おやぢの部屋2
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45回転LP
 最近、オーディオの世界では「LPレコード」が見直されているような気がしませんか。いや、そもそも真のオーディオ・マニアというのは、CDなんかには最初から見向きもしない「アナログ人間」なのでしょうが、そういうコアな次元での話ではなく、ごく普通の感じでLPが販売されるようになっているな、という気がしているものですから。あのドゥダメルがウィーン・フィルを指揮したメンデルスゾーンの「スコットランド」などは、CDにはならないでLPだけの販売という、考えられないようなことをやっていましたからね。そして、もう少しするとビートルズの全アルバムがLPで発売になるんですよ。
 ただ、これはちょっと複雑な気持ちですね。LPなんだから、アナログのマスターテープからそのままカッティングすればいいと思うのに、これはわざわざデジタル変換したものをマスターにしているというのですからね。まあ、これはどんな音になっているかは、とても興味のあるところです。
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 そして、最近ちょっと食指が動いてしまったのが、こちらのLPボックスです。各方面でとても高い評価を得ているサンフランシスコ交響楽団の最新のマーラー・ツィクルスは、そもそもすべてSACDで出すぐらい音の良さでは知られていたものですが、それをLPにして出したのですから、すごいですよね。ほんとに、これはもうちょっと安ければ間違いなく買っていたでしょうね。
 そこに、タイミング良く、こんなLPのことも含めてこのオーケストラのことを紹介した本が出ました。それについては明日の「おやぢ」を見ていただければいいのですが、その中に、「45回転のLP」という言葉があったのですね。実は、さっきのリンクでも、「45回転」については情報がありました。しかし、それはあくまでボーナス・ディスク1枚だけの話で、本体のシンフォニーやリートはちゃんと「33回転」と書いてあったのに、この本ではすべて45回転であるかのような記述なのですよ。もしそれが本当なら、これはちょっとすごいことです。ご存じでしょうが、LPは確かに音が良いものの、内周に行くに従ってだんだん音が悪くなるという欠点があります。これは、外周と内周との針に対する線速度の違いなのですね。それを、45回転にすれば、内周でも33回転の外周と同じか、それ以上の線速度が確保できますし、外周だったらさらに余裕でいい音を出すことが出来るのですよ。もし、これが全部45回転だったら、この値段でも充分なだけの価値があるな、と思ってもおかしくはないでしょ?
 そこで、それに関して確かめてみようとネットを探してみたら、実際にこのボックスを買った人のブログなどという、まさにど真ん中のものが見つかってしまいました。それを読んでみると、特に「45回転」というような言葉は出て来なかったので、これは普通のLPなのだろう、と推測することが出来ました。さらに、その書き込みには、決定的にこれが45回転ではないことを裏付けるようなことが書かれていたのです。ちょっと引用すると、

23枚目のレコード=「リュッケルトの詩による5つの歌曲」のピアノ版に針を下ろした。
いやあ、これは凄い。歌声が聴こえてきた瞬間、いったい何が起きたのか分からなかった。冥界からの声が歌い手の肉体を通して届けられたかのような不可思議な感覚。まるで、男声がファルセットで歌っているようでもあり、黒人のソウルシンガーのようでもある。クラシカルではあり得ないヴィブラートや大きな音程の巾。しかし、それが濃密な味となって私の魂を激しく揺り動かす。その感動の質は、本物のゴスペルを聴いたときに近い。
思わず歌手の名前を確認すると、スーザン・グラハム(メゾ・ソプラノ)。いや、そんなはずはない。同じセットのオーケストラ・バージョンでは、極めてノーマルで正統派の歌声を披露しているではないか。とても同じ歌手とは思えない!

 お分かりでしょ?「23枚目」というのは、まさにさっきのボーナス・ディスク、しっかり「45回転」と表記のあるものでした。このブログの筆者は、それを33回転で再生したのですね。それでは「同じ歌手とは思えない」のは当たり前です。

あまりにも感動して、昨夜からもう4回も聴きかえしては余韻に浸っているほどだ。

 なんだか、かわいそうになってきますね。4回も聴いて、おかしいことに気づかないのでしょうか(それとも、この書き込み全体が、巧妙に仕組まれたネタ?)。
 ですから、ボーナス以外のLPは、間違いなく33回転(正確には33 1/3回転)なんですよ。
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by jurassic_oyaji | 2012-10-19 21:42 | 禁断 | Comments(0)