おやぢの部屋2
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N響の「第9」
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 なぜか、朝ドラの中で脈絡もなく鳴りまくっている「第9」です。尺を合わせなけれならないために、属和音で次に続くように作ってある所でも強引に主和音で終わらせてしまっているのは、笑いを取りたいための年末サービスなのでしょうか。
 そんな「第9」シーズンまっ盛りの中、BSでN響の演奏をやっていましたね。別にN響だから見るなどということはこのところはなくなっていましたが、今年の指揮者がヘルムート・リリンクだというのでは、ぜひ見ておかなければなりません。この宗教音楽の大家は数々の宗教曲、合唱曲を演奏、録音していますが、ベートーヴェンの「第9」を演奏したものはまだ体験したことがないので、とても楽しみです。
 放送されたのは、12月22日に行われたコンサートの録画でしたが、まず、リリンクの指揮棒の持ち方を正面からのカメラの映像で見てみると、今まで後ろ姿しか見たことのなかった彼のコンサートでは気がつかなかったような、不思議なものであることが分かりました。ちょうど「お箸」を持つような感じで、指揮棒をつかんでいるのですね。
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 以前、茂木大輔さんに指揮をしていただいた時には、「リリンクの弟子だから、リリンクの指揮棒の持ち方を真似したのでは」と思っていたのですが、こうしてみると茂木さんは順手、リリンクは逆手と、全く逆の持ち方だったのですね。おそらく、こんな持ち方をしている人は、他にはいないのではないでしょうか。
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 そんな外見は全くどうでもいいことで、要は演奏がどうだったのか、ということですよね。これは、最近のリリンクのバッハの演奏などと同じように、ピリオド楽器系のアプローチが随所に見られる、スリリングなものでした。1楽章の出だし、ヴァイオリンの刻みがよくあるモヤモヤしたものではなく、一音一音はっきりと聴かせる、というあたりで、まずそんなことに気づかされます。しかし、N響の、特に金管あたりの団員は、どうもそういうことには無頓着なように見えるのは、気のせいでしょうか。先日のマーラーの2番でもとんでもない醜態をさらしていたこのセクションは、指揮者の意図をくむなどという高次元の作業は出来ないのかもしれませんね。
 もちろん、楽譜はベーレンライターを使っていました。数々のチェックポイントはほとんどこの版でしか聴けない音程やリズムだったのですが、一番違和感のある4楽章のホルンの不規則なシンコペーションは、普通の形に直していましたね。
 おもしろかったのは、ソリストが入ってくるタイミングです。普通は2楽章の終わりで入場、3楽章と4楽章はアタッカで繋げる、ということが多いのですが、リリンクは3楽章が終わったところでたっぷりとした休みを取り、その間にソリストや打楽器奏者を入場させていました。この終楽章だけ性格が違うのだ、という思いの表れなのかもしれません。
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 その時、打楽器奏者たちと一緒に入ってきたのが、ピッコロ担当の菅原さんでした。確かに、N響ではこのパートがアシを吹くことはありませんから、ここまで座っている必要はないわけです。その菅原さんが吹いていたのが、この、「GUO」のピッコロです。ここのフルートを菅原さんが吹いているのを見て、私も買ってしまったのですよね。ピッコロも出しているのは知っていましたが、実物を見るのは初めて。楽譜通りではなく、高い「B」や「H」をすべてオクターブ上で演奏していましたが、それがとても軽やかに聴こえてきましたね。これも欲しくなってしまいましたよ。
 ソリストたちが全く知らない人たちだったのですが、それぞれのソロ、ではなくあくまで4人のアンサンブルに徹していたのも、おそらくリリンクのコンセプトだったのでしょう。
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by jurassic_oyaji | 2010-12-27 23:55 | 禁断 | Comments(0)