おやぢの部屋2
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GOLIJOV/La Pasión según San Marcos
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Vocalists
María Guinand/
Schola Cantorum Venezuela
Orquesta La Pasión
Members of the Simón Bolívar Youth Orchestra
DG/00289 479 0346




最近の再発CDの中には、きっちりとテーマが設定されているシリーズも有ります。今回
UNIVERSALDGDECCA)から10のタイトルがリリースされたのは、「20C」というシリーズでした。何のことはない、「20世紀」というだけの話なのですが、文字通り1905年に作られたドビュッシーの「海」から、まさに世紀末、2000年に作られたオスヴァルド・ゴリホフの「マルコ受難曲」までのラインナップです。中にはスティーヴ・ライヒの「ドラミング」なども入ってますよ。信じられないことですが、この曲の初録音はDGで行われたのでした。
この「マルコ」は、2000年のバッハ没後250年の際にヘルムート・リリンクとシュトゥットガルト・バッハ・アカデミーが「記念」として様々な文化圏の作曲家に委嘱した4つの「受難曲」のうちの一つで、他の3曲同様シュトゥットガルトでの初演のライブ録音がHÄNSSLERから出ていました(譚盾の「マタイ」だけはSONY)。もちろん、いくらライセンス販売が横行しているとしても、そんな音源がDGから出るわけはありません。これは2007年にヴェネズエラのカラカスで新たに録音されたものです。フルプライスのCDDVD付き)は2010年に出たばかり、それがこんなに早く「型落ち」してくれるのですからありがたいものですね。
ジャケットには「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ」の名前があったので、てっきりあのドゥダメルが指揮をしているのだと思ってしまったのですが、よくよく見てみると指揮者は初演の時と同じマリア・グイナンドでした。何度も録音できていいですね。確かに、この作品の場合はいくらラテン・アメリカ出身のドゥダメルでも、指揮をするのはちょっと無理かもしれませんね。初演盤のレビューはこちらにありますが、90%は「ラテン音楽」で作られているこの「受難曲」を束ねるには、「クラシック」とは別のスキルが不可欠でしょうから。
一応、録音データは2007年1月となっているのですが、そのほかにも同じ会場で2008年の11月、さらには2008年の11月から12月にかけては、ボストンのスタジオでもセッションがもたれているようです。ですから、これは初演のような完全なライブ録音ではなく、セッション録音がメインになっているのでしょう。初演盤との最大の違いは、そんな作られ方による録音の違い、楽器や合唱のバランスが、全く別物になっています。7曲目、「ベタニアの注油」でメインとなって聴こえてくるキレの良いピアノは、初演盤ではほとんど聴こえてこなかったため、まるで別の音楽のように感じられてしまいます。ソリストも、その次の8曲目の「なぜ?」などでのビエラ・ダ・コスタは初演盤のルシアナ・ソーサよりも、個人的には魅力的です。
しかし、初演盤には確かにあったはずのコーラスのひたむきさが、今回の録音にはあまり見らません。何か、細かい表情にこだわり過ぎて、肝心のグルーヴが生まれていないのですね。結局、ゴリホフのファンであれば、できれば両方を揃えてそれぞれの味わいを堪能するのが、一番なのではないでしょうか。
ところで、今回の発売に合わせてネットに登場したインフォを見たら、とんでもない文章が載っていたのには驚いてしまいました。いや、文章自体には何の問題もないのですがね。まあ、実際にこれを読んでみてください。同じものはこちらでも見られます。
どうです。これって、さっきの10年前の「おやぢの部屋」にある初演盤のレビューの完全なコピペでしょう?出来合いの文章を出典を明らかにせず丸ごと盗むなんて、ユニバーサルのインフォ担当者は、なんとも薄汚い仕事をしていたものです。いや、そもそも、代理店のインフォなんて、この程度のものなのかもしれません。あきれるほどの意識の低さ、彼らはもはやCDを、いや「音楽」そのものを「文化」とは考えられなくなっているのでしょう。

CD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH
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by jurassic_oyaji | 2012-06-14 20:31 | 合唱 | Comments(4)
Commented by ななしのごんべい at 2012-06-14 22:37 x
これはちょっとひどいですね。
卑しくも代理店の「プロ」が(大変失礼ながら)「アマチュア(セミプロ?)」の文章を盗んで恥ずかしくないのでしょうか。
そもそも自らを「プロ」と思っていないのかもしれません。
Commented by jurassic_oyaji at 2012-06-14 23:41
こういう新譜のコメントなどは、年間600本も書いているという、それこそ「プロ」がいるのだそうです。当然、クオリティは落ちますよね。人名表記などもデタラメですから、ひどいものです。
Commented by choruscabinet at 2012-06-15 22:50 x
「型落ち」でCDが安く手に入るのは確かに良いことですが・・・
このディスクに限って言うと、CD本体よりDVDの価値の方が高いので、DVD付きのものをお奨めしたいです。CD部分の演奏は、おっしゃるとおり初演盤の方が良いと思います。
Commented by jurassic_oyaji at 2012-06-15 23:45
そうなんですよね。
これは、ぜひ映像で見てみたいものです。