おやぢの部屋2
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In My Life
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The Ventures
EMI/TOCP-70839




EMIの国内盤、久しぶりに買ってみたら、品番は相変わらず「TO-」から始まっているんですね。かつて「東芝EMI」という社名だった会社は、とっくの昔に「東芝」とは関係がなくなっているのですが、品番にだけはその大手電機会社に由来する文字だけは残しているのですね。昔からのお客さんを惑わせないように、との配慮なのでしょうか。
それにしても、このジャケットのはしたないこと。いや、ラジオで音だけ聴いて買ってみたのですが、現物が届いてみたらこんな悪趣味なジャケットだったのでびっくりしているところです。本当ですよ。名誉のために強調しておきますが、決して、ジャケット目当てに買ったわけではありませんからね。「はみ乳」は嫌いではありませんが。
もちろん、これはビキニの女性ではなく、左にデザインされているギターをこそ見せるべきものだったのでしょう。それは、1960年代に吹き荒れた「エレキ旋風」の立役者、「モズライト」のギターなのですからね。いや、ギターそのものではなく、そのギターを演奏して日本中を沸かせていたロック・バンド、「ザ・ベンチャーズ」を表現するのに、これほど的確なジャケットもありません。
かつて「ベンチャーズはロックではない」と言い切った、さる泡沫フリーペーパーの編集長の言を待つまでもなく、まぎれもない「ロック・バンド」でありながら、なぜかこのバンドをそのように呼ぶのには抵抗のある向きもないわけではありません。あまりに大衆に迎合したスタイルを持つが故の、そのような偏見は甘んじて受け入れつつも、彼らはすでに半世紀以上の歴史を持つに至りました。オリジナル・メンバーのドン・ウィルソンなどは、70歳を超えても現役で演奏しているのですから、すごいものです。中には、ドラムスのリオン・テイラーのような、父親の後を継いで同じパートを担当することになった「世襲」メンバーもいますがね。
そんな彼らが作った、これは初めての全曲ビートルズをカバーしたアルバムなのだそうです。いや、別に彼らはビートルズを録音してなかったわけではなく、今までに多くの曲のカバー自体は発表してはいたのですが、それだけで1枚のアルバムを出したのは初めて、ということのようですね。あまりにたくさんのアルバムを出していれば、このような差別化のための方便も必要なのでしょう。もちろん、そんな昔の録音を集めただけのコンピレーションではなく、きちんと「新録音」も入っていますから、それなりのモチベーションもあったはずです。
ラジオで聴いたのは、そんな新録音の一つ、「Norwegian Wood」でした。オリジナルではジョージ・ハリスンが本物のシタールを弾いていることに敬意を表して、ボブ・スポールディングがエレキ・シタールのイントロを入れていますが、なんと、その前に「Because」のイントロが入るというとんでもないアレンジだったので、ちょっと食指を動かされたのですよね。なんと斬新な、と。実際に全曲を聴いてみると、それは明らかに期待はずれではあったのですが、新録音の中には、「Paperback Writer」のような、コーラスが入らないことにはサマにならない曲に果敢にギターだけで挑戦したり、最後にはなんと「Abbey Road」の「B面メドレー」までやっているのですから、さすが、ではありますね。
でもねぇ。なんか違うんですよね。メロディが。それも、「これがビートルズ」という肝心の音を、ちょこっと違えているものですから、なんともダサイ仕上がりになっているのですよ。この前の「杉鉄」と全く同じ、アンダーソンがチャンバラになってしまうという感覚ですね。「Here Comes the Sun」が、X-Japanみたいに俗っぽくなってるのって、とても不思議な感じですよ。
でも、そこで笑ってはいけません。そんなおおらかさこそが、彼らの「ロック魂」なんですからね。ベンチャーズは永久に不滅です。たとえ、音楽は「B」だとしても。

CD Artwork © EMI Music Japan Inc.
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by jurassic_oyaji | 2010-09-01 20:26 | ポップス | Comments(3)
Commented by 新潟のまさ at 2010-09-04 09:25 x
おやぢさん ベンチャーズお好きですか?
嬉しいです。私も父親の影響で赤ちゃんの頃から聴いております。
コンサートも何回も行ってます。
LPもデビューLPから「100万ドル」辺りは全て持ってます。
病院で読んだ「週間ポスト」の来日アーティスト評で
「日本で通用しないポンコツはいらない」と記載してあり
ものすごく頭に来ましたが、早速山下達郎氏が
理論的 音楽的に大反撃をされていて嬉しかったです。
日本での影響力はビートルズ以上だと思っています。
Commented by 新潟のまさ at 2010-09-04 09:28 x
追伸 ベンチャーズとモズライトは金銭的なことで
絶縁したはず、ドン・ウィルソンは特にです。
このジャケは本人達の意思と関係ないのでしょうか。
ベンチャーズのあのロゴとも異なっています。
EMIジャパンは東芝EMIの精神を引き継ぐそうです。
Commented by jurassic_oyaji at 2010-09-04 19:31
まささん、こんにちは。
早速のリアクション、ありがとうございます。ジャケットの件は正直日本のメーカーに対するイヤミです。こんなステレオタイプのジャケットを作っているから、ベンチャーズが不当に貶められる、ということに気づかないのでしょうかね。