おやぢの部屋2
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BEETHOVEN/Symphony No.9
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Erin Wall(Sop), 藤村実穂子(MS)
Simon O'Neill(Ten), Mikhail Petrenko(Bas)
Kent Nagano/
OSM Chorus, Tafelmusik Chamber Choir(by Ivars Taurins)
Orchestre Symphonique de Montréal
SONY/88691919442




2002年にシャルル・デュトワが去った後のモントリオール交響楽団は、やや低迷を続けていたかに見えました。しかし、2006年にケント・ナガノを音楽監督に迎えてからは、新たな黄金期を迎えようとしています。その象徴的な出来事が、彼らのホームグラウンドであるコンサートホールの建設です。この世界的な不況の中、その様な大規模なプロジェクトは難しいオーケストラ界にあって(日本のオーサカ市では、新しい市長が就任してから、オーケストラの活動、いや、文化事業そのものへの援助が軒並み打ち切られて、オーサワギになってます)このカリスマ指揮者は、「メゾン・サンフォニク・ド・モンレアル」という、客席数2100の理想的な音楽ホールを、いともたやすく造らせてしまったのです。このCDは、昨年9月に行われたこけら落としのコンサートのライブ録音です。
ブックレットの写真では、それは見るからに音の良さそうな形をしています。いわゆる「シューボックス」タイプで、天井がかなり高く、3層のバルコニーがステージにまで伸びています。もちろん、ステージの後ろには大きなパイプオルガンが設置されていますよ。その前方の客席に、合唱団がいます。おそらく、このコンサートの模様はテレビで放送されたのでしょう、バルコニーにはクレーン・カメラが上手と下手に1台ずつ置かれています。
ただ、録音用のマイクなどは、天井からの数本のメイン・マイクしか確認できません。実際に音を聴いてみると、やはり、細部があまりくっきりとは聞こえてこない、おおざっぱな音でした(特に木管)。それと、この形のホールですから、かなりの残響があるようで、それもこのシンプルなマイク・アレンジによってそのまま伝わってきます。客席のノイズなどもかなりやかましく聴こえますから、リハーサルではなく本番のテイクが主に使われているのでしょう、最近の、きれいに仕上げたいわゆる「ライブ録音」とは一味違った正真正銘のライブ感も味わえます。演奏終了後の拍手もしっかり収録されていますし。
ナガノのベートーヴェンは、今回が初めての体験です。今までのブルックナーの録音などを聴いてきた限りでは、とても精緻な演奏という印象がありましたが、ベートーヴェンではどのようなものを聴かせてくれるのでしょう。
まず、冒頭の、それこそブルックナーのような六連符に乗って奏されるファースト・ヴァイオリンのテーマが、まるでオリジナル楽器のようなくっきりした味わいを持っていたことに驚かされます。ノン・ビブラートにもかかわらず、主張のある響き、それだけで彼のベートーヴェン象の全体がはっきり示されたような思いにさせられてしまいます。案の定、そこから繰り広げられるこの曲には、ロマンティックのかけらもない颯爽とした姿がありました。テンポもかなり速め、第2楽章などは、モダン・オーケストラの限界とも思えるほどの速さです。第3楽章も、テンポはそれほど速くはありませんが、べたべたした情感は一切ありません。終楽章はなんだかあっという間に終わってしまったような気がします。マーチなどはあまりに速すぎるのでオニールはとてもついていけてませんでしたね。普段はほとんど聴こえて来ないメゾ・ソプラノのパートがかなりはっきり聴こえたのは、さすが藤村さんです。合唱も、聴くに値するものでしたが、木管同様、奥に引っ込んでしまった録音バランスだったのが惜しまれます。
楽譜に関しては、最近の原典版による訂正をきちんと考慮した上での、既存版の使用だったようです。ただ、新機軸として今までにリリースされたベートーヴェンと同様、なにかテキストによる注釈のようなものが入っていますが、こういう押し付けは、正直苦手です。

CD Artwork © Sony Music Entertainment
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by jurassic_oyaji | 2012-03-14 21:46 | オーケストラ | Comments(2)
Commented by 藤村実穂子 at 2012-03-15 20:57 x
字が違います。訂正ください。本人より。
Commented by jurassic_oyaji at 2012-03-16 00:11
藤村実穂子さま。
大変失礼いたしました。