おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
WIDOR/Organ Symphonies
c0039487_21425036.jpg


Christian Schmitt(Org)
Stefan Solyom/
Bamberger Symphoniker
CPO/777 678-2(hybrid SACD)




一生涯を教会のオルガニストとして務めるとともに、パリ音楽院の教授にもなったシャルル=マリー・ヴィドールは、「フルートとピアノのための組曲」のような、今ではフルートのレパートリーとしては欠かせないものも作っていますが、やはりオルガンのフィールドでの作品を欠かすことはできません。
オルガンのための有名な作品としては、一群の「Symphonie交響曲」というタイトルのものが有名です。全部で10曲ありますが、「交響曲」とは言っても純粋にオルガン・ソロのために作られたもので、オーケストラの曲ではありません。それぞれ、多くの楽章を持っていますが、それはドイツ音楽のような形式とは無縁の、もっと自由な配列になっています。「第5番」の第5楽章「トッカータ」が、単独でよく演奏されますね。
それとは別に、彼は普通のオーケストラのための「交響曲」も作っているので、話はややこしくなります。しかも、「1番」や「2番」は普通の楽器編成ですが、「3番」になるとオーケストラにオルガンが加わってきます。つまり、「オルガン交響曲」になってしまうのです。
そんなややこしさを、そのままタイトルにしたのが、このSACDです。つまり、「Organ Symphonie」と呼ばれる、オルガン・ソロの曲と、オルガンの加わった「Symphonie」がカップリングされているのですね。
まず、オーケストラにオルガンが加わった「交響曲第3番」です。これは、ヴィドールにとっては、この編成による最初の作品となりました。オルガンが入った「3番」と言えば、あのサン・サーンスの名曲と全く同じですが、実際、ヴィドールがこの曲を作った時にモデルにしたのが、このサン・サーンスの曲だったのですから、「番号」以外は偶然ではありません。楽章も一応楽譜上は2楽章ですが、実際は4つの部分に分かれているというあたりも、全く同じです。
ただ、ヴィドール自身、この作品を「オルガンのための大協奏曲」と呼んでいたように、サン・サーンスの場合とはオルガンの使い方がかなり違っています。サン・サーンスではオルガンはもっぱらオーケストラの中の1楽器として華やかなオーケストレーションに貢献するという役割を担っていますが、ヴィドールでは、オルガンはもっとソロ楽器として扱われています。そんな長いものではありませんが、オーケストラが休んでいる間にオルガンだけのフレーズが数小節登場して、ソロを披露するという場面があちこちに用意されています。
この録音が行われたのは、バンベルク交響楽団の本拠地、ヨーゼフ・カイルベルト・ザールです。
c0039487_21454133.jpg

ご覧のような大オルガンが、目いっぱいオーケストラと対峙しているサウンドは、華麗さの極みです。曲の最後になるにしたがって「オルガン度」は上がっていき、終楽章のクライマックスにはまさにSACDならではの混濁のない胸のすくような響きが堪能できます。これからは、サン・サーンスと並んで、こんだけオーディオ的にも満足のいく録音がどんどん出てきてほしいものです。もちろん、作品としてのクオリティも十分なものがありますから。
もう1曲は、オルガン・ソロのための「交響曲第7番」です。全部で6つの楽章からできていて、第2楽章に「コラール」などが入っているのが、いかにもオルガン・ソロ。次の小節の3拍子のテーマが、鄙びていてフランクのオルガン曲を思わせるものでした。こちらの楽器はルーアンの修道院にあるカヴァイエ・コルのオルガン。フランス・オルガンならではのクレッシェンドやディミヌエンドの表現が、あちこちで見られます。「スウェル」とか「エクスプレッション」という、扉を開閉して連続的にダイナミックスを変える機構が使われているのでしょう。これは楽譜にもしっかり指定されています。
ちなみに、この曲は1885年に作られたものですが、 1918年に改訂されています。この録音は、その改訂版を使った演奏、初稿よりもさらに華やかなフレーズがあちこちに追加されています。

SACD Artwork © Classic Produktion Osnabruck
[PR]
by jurassic_oyaji | 2012-10-06 21:47 | オルガン | Comments(0)