おやぢの部屋2
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BIZET/Carmen
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Magdalena Kozená(Carmen)
Jonas Kaufmann(Don José)
Simon Rattle/
Chor & Kinderchor der Deutschen Staatsoper Berlin
Berliner Philharmoniker
EMI/TOGE-11094・95(hybrid SACD)




話題の、ラトルの「カルメン」は、輸入盤は普通のCDなのに、なぜか国内盤だけSACDで発売されています。輸入盤でSACDが出る見込みはまずないようなので、べらぼうな価格設定ですが国内盤を買うしかありません。まあ特典映像のDVDがおまけについていますから、許すとしましょうか。
現物を手にしてみると、「特典」はもう一つありました。もはや国内盤CDは、こんなことをしないと売れないようになってしまったようですね。総選挙の投票券とかね。それは、商品についているシールを送ると、抽選で今年のベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートのチケットが当たる、というものでした。でも、どこを読んでも「チケット」とだけしか書いてありませんから、ベルリンまでの旅費と宿泊費は当たった人が負担しろ、ということなのでしょう。ありがたくもなんともありませんね。もっと不可解なのは、シールにはもう1枚、ブルックナーの「第9」も買わないと応募はできないようなことが書いてあるのに、帯の裏の要綱ではそんなことは何も書いてありません。要するに、やる気がないのですね。もしかしたら、これは当たった本人にしか結果はわからないので、誰にも当たることはないのかもしれません。ほんとに、今のCD業界はひどいことになっているようです。
この「カルメン」のプロダクションは、今年のザルツブルク・イースター音楽祭で上演されたものです。それをベルリンでコンサート形式で上演したものが、今回のSACDに収められています。しかし、ブックレットにはザルツブルクでのステージの写真がたくさん載っていたので、てっきりこの映像が見られるのだな、と期待に胸を膨らませてDVDをスタートさせてみると、そこに映っていたのはベルリンでのコンサートの映像ではありませんか。これはベルリン・フィルがネット配信しているものと同じですから、別に「特典」でも何でもありません。
その映像を見てみると、なんだかコンサート・マスターが全然知らない人になっていました。いつの間にか新しい人が入ったのでしょうか。と思っていると、セカンド・ヴァイオリンのトップサイドに、樫本さんがかしこまって座っているではありませんか。なんでコンマスなのにセカンドに、と思ってよく見てみると、このコンサートではファーストとセカンドの位置が入れ替わっていたのですよ。つまり、下手の一番客席寄りがセカンド、その後ろがファーストという、不思議な配置になっていたのです。
これは、実はピットでよく用いられる並び方です。ウィーンのシュターツオーパーなどでは、常にこの形で並んでいます。ファーストが前にいると、ピットの壁で音が遮断されてしまうために、少し壁から離れたところにいて音をきちんと届けよう、という配慮なのですね。しかし、ベルリンのフィルハーモニーのステージにはそんな「壁」なんてありませんから、この並び方はちょっと意味不明、単にピットでの並び方を変えたくなかっただけなのかもしれませんね。
そんな、がっかりさせられるようなことばかりでしたが、SACDの音は素晴らしいものがありました。CDで聴いただけでは分からなかったことですが、最近のEMIの録音もかなりのクオリティに達していたのですね。そんないい音で聴くときには、耳はほとんどオーケストラの方に行ってしまいます。オペラにはあるまじき隅々まで配慮の行き届いた演奏です。
これだけの立派なオーケストラをバックに歌手たちものびのびと歌っています。ザルツブルクでのコジェナーは、ほとんどスキャンダルと言えるほどのひどさだったようですが、コンサートとして聴く分にはなかなか味があります。ただ、カウフマンが熱く歌っているのに比べると、彼女の周りの空気だけは明らかに温度が低くなっているのがわかります。やはりステージでこれをやられてしまっては、ブーイングが飛び交うのは当たり前でしょう。

SACD Artwork © EMI Records Ltd.
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by jurassic_oyaji | 2012-08-23 20:51 | オペラ | Comments(0)