おやぢの部屋2
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BRAHMS, REGER, BRUCKNER/Motets
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Voces8
MIRARE/MIR 154




今年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」は、大震災の影響で、その開催を巡ってはなんとも醜い姿をさらけ出していたものです。結局、東京でのこのイベントは大幅に規模を縮小して開催されることになったようですが、それが果たして正しいことであったのかという判断は、断じて主催者にまかせるべきものではありません。
そんな中で、初来日となったイギリスのア・カペラ・グループ「ヴォーチェス8」は、あちこちで高い評価を受けていたようですね。今年のアーティストの中ではベストだ、みたいな言い方をされたりもしていましたから、よっぽど素晴らしいライブだったのでしょう。実は、その頃には、その数か月前に「本場」ナントで開催されていた「ラ・フォル・ジュルネ」で彼らが演奏していたもののライブ録音であるこのアルバムも、すでに日本には届いていたのですね。曲目は日本でのものと全く同じ、ブラームス、レーガー、そしてブルックナーのア・カペラのモテットです。ですから、日本でのコンサートには、新幹線が止まっていたので聴きに行くことが出来なかった(いや、そもそも聴きに行く気などありませんでしたが)東北地方の人でも、このCDさえあればMCも含めたワンステージ分のパフォーマンスが丸ごと体験できたことになります。もっとも、「丸ごと」とは言ってもほんの40分足らずの長さしかありませんが。
40分しか入っていないCDなどは、フツーは「ミニアルバム」、あるいは「マキシシングル」という呼び方をされて、価格もそれなりにミドプライスの扱いをされているものなのですが、これはしっかりフルプライスの設定になっています。ですから、その分「豪華」なブックレットでもついているのかなと思いきや、それは1枚の紙切れを折っただけのものでしかありませんでした。そこには、ナントでのコンサートらしき写真はあるものの、なんと(ああ!)メンバーの名前すら掲載されてはいません。ですから、このジャケットの写真の左端にいる、ちょっとシャナン・ドハーティ似のアンドレアが、その裏のライブの写真では全く別人のように見えてしまっても、確認するすべがないのですよね。
というのも、前にSIGNUMから出ていたアルバムと比べると、ライブだというハンディを差し引いてもあまりにも演奏が練れてないものですから、もしかしてエキストラが入っていたのでは、と勘繰ってしまったのですよ。層の厚いイギリスの合唱界では充分にありうることですからね。特にソプラノのヘンなビブラートは、前のアルバムでは決して見られなかったものでしたし。
まあ、そんな瑕疵は買ってから分かったことなのですが、そもそもはブルックナーのモテットが入っていたので聴いてみたいと思いました。前のアルバムのレベルだったら、こういう少人数で歌われるブルックナーもなかなか面白いものに仕上がっているのでは、という期待があったからです。
しかし、そのブルックナーは失望以外の何物でもありませんでした。ライブならではの、お客さんを前にした時のテンションなのでしょうか、彼らの演奏はあまりにも「サービス精神」に溢れすぎているのですね。ブラームスあたりではギリギリ許されるものなのかもしれませんが、それをブルックナーでやられてしまうと、もう、それはブルックナーではなくなってしまいます。というか、そういう演奏を聴いて初めて、この作曲家がいかにくそまじめに音楽に向かい合っていたかが実感として分かってくるというか。
まあ、フランス語でMCをやったり、そんな中で一人だけ「ワタシ、ふらんすゴ、シャベレマセーン」と開き直ったりと、楽しさから言ったらそれはもう満足度は全開です。でも、肝心の演奏がこれでは、なんにもなりません。

CD Artwork © Mirare
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by jurassic_oyaji | 2011-07-18 19:49 | 合唱 | Comments(0)