おやぢの部屋2
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HOLST/The Planets, WILLIAMS/Star Wars Suite
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Zubin Mehta/
Los Angeles Master Chorale
Los Angeles Philharmonic Orchestra
DECCA/478 3358




「宇宙」をあらわす時にシュトラウスの「ツァラトゥストラ」のファンファーレを使うのはもうすっかり常套手段になっています。これはもちろんスタンリー・キューブリックの「2001年」のサントラ(だけ)がすっかり浸透したおかげなのでしょう。最近ではもう一人の「シュトラウス」のワルツ「青きドナウ」までも、やはりこの映画のせいでちゃっかり「宇宙」のイメージを持つ曲の仲間入りを果たしてしまったようですね。最初に映画でこのシーンの音楽を聴いた時には「なんとミスマッチ、どなうことか」と思ったものですが、月日を重ねた刷りこみというのは恐ろしいものです。クラシック音楽は、こんなところから「身近」に感じられるようになるものなのでしょう。
それから10年経って作られたジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」の音楽は、「2001年」とは別の意味で「クラシック音楽」とのかかわりを示していました。ジョン・ウィリアムズがこの映画のために書き上げたスコアは、それまでの映画音楽とは全く異なる、まさに「クラシック音楽」風の「シンフォニック」な響きを持っていたのです。いや、正確には「それまで」以前、20世紀半ばごろまではハリウッドでは確かに鳴り響いていたはずの、エーリッヒ・コルンゴルトなどによってヨーロッパからもたらされたロマン派の薫り高い「クラシック音楽」風の映画音楽が、この映画によって再びサウンドトラックの第一線に躍り出た、と言うべきなのかもしれません。
そんな、クラシック度満載の映画音楽を、さらにグレードアップして本物の「クラシック音楽」にしてしまったのが、ズービン・メータの依頼によって、当時の彼の手兵LAフィルが演奏するために再構築されたこの「スター・ウォーズ組曲」です。それは、映画が公開されたのと同じ1977年に、DECCAのエンジニア、ジェームズ・ロックによって、まさに「デッカ・サウンド」そのものの「クラシック音楽」として録音されました。
CD時代に入ると、この組曲は、同じ「宇宙」を扱った正真正銘の「クラシック音楽」である、ホルストの「惑星」(これは「究極の名録音」を集めた本の中でも取り上げられた、やはりジェームズ・ロックが1971年に行った名録音です)とのカップリングでリリースされるようになりました。
そして、今回、一連のユニバーサルのバジェット・シリーズの一環として、このカップリングがリイシューされた時には、「スター・ウォーズ組曲」からは、メータたちのオーケストラの演奏ではなかったバンド・ナンバーがカットされていました。これにより、アルバム全体としてはより「クラシック度」が上がった結果、この2曲がまるでひと固まりの組曲として作られたかのように思えてしまうようになっていました。演奏されているのは「惑星」の方が先ですから、「海王星」の後半に登場する神秘的な合唱が見せる、まさに絶妙のフェイド・アウト(もちろん、これは録音エンジニアの功績です)は、「スター・ウォーズ」のファンファーレを呼びだす、まさに「必然」として感じられてしまうのですね。さらに注意深く聴けば、その「メイン・タイトル」の途中には「火星」のエンディングと全く同じ音楽が現れることに気づくはずですし、続く「レイア姫のテーマ」冒頭のホルン・ソロは、「金星」の冒頭の雰囲気に酷似していることにも、やはり気づくことでしょう。
もちろん、ここで言う「スター・ウォーズ」とは、今では「エピソード4」として知られている、このシリーズの第1作のことです。したがって、「帝国のテーマ」とも言われる「ダース・ベイダーのテーマ」は出ては来ません。これは非常に残念なことです。このテーマが入っていさえすれば、その、まさに「火星」の冒頭のような音楽によって、「惑星」との密着度はより上がったことでしょうに。

CD Artwork © Decca Music Group Limited
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by jurassic_oyaji | 2011-11-29 23:20 | オーケストラ | Comments(0)