おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
Kotringo/Picnic Album 2
c0039487_232555.jpg




コトリンゴ
AVEX/RZCM-46713



いつも車に乗る時には、民放FMを点けっぱなしにしています。NHKと違って、民放ではまずクラシックがかかることがないというのが、その最大の理由です。なにしろ、カーオーディオで聴くクラシックほど耐え難いものはありません。そもそも、車の中のような騒音だらけの中で、クラシックのピアニシモなどが聞こえるわけがありませんし、ヘタに熱中して聴いたりすると、運転がおろそかになってしまいますからね。いや、その前に眠気が襲ってきて、危険なことにもなりかねませんよ。
ですから、たとえ、もはやアーティストの宣伝媒体でしかなくなってしまっていたとしても、民放FMこそは聴き流すには充分の、まさにBGMとしての最高の役割を果たすものなのですよ。そして、本当にたまにですが、そこから貴重な情報を得ることも出来ますし。
この間も、そんなことがありました。ラジオから流れてきたのはとても懐かしい曲、どうやらペトゥラ・クラークが歌っていた往年のヒット曲「ダウンタウン」(「♪ダウンタウンへ繰り出そうおっ~」という山下達郎の曲ではなく、Aメロのフレーズの最後に「downtown」というレスポンスが繰り返され、大サビでも頭で「downtown」が連呼されるというあの曲)のように聴こえます。ただ、メロディや歌詞は聴き覚えのあるあの曲なのですが、リズムがなんだかとてもヘン、どこがビートの頭だか分からないようになっていました。よくよく聴いてみると、どうやら「5拍子」のビートに乗っているようですね。それが分かってしまうと、その曲がとても新鮮に感じられるようになりました。オリジナルは普通の8ビート、基本的に「4拍子」なのですから、全く違う曲のよう、それでいて原曲の雰囲気はしっかり伝わってくるというとても素敵なアレンジには、驚くばかり。
曲が終わったときのMCで、これを歌っていたのが、あのコトリンゴだということが分かって、さらにびっくりです。てっきり外国人だと思ってしまったぐらい、英語の発音があまりにネイティヴっぽかったものですからね。「リリースされたばかり」と聞いて、さっそくアルバムをゲットです。つまり、彼女の場合、常にこんな風にラジオからのインパクトで新しいアルバムに出会える、というパターンが定着しています。
それは、このところおおはやりの「カバー・アルバム」でした。これが「2」ということで、当然前に「1」が出ていたわけですが、それは日本人アーティストのカバー、そしてこれは外国人アーティストのカバーということになります。ラインナップは全部で8曲、期待にたがわず、さまざまなアイディアのアレンジと、独特の脱力系のヴォーカルで、存分に楽しむことが出来ました。
その中で、ビョークの「Hyperballad」あたりは、もはや「すごい!」としか言いようのないものでした。ビョークの歌の中にある「民族性」を一旦剥奪したうえで、さらなるアヴァン・ギャルドとしての属性を持たせるという作業、これは、オリジナルの持つ世界観を完全に覆すような、ある意味オリジナルを超えたアレンジと、演奏です。よーく味わってみたいもの。
そんな意味では、シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの「Kiss Me」などは、一見オリジナルに限りなく近い肌触りを維持していると思わせて、実はこの作品が持つさらなる可能性を広げて見せたという、油断のならない仕上がりです。間奏のピアノのかっこいいこと。ストーンズの「She's Like A Rainbow」だって、イントロをアコーディオンで演奏するというだけのことで、見事に独自の世界を作ってしまっています。やはり、コトリンゴの持つセンスは、並みのレベルではありません。
これは、アルバムとは言っても30分ちょっとしかない、「ミニアルバム」の範疇に入るものなのでしょう。しかし、その充実感は、収録曲だけ多い冗長な「アルバム」をはるかに超えるものでした。

CD Artwork ©c Avex Marketing Inc.
[PR]
by jurassic_oyaji | 2011-01-30 23:03 | ポップス | Comments(0)