おやぢの部屋2
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小沢征爾
 谷啓さんがお亡くなりになったそうですね。「転んで脳挫傷」というのが、やり切れません。最近は、かつてのやんちゃなキャラはそのままに、とても渋い味を出すようになってきただけに残念です。「クレージー・キャッツ」のメンバーで、残っているのは犬塚弘さんと桜井センリさんだけになってしまいました。でも、このグループ自体はまだ「解散」はしていないんですってね。
 谷さんよりまだお若いはずの小澤征爾は、なんだかものすごく「爺さん」になってしまっていました。この時期、毎年決まってNHKで「サイトウ・キネン・フェスティバル」のコンサートが一晩分ぐらい放送されていたのですが、きのうBS-hiでやっていたのは、チャイコフスキーの「弦セレ」の第1楽章だけでした。ご存じのように、予定されていたコンサートを全部指揮するのはとても無理なことが最近分かってしまい、代理の指揮者に下野竜也さんを立て、小澤はその前に「前座」として弦セレを1楽章だけしか振らない、ということになっていたのでした。その告知は新聞で見たのですが、なんか釈然としない気持ちになったのは確かです。もちろん、達郎とは違い、チケットなんか手に入るはずもありませんから全然行く気もありませんでしたが、実際に苦労してチケットを手に入れた人は、さぞや複雑な気持ちになったことでしょう。最近は、こんなケースではまず払い戻しということはあり得ないようになってしまいました。以前、バーンスタインが振るはずだったコンサートで大植英次が代理を務めたら、抗議が殺到してパニックになったことがありましたが、今回はそれと全く同じケース、しかし、なぜか抗議をした人がいたという話は伝わってきません。それどころか、「1曲だけでも振ってくれて、本当にありがたい」というような、絶対に間違っている感想を公にする人の、なんと多いことでしょう。確かに小澤と言えば、ほとんど「人間国宝」とも言える存在です。彼を持ち上げることは仕方がないことなのかもしれませんが、こんな形での「解決」を、すんなり受け止めてしまう日本人というのは、とんでもないお人好しにしか見えません。
 このテレビの放送、番組が載っている雑誌が出たころにはちゃんとしたコンサートが開ける予定になっていましたから、なんと3時間の枠を取った番組になっていました。小澤が闘病生活から生還したことを克明につづった記録と、もちろん、その復帰第1弾となるコンサートをすべて収録すれば、そのぐらいの時間は必要だったのでしょう。ですから、こんな事態になって一番あわてたのは、この番組の制作者だったのかもしれませんね。いくら、リハーサルを丁寧に紹介したとしても、「弦セレ」1曲で3時間持たせるのはあまりにも理不尽です。結局、メインにはなんとベルリン・フィルとの「悲愴」などというものを持ち出して、なんとか1時間40分の番組には仕上げていましたね。
 しかし、そのおかげで、なんとも貴重なシーンを見ることが出来ました。それは、急遽代役に決まった下野さんが、小澤が指揮するはずだったプログラムである「ノヴェンバー・ステップス」のリハーサルしているところです。腰痛が治らないので他の人に任せたのなら、おとなしく休んでいればいいものを、小澤はスコアを見ながらステージの上に座ってリハーサルを見ています。そして、ときどき横からオケを停めて、何やら講釈を垂れています。「初演の時に作曲家とディスカッションしたので、この曲は誰よりもよく知っている」というデカい態度ですね。それだけではなく、あろうことか、指揮をしていたこの読響の正指揮者を捕まえて、指揮のやり方まで教え始めましたよ。その時の下野さんの表情が、彼の気持ちを物語っているとは思えませんか?
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 でも、さすがはオトナ、しばらくすると「正座」して、神妙に「大先生」のお話を聴くようになりましたね。なんせ、周りにはここぞとばかりにカメラマンが取り囲んでいます。そうするしかなかったのでしょう。
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 なんか、とてつもなく醜いものを目撃してしまったような気がします。もちろん、醜いのは下野さんではなく小澤です。
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by jurassic_oyaji | 2010-09-12 23:08 | 禁断 | Comments(1)
Commented by ひろひろ at 2010-11-03 21:32 x
小澤征爾はかつて自分が教えを受けたときの方法をそのまま再現しただけかも知れませんね。以下をご覧ください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101103-00000508-san-ent