おやぢの部屋2
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ORFF/Carmina Burana
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Gundla Janowitz(Sop), Gerhard Stolze(Ten)
Dietrich Fischer-Dieskau(Bar)
Eugen Jochum/
Schöneburger Sängerknaben
Chor und Orchester der Deutschen Oper Berlin
DG/UCGG-9030(single layer SACD)




1967年に録音された名盤、ヨッフム指揮の「カルミナ・ブラーナ」がシングル・レイヤーSACDになりました。ヨッフムはよっぽどこの曲が好きだったようで、1952年にもやはりDGにこの曲を録音していましたね。しかし、そちらは合唱がなんとも生ぬるく、こちらのような切迫感のまるでないものでした。もちろんモノラルですし。
このステレオ録音は、あいにくオリジナルのLPでは聴いたことはありません。聴いていたのは1995年に出た「オリジナルス」のCDです。勢いのある録音ですがあまり繊細さは感じられないという印象がありました。まあ、昔の録音ですから、こんなもんだろう、と納得していたのですね。しかし、今回のSACDを聴いて、そんなイメージは完全に覆されてしまいましたよ。
実は、先日の「デッカ・サウンド」のLPを聴いて、明らかにSACDが負けていたところがあったので、この際だからと、思い切って新しいSACDプレーヤーを購入してしまったのですよ。今までの機種はDENONDCD-1500AEという中級機だったのですが、それの2ランク上、価格では4倍以上のDCD-SA11が希望小売価格の4割引で売られていたので、つい・・・。しかし、それだけの投資の効果は歴然たるものでした。旧機でもそれなりに満足していたのですが、新機で同じものを聴いてみると、さらに立体感は増し、より繊細な音に変わっていることがはっきり分かるのですからね。このぐらいのものにして、初めてLPと対等に渡り合えるのだな、と、いまさらながらアナログ録音のすごさに気づかされるのでした。
そんな機械で、心行くまでCDSACDの聴き比べです。それはもう、面白いほど違いが分かってしまう、ある意味残酷な評価でもありました。なにしろ、音像の現れ方がまるで違います。CDでは、すべての楽器や歌手たちがべったりと粘度の高いオイルのようなもので固められているような感じが常に付いて回ります。それがSACDになると、まるで溶剤で洗い流したように、すべての音がくっきり本来の姿を現してきます。どんなにやかましいトゥッティの中でも、個々の音がはっきり際立って聴こえてくるのですよ。
そして、そんな「個々の音」には、それぞれのキャラクターがしっかり「肌触り」として感じられるようになります。特に違いが顕著なのが、たとえば9曲目「Reie」に出てくる、弱音器をつけたヴァイオリンの感触です。この柔らかな繊細さは、まさにSACDならではのものです。
そういう音で聴いていると、それぞれのシーンでの音楽の質までも異なって聴こえてくるから不思議です。6曲目、オーケストラだけの「Tanz」では、冒頭のトゥッティで、とても重心の低い安定した響きが味わえます。そして、お目当てのフルート・ソロでは、倍音まで、はるかに豊かに乗っているのが分かります。バックのティンパニとの距離感もくっきりと感じられることでしょう。それが終わって金管が入ってくると、それこそ「デッカ・サウンド」のような豊穣さが込められていることにも気づきます。
もちろん、これは声楽パートにこそ、はっきりした違いとなって表れるものです。冒頭の合唱、これがヨッフムの前の録音と最も違っているところですが、まるで「語る」ように歌われる時のリアリティと言ったら。まるで、合唱団員全員の口の動きが分かるほどの生々しさですよ。フィッシャー・ディースカウのソロが始まる4曲目「Omnia Sol temperat」の、なんとセクシーなことでしょう。節が変わるごとに微妙に表情が変わっていくさまも、手に取るように分かります。16曲目「Dies, nox et omnia」での高音では、彼はファルセットを使っていないことにも、今回初めて気づきました。ヤノヴィッツが披露する23曲目「Dulcissime」でのハイDも、ここでは余裕を持って再生できてますし。
こんな風に、勇気を持って新しいパートナーと次の段階へ進むと、それだけ喜びも増す、ということでしょうか。

SACD Artwork © Deutsch Grammophon GmbH
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by jurassic_oyaji | 2011-10-26 21:46 | 合唱 | Comments(1)
Commented by 匿名 at 2014-04-11 22:17 x
各曲の歌詞はラテン語(一部中世ドイツ語が混ざってる)で書かれてるので、なんて書いてあるのかわかんない。ましてや各曲のタイトルもそう。だからこれらに日本語訳が載せられてると大変ありがたい。だから『カリーナ・ブラーナ』は絶対に国内盤を買うべき。輸入版は日本語訳が付いてないのでチンプンカンプン。それと、この曲に関してみんなヨッフム盤の評判が高いが、それじゃあ、デュトワ盤を買ってしまった俺の立場はどーなるんだ!?べつにヨッフム盤でなくても著名な指揮者で著名なオーケストラの奴だったら何でもいいと思うけどな(もっとも、変な指揮者で変なオーケストラの奴なら多少気が引けてしまうが)。