おやぢの部屋2
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リヒターのモーツァルトの録音年代
 きのうの「おやぢ」に書いたことですが、カール・リヒターが指揮をしたモーツァルトの「レクイエム」という「歴史的名盤」では、その録音年代に関して様々な表記がなされているようなのですね。この録音はTELEFUNKENで行われたものなのですが、そのドイツのレコード会社は日本ではキングレコードが出来た時から提携関係にありました。そもそも、キングのマークはTELEFUKNENのマークをもとにして作られたものですし。
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 ですから、もちろんこのリヒターのレコードも日本ではキングレコードから発売されていました。それは、TELEFUKNENがDECCAと提携してTELDECと社名を変えても続きます。しかし、1990年にTELDECはWARNERの傘下に入ってしまったために、日本での提携先もワーナーミュージック・ジャパンに変わりました。「レクイエム」の録音年代の表記が変わったのはこの時です。LPについては資料がありませんが、CDになってからはキング時代の1988年にリリースされたものでは「1961年10月」となっています。それが、ワーナーに変わって1994年に「ドイツ・レクイエム」との2枚組でリリースされた時には「1960年頃」になっていたのですよ。その後、ワーナーからは1995年と2002年に単品でリリースされますが、それはどちらも「1960年」と表記されていました。もちろん、2012年のSACDでも「1960年」です。
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 なぜ、そんなに詳しく発売になった年が分かるかというと、我が家には「レコード芸術」の毎年年末のオマケ「レコード・イヤーブック」が、1981年から2012年までの33年分すべて揃っているのですよ。これがあれば、国内盤に関してはそのリリースがすべてわかるということになっています。まあ実際は必ずしもすべてが載っているわけではありませんし、そもそも国内盤のリリースのデータなどは、なんの役にも立ちませんから、こんなものは貴重でも何でもないのですが、たまにこんな風に役に立つこともあるので、殆ど惰性で集めているだけなのですけどね。
 それで、国内販売元が変わったことによって、録音データまでもが変わってしまったわけですが、これは別に珍しいことではありません。ERATOに録音されたデュリュフレの「レクイエム」の自演版も、RCAからWARNERに変わった時に、年代が変わっていましたからね。まあ、普通はあとで出た方が正しいと考えるべきなのでしょうね。リヒターの場合も、今回のSACDのマルPが1961年になっているので、このリリース年代が正しいとすれば、1961年の10月に録音されたものが1961年に製品になっているのは、ちょっと早すぎるような気はしますし。
 ところが、ちょっと前に出た野中裕さんの「カール・リヒター論」では、録音は「1961年11月」となっているのですね。これでは、とてもその年中にリリースするのは無理です。いったいどれが正しいのか、私にはとてもわかりません。
 この野中さんの本は、買って読むほどのものではないので、駅前の「丸善」で立ち読みをして得たデータです。読んでみると宇野功芳がリヒターの来日の際に書いた文章が載っていたりして、この評論家の愚かさが端的にうかがえる面白いものでした。でも、買いません。買ったのは「音楽作品名事典」(2009年第3版)。
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by jurassic_oyaji | 2012-09-29 21:02 | 禁断 | Comments(0)