おやぢの部屋2
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XENAKIS/Alfa & Omega
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Various Artists
ACCORD/480 4904




今年、2011年は、ヤニス・クセナキスが亡くなって10年目というアニバーサリーです。それを記念して、彼の作品全集が出ました・・・と言えればいいのですが、あいにく今回は4枚組のボックスで我慢して頂きましょう。なにしろ、彼が生涯に作った曲は、全部で150曲を超えていますから、ひとつのレーベルで全ての音源を揃えることなど不可能です。そもそも、まだ録音されていないものがかなりありますし。前世紀の終わり頃にリゲティの新録音による全集が計画された時には、途中でレーベルが変わってしまうという苦難の道を経て、完成までには10年かかってしまいました。クセナキスの場合は、そんな全集が現れることなどあるのでしょうか。TIMPANIMODEが、それぞれオーケストラ曲と室内楽のジャンルで頑張ってはいるようですが、どうなることでしょう。
今回のボックスは、フランスのユニバーサルの傘下にあるACCORDが、手持ちの音源やライセンス供給などを含めて21曲を集めたものです。最初の作品ではありませんが、最初に演奏された曲である「メタスタシス」から、文字通り最後の作品となった「オメガ」を押さえてありますから、一応首尾一貫はしていることになりますね。だから、タイトルも「アルファとオメガ」なのですね。もちろん「アルファ」とは、「最初」という意味もありますし、初期の作品である「ノモス・アルファ」にちなんだものでもあるのでしょう。
その、「メタスタシス」は、なんと1955年のハンス・ロスバウトによる初演の時の演奏でした。もともとはSWRの放送音源、こんなものがCDで聴けるとは(もちろん、モノラルです)。この曲は、1965年のモーリス・ル・ルーのものが最初の録音だと思っていましたから、ちょっと感激です。初演ならではの気迫は、そのル・ルー盤やTIMPANIのタマヨ盤では、もうちょっと希薄になってしまっています。
もう一つ、そんな初演の頃の熱気が味わえるのが、1967年に作られた無伴奏合唱曲「夜」です。マルセル・クーローが指揮をしたラジオ・フランスの合唱団の演奏、これはERATOから出ていた、メシアンの「5つのルシャン」とペンデレツキの「スターバト・マーテル」がカップリングになったLPが有名ですが(1994年に国内盤のCDが出ていましたが、今は廃盤になってます)これは同じ1968年の録音でも、全くの別物でした。
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元々はADÈSから出ていたものだそうで、ERATO盤に比べると残響が全くないデッドな録音、バックのノイズなど様々な物音がリアルに聞こえてきます。だから、最後に出てくるバス歌手の「咳ばらい」も、てっきり演奏ノイズだと思ってしまいましたよ。きちんと楽譜に指定されているのですね。ブックレットには、彼らがギリシャのペルセポリスでこの曲を演奏している写真がありますが、こんな感じで、多くの演奏の機会があったのでしょう。現在では、少なくとも3種類(BIS, HYPERION, CHANDOS)以上のCDが手に入りますが、いずれのものも「熱気」という点では彼らの演奏をしのぐものではありません。
さっきの「ノモス・アルファ」は、この曲を委嘱したジークフリート・パルムの演奏で聴くことが出来ます。これは実は、初演からしばらく経ってからDGに録音した、かなりメジャーなものです。ユニバーサルだから、こんなことが出来るのですね。この曲が収録されていたのはチェロ独奏のための「現代曲」ばかり集めたアルバムですが、録音がすさまじいということで大評判になったものでした。確かに、これは今聴いてもものすごい録音です。同じくDG音源でアバドが指揮をしたクセナキスなどという、今となっては珍しいものもありますし。
最後の作品の「オメガ」は、MODE2005年に録音されたもの、ですから、ここでは曲がりなりにも半世紀に渡るクセナキスの録音が味わえることになります。内容的にはしょぼ過ぎますが。

CD Artwork © Universal Music Classics & Jazz France
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by jurassic_oyaji | 2011-06-12 22:11 | 現代音楽 | Comments(0)