おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
WAGNER/Der Ring des Nibelungen
c0039487_22142444.jpg










Many Singers
Georg Solti/
Wiener Philharmoniker
DECCA/478 3702 2(CD, DVD, BD)




今年はゲオルク・ショルティの生誕100年、そして来年はリヒャルト・ワーグナーの生誕200年ということで、こんなものすごいボックスが発売になりました。ジョン・カルショーによって制作された半世紀以上前の「指環」です。
まず、ボックスそのものがCDサイズのちゃちなものではなく、12インチ四方のLPサイズになっています。白いスリーヴを外すと漆黒のボックス本体が姿を現します。
c0039487_22194256.jpg

なんと、箱のお尻にはシリアル・ナンバーが。
c0039487_2221859.jpg

その中にあるのは、4冊のハードカバーのようなものですが、この形ですからまるでこの録音が最初にリリースされた時のLPボックスが4つ集まっているかのように見えはしないでしょうか。
c0039487_22214220.jpg

まず驚くのが、カルショーの著書「Ring Resounding」の原書の復刻版です。もちろん装丁は違っていますが、この数多くのデータが満載の書物を、誤訳を気にせずに読めるのはとてもありがたいことです。表紙のこのキャラは「ワルキューレ」でしょう。
c0039487_22221858.jpg

そして、メインの音声ディスクは、この「ラインの黄金」の巨人族が表紙になっている「アルバム」に収められています。
c0039487_22224938.jpg

1ページごとにそれぞれの作品のCD、最後にはデリック・クックが監修したライトモチーフの音源集、
c0039487_22232447.jpg

さらに「おまけ」として、同じ頃に録音されたワーグナーの「ジークフリート牧歌」などのコンピCD(既発売品)と、「指環」全曲を1枚に収録してしまったBDが入っています。しかし、このメディアは25GBの容量しかありませんから、24bit/96kHzの非圧縮PCMだったらトータル・タイムの14時間半はちょっと難しいのでは。
c0039487_22235175.jpg

3枚目の表紙は、ラインの乙女なのですが、「ラインの黄金」ではなく「神々の黄昏」のキャラとして使われているのでしょう。
c0039487_2224247.jpg

これには、さっきのライトモチーフ集の譜例と、
c0039487_22244772.jpg

なんとも貴重なショルティが実際に使った書き込み入りのスコアの「ワルキューレの騎行」の部分のファクシミリが入っています。
c0039487_222586.jpg

その他に5枚の写真、発売当時の音楽雑誌の広告紙面と、ハンフリー・バートンが制作した「神々の黄昏」の録音セッションの記録映像のDVDThe Golden Ring」まで入っていますよ。
c0039487_22253776.jpg

そして、最後は「ジークフリート」に飾られたリブレット集です。あいにく、英訳しかありませんが。
c0039487_2226272.jpg

と、ため息が出そうになるほどの豪華絢爛なボックスですが、なんと言っても購入のきっかけとなったのはBDによる音源です。もちろん、映像ではなくいわゆるBlu-ray Audioと呼ばれる、ハイレゾPCMの音声ファイルが収められているものです。一応「24-bit」とか「higher bit-depth」という文字が見えますが、今回のリマスタリングに使われたマスターは、オリジナルのアナログマスターテープではなく(劣化が進んで、もはや使い物にならないのだそうです)、1997年にそのマスターテープから「CDよりは広いダイナミック・レンジ」でトランスファーされたデジタルテープなのだそうです。ですから、具体的に数値が示されていない限り、サンプリング周波数についてはCDと同じ44.1kHzだった可能性もありますね(DECCA24bit/96kHzでリマスタリングを始めたのは1999年?)。これなら、楽々1枚のBDに収まります。
そんな、数字上のことは何も考えずにこのBDを聴いてみると、まるでLPを聴いているようなアナログ的な生々しさがたっぷり味わえることに驚きます。「ワルキューレ」の前奏曲などは、最初にLPを聴いたときの感動がまざまざと甦ってきましたよ。これは、SACDでも体験できなかったことです。
実は、このボックスからは、そのESOTERICSACDのソースについても知ることが出来ます。DECCAでは2009年に「日本の会社」のためにデジタル・マスターを作った時も、やはりこの1997年のマスターを用いたそうなのです。いま改めてこのBDと比較してみると、確かにより繊細なところはありますが、アナログ録音が持っている「中身の詰まった」感じがあまりしないのは、CDより少しはマシ程度のスペックのものをSACDにアップコンバートしたせいなのかな、などと漠然と思ってしまうのですが、どうでしょうか。

Box Artwork © Decca Music Group Limited
[PR]
by jurassic_oyaji | 2012-10-26 22:26 | オペラ | Comments(0)