おやぢの部屋2
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アジア・オーケストラ・ウィーク
 久しぶりに、生のオーケストラを聴いてきました。「アジア・オーケストラ・ウィーク」という催しが今行われていて、きのうまでは東京のオペラシティでそれぞれのオーケストラが一晩ずつコンサートを行っていたのですが、今日は、そのうちのニュージーランドのクライストチャーチ交響楽団と、地元仙台フィルの合同演奏会です。お分かりのように、この2つのオーケストラは、共に大震災の被害に遭った都市を本拠地にしているというつながり、そういった「意味」もこめられたコンサートなのでしょう。
 間際に大量の招待券をばらまいたようですが(私も、その恩恵にあずかりました)、それでも会場は半分ぐらいしか入っていません。私の席なんか、同じ列に3人ぐらいしか座っていません。さびしいですね。
 まずは、仙台フィルの単独ステージ、片岡良和の「抜頭によるコンポジション」という、1961年の作品から始まります。日本の音素材を使った曲なのですが、最近聴いたばかりのチェレプニンのピアノ協奏曲第4番と、精神的に非常に近いものを感じてしまいました。時代的に、片岡さんも、チェレプニンに影響を受けていた可能性はなくはないかも。ただ、祭囃子のような音楽で安直に盛り上げるのは、この頃の作曲家の悪い癖。
 この前合唱を聴いた時に、この青年文化センターのコンサートホールの音が、震災前と変わっていたように感じたのですが、今回オケを聴いてみても、やはり同じような印象を受けました。ここで仙台フィルは何度も聴いているのですが、こんなにキレの良い音で聴こえたことはなかったような気がします。
 次が、クライストチャーチの、やはりご当地作曲家、クリス・クリー・ブラウンという人の、こちらはまだ新しい「アイススケープ」です。パンフレットにはしっかり「南極がモチーフ」と書いてあるのに、指揮者がわざわざ始まる前に「ナンキョク!」と叫んでいたのは興ざめ。でも、このオケが演奏を始めると、音の「格」が仙台フィルとはまるで違うことが分かります。考えてみたら、このホールで外国のオーケストラを聴いたのは初めてなのではないでしょうか。木管のソロは、どんな時にでもきっちり聴こえてきます。金管は、締りのある音でホール全体を満たしてくれます。弦楽器も、特にコントラバスなど、存在感がまるで別物ですよ。この企画、仙台フィルにとっては残酷なことになってしまいましたね。
 フルートの首席はアンソニー・ファーナーという人。調べてみたら、やはりただものではありませんでした。イギリスでワイやベネットに学んでいるのですね。ゴールウェイのレッスンも受けているとか、どうりで、あの怪物のような音も納得です。
 最後のチャイコフスキーの交響曲第5番は、「合同演奏」です。あの狭いステージで「合同」って、どうするのだろうと思ったら、弦は1プルト増やしただけ、それぞれのプルトに仙台とクライストチャーチが仲良く並ぶという配置でした。管は首席がクライスト、2番が仙台という、ありがたいシーティングです。ホルンの1番はちょっと、でしたが。指揮者が出てきても3番フルートがまだ座っていないという「事故」があったりしましたが、演奏は大いに盛り上がりましたね。なんたって、1楽章の終わりで盛大な拍手が起こるのですから。このステージでは、クライストの降り番のメンバーが客席に来ていたので、お客さんも増えていましたし。
 ニューフィルだって、「被災地のオーケストラ」です。だいぶ前に、それで取材に来ていた朝日新聞に、やっと記事が載りました。こちらです。お分かりのように、これは全国版、日本中の人が、この写真を見たことになります。記事は、最初の方だけにちょこっとあるだけなので、拍子抜けですが。
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by jurassic_oyaji | 2011-10-05 23:03 | 禁断 | Comments(0)