おやぢの部屋2
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LLOID WEBBER/Love Never Dies
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Ben Lewis(Phantom)
Anna O'Byrne(Christine)
Simon Gleeson(Raoul)
UNIVERSAL/GNXF-1432(BD)




先ごろ「25周年」を迎え、その記念公演も華々しく行われたアンドリュー・ロイド=ウェッバーの「オペラ座の怪人」の「続編」が出来たのだそうです。「オペラ座の怪人2」ではあまりに芸がないのか、「ラヴ・ネバー・ダイズ」という、納豆みたいな(それは「ネバネバ大豆」)タイトルになりました。
ロンドンで初演されたのは2010年、その時にはラミン・カリムルーとシエラ・ボッゲスという、その「25周年」の時の最強コンビがキャスティングされていました。しかし、今回収録されたのは、その翌年、オーストラリアで行われた公演の模様だったのには、ちょっとがっかりです。
いや、失望したのはキャストだけではありませんでした。それは、物語の設定から音楽まで、すべてに於いてあの名作には到底及ばないお粗末なものだったのです。
時代は、前作の10年後、「あの事件」の後、ラウルと結婚したクリスティーヌには、一人の男の子がいました。しかし、彼女の結婚生活は必ずしも幸せなものではありませんでした。ラウルはギャンブルで多額の借金を抱えていますし、なによりも息子があまり自分になついていないことにいら立ちを覚えています。そんな時、クリスティーヌにニューヨークのオペラハウスから、高額のギャラでの出演依頼が舞い込みます。破産を免れるためには他に道はないと、3人はニューヨークへ向かうのでした。
ところが、それは愛する人をラウルに奪われてしまったファントムの罠だったのです。ファントムは前作では死んではおらず、密かにマダム・ジリー親子の手引きでアメリカに渡り、今では見せ物小屋の館主として大成功を収めていたのでした。しかし、彼の創作の源はクリスティーヌ、なんとか、一目彼女に会ってその歌を聴きたい、という切ない思いを持ち続けていたのです。
しかし、彼はクリスティーヌの息子のグスタフに会うと、その音楽的な才能に驚くとともに、ある疑惑が頭をもたげます。それに答えるクリスティーヌの衝撃の告白、グスタフこそは、ファントムと交わった一夜(そんなこと、ありましたっけ?)に授かった子供だったのです。
とまあ、なんとも低次元の話が進んでいくわけです。しかし、これで驚いていてはいけません。この先にはさらに衝撃のエンディングが待っているのですからね。
もちろん、例えば「マンマ・ミーア!」のように、本当にどうしようもないストーリーのミュージカルはいくらでもありますし、オペラに至っては「魔笛」にしても、あの超大作「指環」にしても、とても普通の感覚ではついていけないものばかりですから、それほど気にすることはありません。
ただ、物語の背景となる部分の設定が、前作とは極端に異なっていることに関しては、ミュージカルとしての楽しみがかなり損なわれているのでは、という危惧があります。これは、ボーナス・トラックのインタビューで作曲者自身が「敢えて前作とは全く違う設定にした」と語っていますから、しっかりとしたコンセプトに基づくものではあったのですが、それにしても「オペラ座」から「見せ物小屋」への没落は、あまりにも落差が大き過ぎます。というより、正直このあたりのグロテスクな趣味(もちろん、キャスティングも含めて)に付いていくにはかなりの忍耐が必要になってきます。
そして、決定的なのが、音楽のつまらなさです。ロイド=ウェッバーの魅力はキャッチーなメロディ、どんな作品にでも、一度聴いただけで虜になってしまうとびっきりのナンバーがあったはずなのに、ここではそれが見あたらないのです。確かに、そこそこ盛り上がる部分はありますが、それはなにか「二番煎じ」としか感じられないものでした。
本編を凌ぐ「2」が作られることは極めて希です。ロイド=ウェッバーの才能を持ってしても、それは成し遂げられることはありませんでした。いや、そもそも才能の「枯渇」?

BD Artwork © Really Useful Group Limited
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by jurassic_oyaji | 2012-03-16 20:34 | オペラ | Comments(0)