おやぢの部屋2
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N響の「第9」
 お正月の三が日、1日目こそしおらしく元朝詣りなどに行きましたが、2日目からは例によって初売りめぐりです。いや、私じゃないですよ。私は朝早くから福袋目当てに街に繰り出そうとする愚妻を車で送っていくだけです。もうあの辺の駐車場なんて軒並み満車ですから、車を降りて行こうとしても待ち時間ばかりかかってなんの意味もありません。ですから、送るだけ送ったらさっさと帰ってきて、たまっていたBDの録画をチェックです、その方が、よっぽど有効に時間を使えますからね。
 まずは、「24」のキーファー・サザーランドが主演したというドラマ「TOUCH」の最終回を見てみましょう。最初のうちはなんだか意味不明の印象があったのですが、見続けているうちになんとも壮大な設定が気に入ってきました。遠く離れた世界の人たちがある数字のもとに何らかの関係を持っていて、最後にそれが見事に収束するという基本パターンは、最近になくすがすがしいものでした。ただ、後半になってそれこそ「24」では頻発している大きな力による陰謀のようなものが見えてくるのは、ちょっと残念。それが、話を続けていくためだけの設定になってしまわなければいいのですが。
 その最後のエピソードに登場したのが、日本の震災被災者が生活している仮設住宅でした。一瞬、日本でロケをやったのでは、と思えるほどよく出来ていましたが、これはもちろんアメリカで作ったセットだったのでしょう。その人たちと、アメリカに住む人とのつながりを描くというテーマはとてもよくわかるのですが、そこに登場するのが、先祖代々「サムライ」の家に伝わっている日本刀というのが、いくらなんでも我々日本人にとっては現実離れしていて興ざめでしたね。つまり、いまだにそんな風にアメリカの人たちは日本のことを見ていることが分かって、ガッカリさせられます。日本刀を、あの鹿の角みたいな形をしたホルダーに飾っているサラリーマンの家庭なんて、少なくとも日本のテレビドラマには登場しませんからね。
 年末には、ノリントンがN響を指揮した「第9」が、あちこちで騒がれていました。それももちろん放送されていたので、その録画もチェックです。いつもながらの、「ベートーヴェンの時代の演奏スタイルを再現した」というNHKによる解説には、「またか」とうんざりしてしまいます。知らない人が聴いたら本気にしてしまいますから、これはぜひやめてもらいたいものです。あれはあくまでノリントンの独断的な解釈による、単なる「当時の演奏の可能性」にしか過ぎないものなのですからね。
 それにしても、あの大きな編成はすごかったですね。弦楽器は16型、それに木管は倍管ですからね。しかも、倍にしているのは正規の楽器だけで、その上にピッコロとコントラファゴットという「特殊楽器」が加わります。つまり、普通は第9の場合の倍管と言えば、各パートをそれぞれ4本ずつの「4管編成」にして、ピッコロとコントラファゴットは4番奏者が持ち替えという形が一般的なのですが、この時のN響ではフルートパートとファゴットパートだけは「5管編成」になっていたのですよ。写真を見れば、それがどれほどの大人数かが分かります(パートごとに色分けしました)。
N響の「第9」_c0039487_21365886.jpg

 しかし、この写真には、ちょっと不可解なところがありませんか?そんな感じで木管は基本4管、一部5管だと思っていたら、オーボエだけ3人しかいないですよね。しかし、椅子だけはちゃんと4つ用意してあります。これは、オーボエ奏者のうちの一人が、急に出られない状態になって(ノロウィルスとか)、あわてて代役を探したのに見つからず、そんなごたごたの中で空の椅子と譜面台を片づけることもできなかった、ということなのでしょう。なんせ、この日に演奏されたのは「第9」だけなのですから、前プロだけ4人ということは考えられませんし、そもそも「第9」だけ3人というのもあり得ません。ノリントンとN響は、年末に「第9」をNHKホールで4回、サントリーホールで1回(このときは、前プロにオルガンソロが入っています)と、計5回演奏していましたが、ちょうど録画していた時にだけそんな「事件」が起こったなんて。
by jurassic_oyaji | 2013-01-03 21:37 | 禁断 | Comments(0)