おやぢの部屋2
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OPUS/All Time Best 1975-2012
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山下達郎
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山下達郎のベストアルバムが発売になりました。何しろ、彼がデビューしてから37年にわたるアーティスト生活の中から生まれた20枚近くのアルバムの中からのベストですから、大変です。結局CD3枚組、それぞれ70分以上ぎりぎりまでカットして全49曲というラインナップになりました。もちろん、シュガーベイブ時代のものから、レーベルを超えて年代順にまんべんなく選曲されています。
タイトルの「Opus(オーパス)」は、湿布薬ではなく(それは「サロンパス」)おなじみ、「作品」という意味のラテン語ですが、それがこのように集まると複数形で「Opera(オペラ)」になるって、知ってました?
発売日は26日なのに、ネットで注文したら25日には手元に届いてしまいましたよ。とり・みきのジャケットがかわいいですね。これはコンサートのグッズとして売られていた「せんべい」とおなじです。
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このアルバムのプロモーションでは、かなりエグいことまでやっていましたね。彼は毎週日曜日にFMで自分がDJを務める番組を持っているのですが、発売日直前の23日の放送では、このアルバムの「全曲」をオンエアしてましたよ。ほんとに全曲ですよ。もっとも、1曲それぞれ数十秒という「早聴き」でしたけど。さらに、達郎本人が、同じ日の数時間後に放送される連続ドラマ(笑)「あ、安部礼司」にも出演していたのですよ。その回自体が、達郎の曲だけをかけるという見え見えのプロモーション仕様だったのですが、そこに「ヒムセルフ」として、「刈谷勇」から届いたリクエスト葉書を読むという設定です。待望の葉書を読まれて舞い上がる刈谷でしたが、達郎には「きったねえ字だなあ、社会人として恥ずかしいですよ」とか散々バカにされるので、凹んでしまう、という話だったような(車で聴いていたので、あいにく最後までは聴けませんでした)。そんなお遊びにまじめに付き合っていた達郎が、なんか愛おしかったですね。
まあ、そんな商売上のしがらみはいろいろあるのでしょうが、アルバム自体はしっかり手がかけられていて聴きごたえがあります。特に1枚目の、アナログ録音時代のものが、今回の新たなマスタリングで、1997年に出た「Greatest Hits」とは全然違う素晴らしい音になっていたのには、感激です。この中でアメリカで録音された「Windy Lady」は、LPでもさんざん聴いていた曲なので、今回さらに質感が高まって、よりLPに近づいているのがよく分かります。
「クリスマス・イブ」も、間奏のア・カペラ(パッヘルベルそのもの)が、今まではアナログのダビングなので音が濁っていてもしょうがないと思っていましたが、それが見事にクリアになっていたのにも、驚かされました。
そして、達郎の声も、そんな精緻なマスタリングによって、より、当時のままのリアルさが再現されているのでしょう。ほんと、デビュー当時の若々しい声からは、今の伸びやかな声は全く想像できません。まさに、30余年をかけて磨き上げられた声の軌跡が、このベストには刻まれているのです。
注文して買ったぐらいですから「初回限定」のボーナスCDも当然ついてきました。「これから先、決してCD化されないソース」というだけあって、珍品ぞろいですが、その最後には「希望という名の光」のアコースティック・バージョンが入っていました。これは、さっきの達郎の番組が、たまたま今年の3月11日の、ちょうど震災が起こった時間に放送されるということで、特別な構成になっていた中で流されたものです。この番組自体が、まさにかけがえのないものだったのですが、そこで、彼にとっては思い入れのあるこの曲が、余計なものをすべてそぎ落として曲の持つメッセージのみをストレートに伝えていたのには、心を動かされました。それと同じものが、ここでは聴くことができます。その番組、あるいは、震災にまつわる様々なものにリンクされて、このトラックは軽々しく「ボーナス」とは呼べないほどの感動を与えてくれます。

CD Artwork © Warner Music Japan Inc.
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by jurassic_oyaji | 2012-09-26 19:41 | ポップス | Comments(0)