おやぢの部屋2
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BERLIOZ/Grand Messe des Morts
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Robert Murray(ten)
Paul McCreesh/
Gabrieli Consort, Gabrieli Players
Chetham's School of Misic Symphonic Brass Ensemble
Wroclaw Philharmonic Orchestra & Choir
SIGNUM/SIGCD 280




「マクリーシュがシグナムに移籍!」などと大げさに日本語の帯に書かれていましたが、たしかにこの大物アーティストが、今まで「専属」だったメジャー・レーベルのARCHIVつまりDGから、マイナー・レーベルのSIGNUMに移ったというのは、一つの事件ではあります。ただ、今の世の中ではもはやこのような人をメジャーでは必要としていないというのが「流行」ですから、実はそんなに騒ぎたてるほどのものではないのですね。
ポーランドの南西部の都市ヴロツワフでは、毎年9月ごろに「ヴラティスラヴィア・カンタンス」という音楽祭が開催されています。なんでも、その音楽祭の芸術監督をマクリーシュが務めていて、昨年からこの街で、マクリーシュが自分の仲間である「ガブリエリ」のメンバーと、ご当地の音楽家を共演させて、大規模な宗教曲を演奏するという、いわばマクリーシュとヴロツワフとのコラボレーションをスタートさせたのだそうです。そこで、この2つの名前の頭文字「M」と「W」を、ひっくり返せば同じものになると考えて合体させた、こんなけったいなロゴまで作ってしまいました。
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昨年2010年の9月の第1回目のコンサートでは、イギリスのブラスバンドまで呼びよせて、ベルリオーズの「死者のための大ミサ曲(レクイエム)」を演奏、その時のライブ録音が、このCDです。このコンセプトに合わせて、ブックレットまで真ん中で上下逆になっているのですから、笑えます。ちなみに、2011年にはメンデルスゾーンの「エリア」が演奏されていますから、そのうちこれと同じようなCDが出てくることでしょう。
ただ、この立派なブックレットには、その音楽祭関係のクレジットはあるものの、レーベルの表記は、品番も含めて一切ありません。バーコードが「背表紙」についているだけ、ま、それは別になくてもかまわない情報ですが、CDのトラックリストがどこを探しても見当たらない、というのは大問題です。というか、そんなものは「欠陥商品」以外の何物でもありません。しっかり、載せておかねば(それは「ブラックリスト」)。奇抜なアイディアの陰にこんなとんでもないミスがあるのは、デザイナーの奢りでしょうね。
その分、メンバー表だけは思い切り充実しています。なんせ、400人を超えるという演奏メンバーがすべて掲載されているのですからね。写真を見ると、合唱などは10段になって並んでいます。それと、これはベルリオーズの指定だったのでしょうか、弦楽器が、ヴァイオリンとヴィオラの後にチェロが横に広がって並んでいて、さらにその後ろにコントラバス(全部で18人)が左右に別れて配置されているのですね。さらに、別のところには4群の金管バンダと、夥しい数のティンパニが並びます。「マタイ」ではたった36人のメンバーで演奏していたのと同じ人がこんな大編成なんて不思議な気もしますが、「実際に演奏された当時と同じもの」というコンセプトでは、しっかり共通しています。彼の信念がブレていることはありません。金管楽器の中にはしっかり「オフィクレイド」奏者が4人も入っていますし。
こんな巨大な音源が残響の多い石造りのゴシック教会の中で演奏するのですから、そもそも音響的にはまともな録音など期待できません。SIGNUMレーベルではお馴染みの「クラシック・サウンド」のスタッフも、最初から腰が引けているのがミエミエ、音がすっかり団子状態になってしまっています。最大音量の「Tuba mirum」の部分では、ティンパニの猛打にかき消されて、他のパートが何をやっているのかは全然分かりませんよ。ですから、そんな中で時折聞こえてくるア・カペラの合唱が、いかにも爽やかな安堵感を与えてくれます。この合唱、とてもこんな人数とは思えないようなピュアな響きを出しているのは、驚異的です。喧噪も一段落した2枚目からは、テノールのマーレイともども、美しい瞬間が何度も訪れます。

CD Artwork © Wratislavia Cantans
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by jurassic_oyaji | 2011-11-13 22:40 | 合唱 | Comments(0)