おやぢの部屋2
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WHITACRE/Light & Gold
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Pavao Quartet
Christopher Glynn(Pf)
Eric Whitacre/
The Eric Whitacer Singers, Laudibus
The King's Singers
DECCA/B0014850-02




つい最近来日して東京で合唱講習会を行っていったエリック・ウィテカーですが、その時におそらく会場では山積みになっていたであろうCDです。去年リリースされていたものなのに、普通にクラシックの検索をしていた時には気づかず、合唱関係のサイトでやっと見つけたものです。というか、このレーベルはDECCAですが、品番の付け方が普通と違います。今は同じユニバーサルになってしまいましたが、これはもしかしたら「アメリカ・デッカ」の流れをくむものなのでしょうか。
いずれにしても、今まではHYPERIONNAXOSといったマイナー・レーベルからしか出ていなかったウィテカーの作品ですが、このたびウィテカー自身が「DECCA」とアーティスト契約を結んだそうなのですね。「メジャー・デビュー」ってやつでしょうか。そこで、彼の作品を演奏するために作られたのが、ここで演奏している「エリック・ウィテカー・シンガーズ」という、イギリスの歌手を集めた合唱団です。なにしろ、ウィテカーは「イギリスの合唱団が最高」と言って賛辞を惜しまない人ですから、これは当然のことでしょう。彼が最初に注目を集めたさっきの「Cloudburst」というアルバムについても、別のところで「私の音楽が、いつの日かイギリスの神髄とも言うべき合唱団によって、これほど美しく巧みに録音されるなど、夢想だにしなかった」と言い切っていますからね。ちなみに、このアルバムは、「ポリフォニー」の指揮者スティーヴン・レイトンから「書いたものを全部送ってもらえないか」というメールが届いたのでその通りにしたら、その1年後に出来上がっていた、というものなのだそうです。レイトンの先見の明、でしょうか。先ほどの「シンガーズ」にも、「ポリフォニー」のメンバーが参加していますし。
もちろん、このアルバムの録音はロンドンで行われましたが、その時には「シンガーズ」の他に「ラウディブス」という、「ザ・シックスティーン」や「モンテヴェルディ合唱団」、さらには「スウィングル・シンガーズ」のメンバーなども輩出した合唱団も加わっています。巨漢の醜女が集まった合唱団なのでしょうか(それは「ラージブス」)。彼らは譜読みに6時間、リハーサルには80分かけただけでこのアルバムを完成させ、ウィテカーにイギリスの合唱団のすごさを再認識させることになりました。
その、まさに彼が理想とした「イギリスの合唱団」は、完璧な演奏を聴かせてくれています。音色とピッチは、まさに彼が望んだものなのでしょう。その上で、彼の指揮は本当に自分が聴いてもらいたい「ウィテカーの魅力」を前面に押し出したものでした。タイトル曲の「Lux Aurumque(Light and Gold)」をポリフォニーの演奏と比べてみると、レイトンのやり方はちょっと厚化粧、しかしウィテカーは、「そんなに力まなくてもぼくの曲の魅力は伝わるんだよ」と言わんばかりに、いともあっさりとその美しさを見せつけてくれていますからね。
この中には、最初から合唱曲として作られたのではなく、別の目的で作ったものを書き直したというものが2曲含まれています。「Five Hebrew Love Songs」というのは、彼の「美人の」奥さんである、ソプラノ歌手のヒラ・プリットマンが、まだ恋人だった頃に作ったヘブライ語の歌詞(彼女はエルサレムで生まれ、育っています)に曲を付けたもので、元々は共通の友人であるヴァイオリニストのフリーデマン・アイヒホルンとの3人の「バンド」で演奏するためのキャッチーなラブソングでした。そして「The Seal Lullaby」は、キプリングの「白アザラシ」のアニメ映画の音楽のオファーがあった時に、デモとして作ったキプリングの詩によるかわいらしい子守唄です。しかし、この企画は制作サイドが方針を変えて「カンフー・パンダ」を作ることになったためにボツ、映画音楽として陽の目を見ることはありませんでしたとさ。

CD Artwork © Decca, a division of Universal Music Operations, Ltd.
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by jurassic_oyaji | 2011-07-06 20:12 | 合唱 | Comments(0)