おやぢの部屋2
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鍵泥棒のメソッド
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 この間達郎のライブ映画を見に行った時には、当たり前ですが本編が始まる前に「予告編」が上映されていました。コンサートの前に映画の案内なんて、ミスマッチの極みですが、まあ「オープニング・アクト」だと思って我慢しましょう。「予告編」とは言わないで「トレーラー」とか言ってみれば、少しはまぎれるかもしれません。
 そんな中で、これだったらちょっと見てみたいな、と思ったのがこの「鍵泥棒のメソッド」です。予告編、いや、トレーラーですから実際のストーリーをあえて誤解させるような作られ方をしているのは十分承知の上で、なんか面白そうだったんですね。広末涼子が香川照之に「結婚してください」なんて言うんですから、それだけですごいインパクトですよ。あと、銭湯で石鹸をふんづけて派手に飛びあがる(CGでしょうか)シーンなんかも、しっかり作り込んであるな、という気がしましたし。
 いや、でも最大の理由は、広末涼子が出ていたからなんですけどね。なんか、最近の彼女はちょっと目が離せないな、という気がしていますので(いや、ただのファンだというだけなのですが)。
 それで、きのうまるまる1日フリーになっていたので、MOVIX仙台まで見に行ってきました。まだ公開して二日目ですから、結構お客さんは入っていましたね。さすがに達郎ほどではありませんが、真ん中から後のブロックはほぼ満員でしたからね。しかし、やはりこのシネコンの音は、新宿の「バルト9」の音を聴いてしまうと、ガッカリしてしまいますね。プロジェクターの光量も、なんだか足りないような気がしますし。つまり、そう感じてしまったのは、この映画ではいきなり普段聴き慣れたクラシックの音楽が聴こえてきたからです。オープニングは「フィガロ」の序曲、これをバルトで聴きたいな、と思ってしまうぐらいのひどい音でした。次はモーツァルトの有名なハ長調のピアノソナタの第2楽章、さらに、香川照之が運転する車で流れていたのが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番の冒頭と、とことんクラシックが使われているのですね。ベートーヴェンあたりは、この映画全体の重要なモチーフになっていますしね。つまり、単にBGMとしてクラシックを使っているのではなく、その「曲」にしっかりとした意味を持たせているのですよね。
 ただ、正直に告白すると、このベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、最初は私には誰の作品なのかは分かりませんでした。正確な番号などもあとで調べてやっとわかったのですね。エンドロールでクレジットがあるだろうと思ってしっかり見ていたのですが、使われていたクラシックの曲に関しては、なにもありませんでした。外国の映画だったら、絶対にエンドロールで曲目と演奏者のクレジットが流れるはずなのに、なぜなのでしょう。最初はヴァイオリン1本で始まるフーガなのですが、そのテーマがバッハの「音楽の捧げもの」のようにも聴こえるし、フーガの作り方もなんかやたらモダン、これは一体だれの曲なのだろうと真剣に悩んでしまいましたよ。なにしろ、私にとってベートーヴェンの後期のクァルテットと言えば、スメタナ・クァルテットを生で聴いた時に寝てしまったという苦い思い出があるものですから、そもそも、あまり相性が良くないのでしょうね。
 これだけのマニアぶりを見せているのに、最後の方になって、広末が実家の父親のものすごいオーディオで、この曲のLPをかけて(カートリッジは「シュアー」でした)いる時に、「父が好きだった『げんがくよんじゅうそうきょく』」と言わせるようなミスを犯しているのは許せませんが、ストーリーはとても楽しめて、笑えました。なによりも、香川照之が、「芝居を真面目に勉強」してて、広末涼子が「まじめに結婚」したいと思っている、という設定が、笑えます。脚本も書いた内田けんじ監督は天才です。
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by jurassic_oyaji | 2012-09-17 21:33 | 映画 | Comments(0)