今日も愚妻は練習、しかもパート練習もあるというので6時間近くいなくなっています。それで、先週と同じように見たかった映画を見に行くことにしました。「レ・ミゼラブル」です。これは、ちょうど利府MOVIXの時間がうまい具合に練習時間内に収まっていたので、久しぶりに利府まで行ってみましょう。
利府の広い駐車場はほぼ満車だったのに、チケット売り場には誰もいませんでしたし、映画が始まっても、館内には20人ぐらいしかいませんでしたね。ちょっとさびしい感じ。
実は、このミュージカルは、実際に見たことはありませんし、音楽もきちんと聴いたことはありません。ユーゴーの原作にしても、子供向けに書かれたものぐらいは小学生の時に読まされた記憶はありますが、今にして思えばどうやらそれは原作のダイジェストだったようで、後半の話はかなりカットされていたみたいですから、きちんとしたストーリーなど殆ど知りません。ですから、この3時間近くの映画はかなりヘビーに感じられてしまいました。悲惨な話ばかり続いて(題名が「悲惨な人たち」ですからね)もういい加減にしてほしいと思ってしまいます。結末がきちんと分かっていれば良いのですが、それもおぼろげですから、先が見えなくてだんだん見ているのが辛くなってきました。
ただ、後半はやっと収束していく方向が分かって来たので、最終的には面白く見ることが出来ましたが、なんとも重たい物語だったんですね。ですから、もっぱら映画ならではのスペクタクルな映像を存分に楽しむことに集中していました。いやあ、冒頭の造船所のシーンなどは、すごかったですね。一応キャストだけは前もってチェックしておいたのですが、あのシーンでのジャン・バルジャンがヒュー・ジャックマンだったことには、全く気付きませんでした。そのあとの市長になってからの彼を見て、初めて気がついたぐらい、あのあたりは本当に暗いメークと演技でしたね。
おそらく、キャストはみんな自分で歌を歌っているのでしょうね。ラッセル・クロウが歌っているのは初めて聴きましたが、やはり一番問題がありそう、なんだか、最後の方の顔がなぎら健壱に似ていて、笑ってしまいました。その他の、クーデターの学生の若い人たちは、みんないい声をしていましたね。ですから、ヒュー・ジャックマンの声がかなり衰えて聴こえてしまいました。まだそんな年ではないはずなのにビブラートは深いし音程は不安定だし、どうしちゃったんでしょう。
アン・ハサウェイは前から上手だと思っていましたから安心して聴いていられましたが、アマンダ・セイフライドは、「マンマ・ミーア!」の時と同じで、ちょっと聴いていて辛くなってしまいます。というか、コゼット役だときいてちょっとミスキャストだと思ったのですが、実物はやはり悲惨でしたね。子役時代の子のほうが、例のミュージカルのロゴにもなっている原作の挿絵そっくりで、かわいかったですね。
音楽は、圧倒されました。フルオケを使った重厚なサウンド、勘所をしっかり押さえた素晴らしいものでした。ただ、映画館のオーディオ・システムは、こういうクラシックのサウンドをきちんと再生するようには出来ていないのが残念、迫力はあるのに、繊細さが全く聴こえてきません。ショーンバーグの作る歌は、モチーフがはっきりしていて、すぐに入って行ける親しみやすさがありますね。スーザン・ボイルですっかり有名になった「I Dreamed a Dream」は、ああいう場面で歌われるのですね。アン・ハサウェイのアップだけで聴かせるカメラワークには、すっかり引き込まれてしまいました。