おやぢの部屋2
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FAURÉ/Requiem
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Sunhae Im(Sop)
Konrad Jarnot(Bar)
Peter Dijkstra/
Chor des Bayerischen Rundfunks
Münchener Kammerorchester
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Philippe Jaroussky(CT)
Matthias Goerne(Bar)
Paavo Järvi/
Choeur de l'Orchestre de Paris
Orchestre de Paris
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半世紀前のリイシュー盤に続いて、ともに2011年の2月に録音が行われたフォーレの「レクイエム」が、ほぼ同時にリリースされました。この前も新録音が出たばかり、ちょっとしたラッシュに、追いかける方も大変です。
ミュンヘンで録音されたダイクストラ盤は、本当にお久しぶりの「第2稿ラッター版」です。この楽譜による演奏、録音はしばらくなかったーものの、合唱団のコンサートではしっかり利用頻度が上がっているという印象が強くなっていませんか?まあ、オケの人数が少なくて済むという利点が買われているのでしょう。同じ第2稿でも、「ネクトゥー・ドラージュ版」は、あまりにも今までのものと違いすぎて、アマチュアには馴染めないのかもしれませんね。
ダイクストラの指揮するバイエルン放送合唱団は、もちろんアマチュアではなくプロの合唱団ですが、なにかひたむきさのようなものが決定的に不足しているように感じられるのはなぜでしょう。クリュイタンスを聴いたばかりなのでその様に感じるのかもしれませんが、一つ一つのフレーズがあまりに安直に流れてしまっているのが、とても残念な気がします。せっかく力のある人が集まっているのですから、もうちょっとアマチュアっぽい真摯さでていねいに仕上げて欲しかった、と。
そんな風に感じられるのは、ダイクストラがとったテンポがあまりに速すぎるからなのかもしれません。「In Paradisum」などは、ちょっと入っていけないほどの速さです。いかに身軽な版だとは言っても、これではやりすぎ。「Sanctus」でも、せっかくのヴァイオリン・ソロがとてもせわしない、チマチマしたものになってしまっていますし。
そんな中で、ソリストたちがちょっと大げさすぎる身振りなのも、全体のバランスを欠くものでした。ジャーノットはドラマティック過ぎますし、スンヘ・イムも、やはりオペラの人、この稿の求める「Pie Jesu」のキャラではありません。
カップリングは、プーランクの「悔悟節のための4つのモテット」、フランス風の粋なハーモニーがなにか決まらないのは、ドイツ人が歌っているからなのでしょうか。いや、長三和音すらきちんとハモれていないのですから、もう少し根は深いのかもしれません。

同じ頃にパリのサル・プレイエルでライブ録音を行ったヤルヴィは、パリ管を指揮しての「第3稿」です。つまり、クリュイタンスから半世紀経っての、(ほぼ)同じオーケストラによる録音ということになります。合唱は、オケ付属の合唱団。もしかしたらアマチュアなのでは、と思えるほど、技術的には拙いのですが、不思議とそこからは「フォーレ」が感じられるのですから面白いものです。おそらくフランス人の「血」のようなものが、この曲には必要なのかもしれません。
このCDでは、「Pie Jesu」がカウンター・テナーによって歌われています。ボーイ・ソプラノというのは今までにもありましたが、カウンター・テナーを聴くのは初めてです。ただ、ここで歌っているジャルスキーは、ちょっとクセのある声のようで、Gから下の音が全く別の響きになっていてちょっとブキミ。惜しいところです。
バリトンのゲルネは、それこそクリュイタンス盤のフィッシャー・ディースカウを思わせるような落ち着きのある、それでいてパッションも伝わってくる素晴らしい演奏です。なぜか、このソロだけはフランス風のなよなよとしたバリトンは似合いません。
こちらのカップリングは、フォーレのオーケストラ伴奏の合唱曲。定番の「ラシーヌ賛歌」などに混じって、これが世界初録音となる詩篇137をテキストにした「バビロン川のほとり」という珍しい曲が聴けます。バッハのコラール風に始まって、途中からはソロも加わり盛り上がるという、ちょっとしたオラトリオのような曲でした。

CD Artwork © Sony Music Entertainment, EMI Records Ltd
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by jurassic_oyaji | 2011-09-30 21:27 | 合唱 | Comments(0)