おやぢの部屋2
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MOZART/Sämtliche Messen
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Soloists
Christoph Lehmann(Org)
Peter Neumann/
Kölner Kammerchor
Collegium Cartusianum
EMI/0 28458 2




今や、CD業界はBOXセットの叩き売り状態がおおはやり。以前は専門の廉価レーベルの得意技だったものが、メジャー・レーベルの世界にまで押し寄せてしまっています。いや、本当はメジャー・レーベルだから、というべきなのでしょうか。なにしろもはやクラシックの新録音などはほとんど手を付けなくなってしまったこれらの大レーベルは、減価償却の終わった膨大なカタログをまとめて安売りする以外に、利益を上げる方策をなくしてしまったのですからね。あるいは、これはCDというパッケージ・メディアがなくなってしまう前兆なのかもしれませんよ。実際にそうなる前に、売れるものならなんでも安く売ってしまおうというのが、実はメジャー・レーベルの本音だったりしますからね。もはや船は沈みかけています。それを察知して逃げ出すネズミたちが、このBOXたちなのですよ。ですから「消費者」としては、いくら安いからといって、有頂天になっていてはいけません。
と言いつつも、前から欲しかったものが安く手にはいるとあれば、これは買ってしまおうと思ってしまうのが、「消費者」の弱いところです。こんな、ペーター・ノイマンのドイツEMI(かつてのElectrolaですね)での録音がまとめて出てしまえば、つい手が伸びてしまいます。
これは、「没後200年」に向けて、1988年から1991年にかけて録音された、モーツァルトが作った「ミサ曲」が全部+アルファという全集です。オーケストラはピリオド楽器による団体ですね。「アルファ」の中には、もちろん「レクイエム」も含まれますし、「Exsultate, jubilate」や「Ave verum corpus」といったモテットも入っています。さらに嬉しいのは、オーケストラとオルガンのための「教会ソナタ」が、ミサの間に演奏されていることです。これは全く予想していなかっただけに、喜びもひとしお。ノイマンという人は、指揮者であると同時にオルガニストですから(ガストン・リテーズに師事しています)、こういうアイディアが自然に出てきたのでしょう。
まさに、実際の礼拝を再現したかのように、「Gloria」と「Credo」の間で演奏される「教会ソナタ」、ここでのオルガンはごくごく控えめに演奏されています。というより、楽器自体が教会備え付けの「大オルガン」ではなく、ポジティーフのような小さなものなのでしょう、かわいらしいストップによって、この曲は今まで抱いていたイメージとはちょっと違った姿を見せています。こちらの方が、「大オルガン」より数段魅力的。
お目当ての「レクイエム」は、ジュスマイヤー版で演奏されていますが、「ところどころに、ノイマンによる訂正がある」という注釈がついています。同じように、「ハ短調ミサ」では、「ランドン版に、ところどころノイマンによる訂正」ですから、彼には確固たるこだわりがあったのでしょう。もっとも、聴いただけではどこを「訂正」したのかは分かりませんでしたが。そういえばバッハの「ヨハネ受難曲」の第2稿を、最初に全曲録音したのはノイマンでしたね。
ノイマンはチェリビダッケに私淑していたといいますが、確かにそれも頷けるような、遅めのテンポから繰り出す雄大な音楽は、なにか深いところで共感を呼ぶようなしっかりとした主張を持ったものでした。合唱は特別うまいというわけではないのですが、あくまで音楽に奉仕するという謙虚な姿勢が、心地よく感じられます。
ソリストたちは、有名、無名のそれぞれ力のある人ばかりです。中でも声自体にインパクトがあって思わず惹かれてしまったのは、「ハ短調」の「Laudamus te」や「Exsultate~」を歌っていたモニカ・フリンマーです。ちょっと暗めの声がとても存在感があり、それでメリスマを軽々と決めるのですから、見事としか言いようがありません。身持ちの悪さは、勘弁してやりましょう(「不倫っ!まあ!」)。

CD Artwork © EMI Music Germany GmbH & Co. KG
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by jurassic_oyaji | 2011-09-14 19:59 | 合唱 | Comments(0)