おやぢの部屋2
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CHILKOTT/Choral Works 2
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Stephen Disley(Pf, Org)
Bob Chilkott/
The Oxford Choir
OUP/MCDCHIL 11




合唱界では知る人ぞ知る「パナムジカ」という味噌屋さんみたいな(それは「ハナマルキ」)楽譜やさんがありますが、一度そこのネット通販で楽譜を買ったらメルマガが届くようになりました。もはや実際に歌うことはなくなったので、大半はどうでもいい情報しかないのですが、たまには役に立つこともあるので、別に削除もしないで読んでいます。そうしたら、なにかの記念で、メルマガの読者だけ、先着300名様にサンプルCDがもらえるというので、申し込んでみました。市販のCDではなく、他では入手できないという「ささやき」が、なにか魅力的に感じられたのですね。
実際は送料が315円かかりましたが、届いたのがこのCDです。それは、オクスフォード・ユニバーシティ・プレスという、宗教曲などの出版で有名な(例えば、フォーレの「レクイエム」のラッター版とか、モーツァルトの「レクイエム」のモーンダー版などの出版元です)楽譜出版社のサンプルCDでした。中身は、この出版社から出ているボブ・チルコットの新しい合唱曲の音源ですって。つまり、実際に楽譜を「音」にして聴いてもらい、気に入ったら買ってくれ、という意志のこもったCDなのでしょう。もちろん、その「音」はサンプリング音源などではなく、ちゃんと合唱団が実際にこのCDだけのために録音を行ったものです。その合唱団を指揮しているのが、作曲者のチルコット自身というのですから、すごいですね。もっとすごいのは、その録音のプロデューサー兼エンジニアが、あのジョン・ラッターなんですよ。実際、ラッターはちゃんとした「市販」CDでも、よくプロデューサーや、そしてエンジニアとしてもクレジットされていますから、驚くことはありませんが、まあ、それだけしっかりした体制で作られたCDなのだということでしょう。
ただ、合唱団は「オクスフォード・クワイァ」という名前からも分かるように、この録音のために出版社が作った、いわば「寄せ集め」のメンバーによるものなのでしょう。もっとも、それぞれのメンバーは、おそらくイギリスの他の合唱団で活躍している人たちなのでしょうから、その実力には問題はないはずです。
チルコットに関しては、以前のアルバムを聴いた時にその作品のおおよその傾向を知ることが出来ました。今回おそらくそれ以降に作られた「新しい」作品を聴いてみても、その印象は大きく変わることはありませんでした。2010年に初演されて、楽譜ももちろんOUPから出版されている大作、「レクイエム」から「Thou knowest, Lord」という曲を聴くことが出来ますが、これを聴く限りでは「レクイエム」全体では、おそらく同じ出版社から出ているラッターの「レクイエム」より、さらに「聴きやすい」曲に仕上がっているのでは、という気がします。既に日本でも実際に演奏されているようですので、いずれは全曲の録音が出ることでしょうが、過度の期待は慎むべきでしょうね。
興味深いのは、「日本のメロディ」を編曲したものを集めた曲集から、3曲ほどが聴けることです。「砂山」あたりは、カノン風のア・カペラで、ちょっと敬虔な味が出ていますが、「村祭り」や「朧月夜」はピアノ伴奏が入ってごくありきたりの編曲にとどまっています。歌詞が英語というのも微妙ですね(「どんどんひゃらら」というところだけ日本語)。日本の合唱団が歌う時には、そのまま英語で歌うのでしょうか。日本語に「訳して」歌ったりして。「村祭り」はドイツ語でもいいですね。In diesen heil'gen Hallenという歌詞ですよ。分かります?
合唱は、期待していたほどではなく、同じ「寄せ集め」でもウィテカーが作った合唱団には遠く及ばないものでした。それと、ラッターの録音が意外といい加減なんですね。フォルテシモではことごとく音がひずんでいますし。
ちなみに、このプレゼントはもう定員に達したようですね。

CD Artwork © Oxford University Press
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by jurassic_oyaji | 2011-10-04 23:23 | 合唱 | Comments(0)