが、この時代背景は
好きで興味があります。バレエ・ピアノ・モデルの才女、松下奈緒さんが
貧乏屋敷であまりに綺麗過ぎるのが不自然にも思えましたが
やはり見とれてしまいます。
本当だ。その当時の連載漫画を意識した絵ですね。
「父子巨神」なるほど、こういうところに気を利かせるセンスの良さ、
良いですね。
Commented by jurassic_oyaji at 2010-08-01 23:40
まささん、こんにちは。
柔道着を着たちばてつやっぽいのは、「ハリスの旋風」でしょうか。