おやぢの部屋2
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合唱団エピス
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 愚妻の入ってる合唱団の定期演奏会に行ってきました。去年も今頃やっていたのですが、それが終わってからあの地震が来たので、とりあえずスケジュール通りの定期が開けたようです。まあ、合唱団の場合は大体1年に1回の定期なので、こんな風にうまくいくこともあります。
 わりと早く着いたら、ホールの客席はまばらだったので、隣の席にコートや荷物をおいても大丈夫だろうと思ったのですが、開演間近になってかなり混んできたので、やはりここはみんなに座ってもらおうと荷物を膝の上に移動したら、ちょうど席を探していた運のいい年配の人が、「空いてますか?」とか言って、さっそく座りました。ところが、その人は運が良かったかもしれませんが、私にとってはとんでもない不運だったことに、しばらくすると気が付くことになります。その人は、ちょっと問題のある人のようで、一時もじっとしていないのですね。最初のア・カペラの静かな宗教曲が演奏されている間中、パンフレットに挟まっているチラシを出したり入れたり揃えたりしているのですから、全然集中して聴いていられませんよ。睨みつけても平気な顔をしてますし。
 実は、愚妻に頼まれて、M-10で録音をしていたのですね。ああいう紙をガサガサやる音はとてもマイクに乗りやすいので、気が気ではありません。きっとあとで「この音、なによ」ぐらいの文句は言われてしまいそう。
 しかし、最後のプログラム、フォーレの「レクイエム」が始まったら、もうそんな「雑音」は全く気にならなくなってしまいました。この合唱団は数年前にも同じ曲を演奏していて、それも聴いたことがあるのですが、その時とは伴奏の編成が違っていました。前は弦楽合奏がついたのですが、今回は小さなポジティヴ・オルガンだけです。そんな「薄い」伴奏ですから、ほとんどア・カペラのような感じで合唱が聴こえてくるのですが、その最初の「Requiem aeternam...」というd-mollの響きを聴いた時に、涙が出そうになるほどの衝撃が走ったのですよ。なんという慈しみに満ちた合唱なのでしょう。「彼らに、永遠の安息を与えたまえ」という歌詞そのままに、とても優しく包み込むような響きが、もろに私の弱いところを直撃したのですね。これですよ。これ。「上を向いて歩こう」みたいな偽善的な「応援ソング」からは決して受けることのない深い衝撃、普遍的な意味の「安息」が与えられるような、重みのある響きを、そこに感じたのですね。これは、まさに震災を経験した人でなければ歌えない、そして、同時に、震災を受けた人でなければ、もしかしたら感じることのできないメッセージだったのかもしれません。
 これは、最後から2番目の曲「Libera me」でも再現されます。なぜ、フォーレが全く同じことを繰り返したのか、それがはっきり分かった瞬間でした。そして、最後の「In Paradisum」の一番最後も、やはり「Requiem」で終わります。その最後の音は、まるで永遠に続くかのように長く伸ばされていました。もう、涙が止まりませんでした。
 そんな時に、隣のじじいは、なんだかいびきをかきながらいい気持ちで居眠りをしていましたね。このいびきも、やっぱりしっかり録音されているのでしょう。アンコールでは、とても素敵な編曲(信長さん)の「ふるさと」が演奏されました。指揮者が「1番の歌詞だけ、ご一緒に歌ってください」と言ったのですが、私はすぐ前で録音しているのでご遠慮させてもらおうかな、と思っていると、となりのじじいはいきなり大声で歌い始めましたよ。しかも、指揮者が言ったことを聴いていなかったのか、2番になっても、相変わらず調子っぱずれの声で一人だけで歌い続けています。もう録音は台無しです。
 さっき聴いてみたら、その「2番」のところのおかしいこと。腹を抱えて笑ってしまいましたよ。涙と笑いは、紙一重です。
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by jurassic_oyaji | 2012-02-19 20:40 | 禁断 | Comments(0)