おやぢの部屋2
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佐渡裕の武満
 佐渡裕とベルリン・フィルのコンサートの模様は、NHK-BSで全曲放送されていました。なかなか時間が取れなかったのですが、きのうやっとまとめて見ることが出来ました。もちろん、HDモード(=DRモード=BDモード)です。ショスタコの方はコマ切れですがメイキングでさんざん見ていたので、まずはその前のプログラムの武満徹の「From Me Flows What You Call Time」が楽しみでした。まだこの曲は聴いたことがなかったのですよね。というか、以前篠崎靖男さんが2003年12月にLAフィルの定期演奏会を指揮した時に、やはりこれを演奏してたのですよ。その時に、「素晴らしい曲ですから、機会があったらぜひ聴いてみてください」とおっしゃっていたのですが、やっとその「機会」が巡ってきました。
 リハーサルの映像ではショスタコの時にもこの曲のための打楽器などがセットされていて、それが指揮台のまわりなどにもあったのですごいな、と思っていたのですが、本番ではさらに、なんだか「地鎮祭」の時に飾るような長~いリボンが天井からぶら下がっていましたね。それが5色のリボンが上手と下手に2組あるものですから、このコンサートホールには完全にミスマッチでしたね。実は、それは単なる装飾ではなく、そのリボンの先にウィンド・チャイムのようなものがつながっていて、ステージからそれを引っ張って音を出すという、りっぱな「楽器」だったのですけどね。
 パユのフルート・ソロで曲が始まると、なんと、客席の後ろから、5色のジャケットを着た打楽器奏者が、サンバル・アンティークを叩きながらの登場です。「シアター・ピース」という、これもこのホールには似つかわしくない仕掛けだったんですね。それぞれの奏者が定位置について、様々な打楽器を演奏するのは、なかなかスリリングなものでした。スティール・パンが大活躍してましたね。結構、即興的に奏者に任されたような部分もあったようですが、このソリストたちは、初演からずっと(篠崎さんの時も)カナダの「ネクサス」というグループが担当していたそうです。昔、武満がプロデュースしていた「MUSIC TODAY」で彼らの演奏を生で見たことがありますが、ボブ・ベッカーとかラッセル・ハーテンバーガーなどというメンバーは、あのスティーヴ・ライヒとも縁が深いんですよね。でも、今回は全然別の人たちでした。どういうところからきている人たちなのかな、と思っていたら、後半のショスタコでは、その人たちが全員燕尾服を着て座っているではありませんか。つまり、彼らはベルリン・フィルの団員だったのですね。これはちょっとすごいことですよ。しかも、ソロの出番の後もオケの中で演奏しているなんて、プロではなかなかないことです。
 あとで調べてみたら、佐渡が西宮でこの曲を演奏した時には、ちゃんと「ネクサス」が来たそうなのですね。このあたり、ベルリン・フィルとコンサートの打ち合わせをする時にどのような交渉がなされたのか、興味がわいては来ませんか?佐渡はぜひ「ネクサス」とやりたかったのに、ベルリン・フィルの事務局に「うちの団員で十分だ」と言われて、渋々引きさがったとか。というか、実際「ネクサス」を呼ぶよりは、だいぶ経費が少なくてすんだことでしょう。演奏の質はどうだったのか、私には、比較する材料がないので、分かりません。正直なところは「ネクサス」で聴いてみたかったですが。佐渡も、おそらく「ネクサス」とやりたかったのではないか、と思うのですがね。つまり、この件では、佐渡よりも篠崎さんの方が優遇されていたような気がするのですが、どうでしょう。まあ、ベルリン・フィルのメンバーの打楽器も、技術的には遜色はなかったのでしょうが、あくまで「気持ち」の問題で。
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by jurassic_oyaji | 2011-06-17 21:47 | 禁断 | Comments(0)